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海辺に引っ越して、ストレスの少ない暮らしに近づいた

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 平日は満員電車で会社とマンションの自室の往復、土日に海で遊んでなんとかストレス解消するというそんな都会暮らしをこのままずっと続けていると、ぼくはどこかおかしくなるんじゃないかと、マジで心配になってきました。できれば田舎の海辺で暮らしたいという思いは日に日に強くなってきました。

 その頃ぼくは結婚していて、妻とそろそろ子供が欲しいね、なんていう話しをしていたのです。
 ぼくが田舎の海辺で暮らしたいと思っていることは妻も知っていたし、共感もしてくれているようでした。それに妻は、都会で子供を育てたくないと考えていたのです。ノビノビと育てたいと思っているようでした。

 流れ的には、田舎に移住という方向に発想がいきますが、収入をどうするかという問題があります。テレビや雑誌の移住の話しというのは、家族で移住して、農業やカフェをやって幸せに暮らしています、みたいなのが多いわけですが、ぼく的には農業もカフェも結構大変だし、家族を養えるほどの収入を得るのはかなりハードルが高いように思えました。
 田舎の海辺にある仕事も探しましたが、介護とかホテルの清掃とか建設現場とかが多くて、今の仕事を捨てることに踏み切れませんでした。
 ぼくには、一歩踏み出す勇気もないし、困難を背負う気概もないんだなと、自己嫌悪感がつきまといます。
 それに加えて、あまりに田舎過ぎると子供の教育環境が心配という妻の要望もありました。日々の暮らしが多少不便でもいいけれど、子供が高校や大学に進学する際に、その選択肢が狭まるのはちょっと…というのが妻の気持ちでした。

 そんなぼくが考えた妥協点というのが、今の仕事を続けながら、通勤できる範囲で、できる限り田舎の海辺で暮らそうというものです。
 さしあたり東京の会社への電車での通勤時間が2時間以内で、まずは賃貸で暮らしてみるという条件で探し始めました。
 そうすると千葉県か神奈川県が候補にあがります。茨城とか静岡も探しましたが遠くて現実的ではありません。たとえば静岡だと、小田原とか熱海で新幹線通勤という手があるんですが、熱海を田舎というのはちょっとぼくのイメージとは違いました。もう少しノンビリしたところを考えると熱海で伊東線に乗り換えなければならず、2時間というのは難しいかなと思いました。
 千葉だと外房の茂原から鴨川まで、神奈川だと小田原からずっと海辺沿いに城ヶ島まで探しました。通勤時間と賃料と海への近さなどで悩みましたが、結果的に藤沢市の鵠沼に住むことにしました。会社までの通勤時間は1時間半くらいです。鵠沼ってちょっと町だな、もっと田舎がいいなと思いましたが諸条件を考えて妥協しました。

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 海辺に引っ越しても、平日の会社勤めのなんとなく不完全燃焼な状況はそのままで、土日に海で遊んで自分を取り戻すという基本パターンは変わりません。ただ、海に行きやすくなったので、休日の雑用の合間にサーフィンをするとか、午後に用事があるから午前中に海に行くとか、ちょっと時間ができたから海辺を散歩するということができるようになりました。
 そして海辺に引っ越してみて気がついたのは、都内よりも住んでいる人が優しくて、町全体の雰囲気がスローな感じがするということです。それは日々の些細なことで感じるわけですが、たとえば近所の人と道で会ったら雑談するとか、スーパーのレジで並ばないとか、車で走っていても強引な割り込みをされないとか、煽られないとか、ビーチにはたいてい知り合いがいて、マリンスポーツの話しが弾むとか、まあ、そういうことです。
 今回の海辺への引っ越しによって、ぼくの都会での暮らしの有形無形のストレスを減らすということと、そうして溜まるストレスを海と接することで解消するという目論見はかなり達せられました。

 今回の賃貸での海辺移住で「これはいける」という実感がありました。1時間半の通勤時間もなんとか耐えられそうだし、やっぱり東京のように人口密度が高くないと雰囲気が違うし、それが自分には合っているんだと改めて思いました。
 でもすべてに満足したわけではなくて、鵠沼もいいけど、けっこう町で、住宅街で、しかも観光地で、田舎という感じではないよね、ということ。できれば「もう少し田舎がいいな」と思っていました。

 やがて、大磯、逗子など引っ越しを重ねて、結局、京急の三崎口が最寄り駅の海のそばに家を買うことになりました。もう少しノンビリしたところに住みたいけれど、通勤を考えると、これがベターな選択かなって思います。

 都会暮らしに対して、ぼくと似たようなストレスを感じている方がいたら、少しでも「都会成分」が少ないところに引っ越すというのはアリかもしれません。もちろんストレスを解消する趣味を持つなんていうことでもいいかもしれません。でも、ぼくの経験によれば、土日に趣味でストレス解消するのと、平日の生活で少しでもストレスを受けないようにするのとでは、その質がだいぶ違うと感じます。

 日々の生活の些細なことで感じるストレスというか、違和感というか、イヤな感じというのは、消えてなくなったりはせず、ココロのどこかに溜まっていくんじゃないか、というのがぼくの持論です。それを我慢していると、他者に八つ当たりしたり、浪費したり、博打に走ったりなど、自分でも思いもしない形で現れたり、変な方向(社会的とはいえない方向)で発散するなんてこともあるかもしれません。それさえもできないと病気になってしまうなんてこともあるんじゃないでしょうか…
 そうした些細なストレスを日々溜め込まないで、日々解消していくのが、ココロにも身体にもいいと思うんです。

 まとめちゃうと、ストレスを感じない環境を選ぶことと、日々のストレスは日々解消していくのがいいということなんですが、実際それをやるのは結構たいへんですよね。

 以前の投稿でも書きましたが、ぼくは組織とか集団の中で、なんとなく居心地が悪い思いをすることが多いんです。たぶん周囲に気を遣い過ぎて自ら居心地が悪くなっているのと、自分の意思でなく誰かに指示されるのがイヤだというのが、その理由だと思います。だからといって、自分で起業したり、自活したりする気概も勇気もありません。会社にしがみつきながら、なんとなく居心地が悪いなあというストレスを、休日の海での癒しで解消してきたわけです。本当はストレスをできる限り感じない働き方ができればそれが一番いいのでしょうね。

 これでぼくの駄文は終わりです。そもそもぼくが考えてきたことなんて、ぼくにしか意味がないもので、他の方の参考になんてならないかも…と思いつつ書いてきました。もし最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、読んでくださってありがとうございます。

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