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『遙か6』『幻燈ロンド』感想

※この記事は『遙か2』『遙か3』『遙か4』『遙か5』『風花記』『遙か6』『幻燈ロンド』『遙か7』のネタバレを多分に含みます。
※SideMの話もちょっとだけしています。

 ドはまりしました。
 ここまでのめりこむと思わなかったです。
 自分でびっくりしてます。お前もう遙か6メインジャンルにしろよとでも言いたいくらいのめりこんでる。ここまでツボにはまったの遙か4と下天くらいだが?!

Twitterでの感想はこちら→ #はるりらろく #はるりらろんど

 6は実はコミカライズを4巻まで購入していたので、みりしらではありませんでした。基本情報は頭に入ってたかな。でもプレイするまでに覚えていたのは上記を除けば2つだけ。

・「有馬と一緒に高い塔の上へ登ったらなんか起きた」
・「ルードくんが女装する」

 これだけでした。1つ目は作劇が好きだったのかもしれない。2つ目はあれですね、衝撃だった……。当時フォロワーさんに公式だと教えられて驚いた記憶があります。無印コミカライズの「四位の侍従と茜姫」での永泉さんの女装が大好きなのですがそれを思い出した。これがまさかの伏線だったと誰が思うよ。


はじめに


結論。
本命:ルード
準本命:九段・村雨

 すごい!!!まさかの無印(ゲームちょっとしかできてない+コミカライズとアニメと小説は完走済み)と同じところに落ちた!!!ちょっとこの3人のろくろばかり回しています。ちなみに神子八葉箱推しです。

 遙か6、全体的に好きすぎて箱推しだなあという所感でした。
 そもそも、「世を揺るがす」地の青龍と「正義の光」天の白虎が鬼の一族の首領と副官(そして副官は鬼の一族の首領の血筋である)というところの意味合いってすごく大きいのだ。遙か6の表メッセージは「既存の役割に囚われるな」ですよね。だからこそ全員が歴代のポジションを踏襲しつつもイレギュラーで。これまでの設定を上手く咀嚼してよく作ったなと思います。何度膝を叩いたか分かりません。

 あとはね、帝都が舞台なのがすごく良かったなと思います。遙か5、特に風花記で守った土地を改めて守り直すの鳥肌しかなかったです。
 遙かシリーズの醍醐味のひとつって別の時代の同じ場所で戦えることですよね。例えば1・2・3・5・7の京。例えば3・4・7の紀伊~吉野~熊野。5ではMAPこそなかったものの、5・7で登場した関ヶ原。そして、5・6の江戸と帝都です(MAP自体はないものの7宗矩ルートでも出てきましたね)。風花記で江戸の町を見渡し和平へと思いを馳せたあの愛宕山が重要な霊地として登場する。感動に打ち震えました。ありがとうございました!!
 欲を言えば横浜MAPが欲しかったなあって……!! コルダのマップと比較したかったです。別時空だけど比べたかった!!

 では、個別感想へ参りましょう。無印とロンドどころか他ナンバリングの話もごった煮ですので、未プレイの方はご注意をば。

個別感想

有馬一

 【無印】
 ばっっっっっか野郎!!!!!!!!
 6無印、最後の最後の感想です。天青龍って。天青龍って……!!
 大好きですね有馬一。どうしてそこまでして身を引こうとする?ちゃんと責任取ってください。キャラソン初めて聞いたときはもしかして死ぬのか?!と忍人ルート的な怯えをかましていたのですがそんなことなかった。単純に身を引こうとしてるだけだった。馬鹿野郎。
 天青龍が本命になったのって5の瞬兄だけなんですよね(4の風早は別格というか最早好きとかいう尺度ではない)。なので好きそうだなと思いつつ好きになれるか心配だったんですが杞憂でした。好きだなあこの人。
 恋愛面でも好きなんですが、シンプルに「戦友」としての絆の積み重ねが好きで。最後ばっか野郎ぶん殴っていいか?!(好き)になりました。
 有馬一という男、人間性が物凄く好き。なんていうかね。ずるい男ですよ。
 ていうかあの、あの、昏睡ループイベあれなんですか?????ずるくないですか????こちら遙か4で那岐に落ちたオタクです。死反玉イベ思い出して神子は死にました。ずるくないですか???????

【ロンド】
 一周目。序盤ダリウスイベント(横浜市へのコンタクトに関する話)でその人間性に惚れこみましてやっぱ好きだわ一生ついていきますになりました。
 が。終盤。

    有 馬 出 征

 無理無理無理無理?!?!?!?
 割と本気でしんどかったです。風早じゃん!!!!!!!!!!!
 風早一周目の狭井君による河内出征のオマージュやん!!!!!!!
 しかもこの展開、絶対に避けられない運命なんですよね。有馬はどう足掻いてもどのルートでも大陸の激戦地へ出征することとなります。
 この戦争、恐らくなんですが日本から見て北側及び東北部の戦争ですよね。強兵計画で出征させるはずだった1918-1922年の敗戦と、昭和期の軍部の暴走と呼ばれる1931-32年の侵攻。日中戦争、太平洋戦争、WW2へつながるかなりデリケートな話になってくるので作中でもぼかしてますが。割とだいぶ本気でしんどかった。青龍けしかける計画のあたりとかもうね……。四神を対人戦争に使うんじゃないわよ。聞いてるか平島。あっ声同じですね。
 最後は梓とダリウスが本当に強かった。有馬の人柄あってこそのダリウスの協力はあったんだろうなと思います。

 ところで「天地ノ歯車~青龍・白虎~」のドラマを聴いたんですが、有馬一の好きな戦国武将は、

 ・真田幸村
 ・石田三成

 だそうです。そんなことある???遙か7完走してから改めて聞き直してギャン泣きしてます。詳しいことは7の感想で話しますが泣いちゃうだろ。
 天の青龍の先輩とその対の双子の兄ですよ彼ら。幸村と三成(そう、彼は三成として生きて死んだ)の生涯は講談を初めとした色々な逸話を経て、320年後を生きる彼らに伝わっているわけです。しんどいやら嬉しいやら。
 有馬一って義の男なんですよね。幸村ルート最終盤と有馬一の精神性とその行動に思いを馳せていくと一生話が終わらないのでこのあたりにしておきます。

ダリウス

【無印】
 だめだ…………俺が何とかしないと……………。
 カウンセリング! 庇護欲!!
 そんな感じでした。地青龍ってずるいですね。知ってた。今まで落ちた地青龍は4アシュヴィンと5龍馬です。
 梓ちゃんが代弁してくれた通り「寂しがり屋」な男。余裕そうに見えて、その実、繊細で傷つきやすい人。
 何度ぶん殴ろうとして抱き締めたか。好きだ…………。あとダリウスの精神性がすごく好きです。上に立つべくして生まれた男だなあ、と。あまりにも好き。
 最後の最後眠り姫みたいになるのもずるい。美しすぎる。ダリウス、やはり地青龍なだけあって正義漢なんですよね。それでも心の闇は深くて、必要性から力を求めるしかなくて、結局鬼の仮面に魅入られてしまう。しんどいなあ。ラストのルードのウェディングドレス縫製は最高すぎて悲鳴上げました。あとアシュED大好きなので大喜びしちゃった。ダリウスと結婚したら秘書業務するだろうしルード※女装が上司になるのかな……。
 ところであのシュークリームなんなんですか???あれはずるすぎる。ロンドトレボ特典の茶会CDで目逸らししてたの大笑いしました。自覚あるんだ。可愛いね。

【ロンド】
 ルードと対シナリオでしたね?! 死にました。いや、ナーシャのくだりとかずるすぎる。さすがの言い回し。

 「鬼の一族の未来」がテーマのシナリオだったんですが、ここまで真剣に鬼の一族に向き合うことになるとは思いませんでした。遙かでずっと扱ってきた鬼と人間の共生について、ルードルートとの両面でじっくり考えさせられました。6ロンド遊んだ神子、7宗矩ルートで泣かなかった?私は泣いた。

 どのルートでもダリウスとルードは八葉の仲間の協力を得て横浜市へコンタクトを取る。横浜市長は快く受け入れてくれるけれど、ダリウスは不幸な事故によって悪に仕立て上げられてしまう。ダリウスやルードがどれほど強い正義感を持っていたとしても、少しの揺らぎで鬼への偏見と迫害は広がってしまうんですよね……。そんなダリウスやルードに対する梓ちゃんの接し方は、「黒龍の神子」の性質そのものでした。そこが個人的にすごく好きだった。
 白龍の神子が主人公であれば、きっと主人公は2人を助けるため聞き込みをして情報を集めたり、他人に相談したりと動き回ったでしょう。だけど梓は「黒龍の神子」なんですよ。ただ二人の傍にいて、荒れたダリウスが感情を吐露することのできる相手になって、ルードが留まることのできる居場所になって、彼らが前に進む手助けをしていた。黒龍の神子の性質が上手く生かされた対シナリオだったなと思います。

 ところでダリウス、有馬にめちゃくちゃ懐いてませんでした?もはや猫。


コハク

【無印】
 ゴンドラの唄ァ!!!!!!!(激突死)
 いやずるい。ずるいって。王道ですけどずるいなあ。
  命短し恋せよ乙女。近代日本が舞台の恋愛ものでは外せない王道ですよね。朱雀組は近代日本が舞台の恋愛ものとしての王道を軸にしつつ、強兵計画と憑闇の真実を加害者側、被害者側それぞれの側面から突き詰めてゆくシナリオでした。朱雀シナリオ、とんでもなく面白かった。(青龍シナリオは禍津迦具土神と徒花の真実を突き詰めるシナリオでしたね。)

 コハクは今までにはないタイプの天朱雀でした。軟派なところは3ヒノエとか4サザキに通ずるかな。なお私が今までに落ちた天朱雀はヒノエと5チナミとマコトです。
 今回、本名があるタイプの天朱雀でしたが、相変わらずギャップがすごかったです。藤原湛増と同じくらいびっくりしたよ善次郎。藤田彦五郎もだいぶびっくりしたが……。

 一番好きなのは写真館のスチルです。あそこの梓の落ち着きとそわそわするコハクが好きすぎる。梓、きっと千代おばあちゃんに連れられて何度も写真館で写真撮ってるんだろうなあ。じゃなきゃあそこまで落ち着けませんよね写真館って。緊張するやん。
 コハクが記憶を取り戻す過程がとても好きです。苦しい記憶だけが戻ってきて挫折しそうになるけれど、それでも浮雲さんとの再会を機に己の存在を受け容れて前へと進んでいく。

 ところで6とロンド攻略後に都内観光を兼ねて5と6の聖地巡礼に行ったんですよ。その際小石川後楽園(小石川庭園)も行ったんですが。あの。あの後楽園で獲りものするの辛くないですか?!?!?広すぎる……。コハクがいた小石川植物園はまだ行けてないんですが、そちらもとんでもなく広いと聞いているので、きっと同じように肩で息をすることになるでしょう。今度行こう。うん。両国の回向院も行きたいな。

【ロンド】
 大正期の恋愛ものの王道!これは天地朱雀の基本テーマなんですね。核となるのは「手紙」でした。よすぎた……。
 手紙のことで一度は傷つくコハクだけれど、それでも村雨に教えてもらいなんとか文字を書けるようになっていく。
 梓が時空跳躍してから未来を変える手段が手紙であることも燃え上がりました。シナリオの組み方もさることながら、藤堂の計画を先んじて更地にしてくの気持ち良すぎたな……気持ち良すぎて藤堂が可哀想だった……。
 EDも手紙の交換ですごく可愛かったです。


片霧秋兵

【無印】
 地朱雀にはね、弱いんですよね…………。はい。
 2彰紋、3弁慶、4那岐、5沖田に陥落済みです。なお7でも大和に落ちた。全員準本命ですね。1詩紋くんは未攻略なのですがなんかもうここまでくると落ちる気がしてきますね。ていうか八葉抄アニメ見直して好きだなあになりまして、1Uやるのが今から怖い。
 ていうか気づいたけど5以降の地朱雀みんな剣士なんだな……。

 秋兵はというと、準本命にまでにはなっていないものの、その生き方がぶっちぎりで好きです。5小松さんとか有馬と同パターンで、最終的に結ばれることなく傍にいたいタイプの人でした。
 良家の子息が自分の家から逃げずに戦い続けるのが好きなので、ストレートに刺さりました。ていうか親子関係が冷え切ってる二次元の金持ち家庭って、好きで……。

 周りに笑って欲しいから無理にでも笑う、どれだけ信じようとして裏切られても、それでも信じて向き合っていく。一人で愛宕山へ登っていった秋兵を追いかけて、梓が寄り添うイベントがすごく好きです。それはそうとちょっとぶん殴りたくなった時がなかったというわけではない。好きだ。

 秋兵は正義と優しさの人でしたね。
 家族や仲間を信じることのできる優しい人でした。朱雀に選ばれるべくしてある人となりだなあ。有馬・秋兵・九段の三人は、宝玉の破壊がなかった場合でも千代の八葉に選ばれてただろうなと思います。

 だいぶツボったのは村雨へのファンムーヴとシベリア狂、それから横浜の音楽学校のくだりでした。あれはずるいでしょう。ちょっとBP稼がせてほしい。

【ロンド】
 片霧夫妻のアルバムを見るスチルがすっっっっごく好きで!!!!!!
 いいですよねあのスチル。二人の距離感とか優しい空気感とか。あとあの秋兵の肩幅というか体格の作画がめちゃくちゃ好きです。

 シナリオもぶち上がりました。時空跳躍してどうするの?!と思ったらまさかの総長復活!!!!!
 藤堂に操られて地朱雀vs地青龍になる遙か3の悲劇のオマージュシーンがあまりにも辛くて仕方がない(協力技取得イベントを見たあとだと殊更そう思える)んですが、その悲劇をあの総長が打破していく流れが完璧すぎて。

 それはそれとして洗脳って大好きなのでロンド飲まされて鬼の首領討伐隊隊長として剣を振るう秋兵あまりにも性癖でした。いや好きすぎた。あれはねえいけませんよ!!!!本当にありがとうございます。
 九段・村雨・萬ルートでのロンド洗脳回避ルートもぶち上がるんだなあ。好きだなあ。


ルードハーネ(本命)

【無印】
 遙か6をここまで拗らせることになった元凶その1。
 いや警戒してなかったわけじゃないんですよ。1鷹通・2幸鷹には落ちてますからね。5小松さんはどちらかというと史実の方に惚れこんだパターンですが、友愛の側面では本命格です。なお7長政にもだいぶやられている。いやあれはだめだ。アシュと同じ落ち方してる。だめです。地朱雀と天白虎に弱い。

 とりあえず1周目で初めて声聴いた段階でもうほぼ陥落してました。この音程の立花慎之介ボイス、耳が溶けるんだ。だめなんだ。まほやくシャイロックとか……(最近勧められて視聴した『信長の忍び』の光秀とか)。
 そこに加えてあの柔らかさときた。だめでは?!?!?!?いや、鷹通さんと幸鷹さんの神子への優しさと周囲や自分への厳しさのあれそれがとても大好きなので……。

 性格については、SideM経由しなければここまで拗らせなかったよなと思います。冬美旬と同系統ですよね……。
 
 ルードは性格とか声ももちろんなんですが、「鬼の首領の血筋である」「女装する」ところが完全に沼でした。
 いや、鬼の少年枠と副官枠なのはね、分かってたんですけどね、鬼の美女枠まで兼ねてるとか誰が思うよ?!?!?!確かに女装は美女だけどそれで秋兵誘い込むとか?!?!?ここ別にCPにするとかじゃないんですが女装ルードと秋兵もっと絡んで欲しかったまである。あまりにもよい。てかここ詩紋セフルのオマージュなんですよね。それにしたって天の白虎が女装って?!理由語られてるとはいえいまだによくわかりません。いやわかってるんだけど。

 あと「鬼の首領は世襲制」ってあのもしや。もしやですよ。
 『遙か6』の年代は1923年下半期。一方、『遙か5』は1865-69年とかですよね。100年経ってないんですよ?!せいぜい60-70年。ルードが住んでいたのは遙か西の鬼の隠れ里。ルードの住んでた隠れ里って長崎なのでは……?
 つまりですよ??髪の色も似通ってるわけで、十中八九、桜智さんの孫か曾孫……。桜智さんが史実通り新聞発行したり衆議院議員してたかどうかは謎(戯曲は書いてるっぽい)なんですが、それにしたってこれは。史実の福地さんの没年が明治39年(1906年)なことと照らし合わせると、明治41年(1908年)生まれルードは一度も会ってないことになりますね。晩年の写真とかは家にあったんだろうか。桜智さん鬼としてのペルシャ名教えてくれ。

 イベントはどれも好きなんですが、やはり……女装……!!
 あれはずるい。美人過ぎる。ところでAS函館天音のオタクなのでスチルの女装外見でぶん殴られました。ニア似の美女だ……。
 あれだけで終わりかと思っていたらそんなことなどなく。まさかそれから3回近く出てくるなんて思わないですよ。おかげでこのざまです。


 あとはねえ、恋愛に慣れていないが故に感情でぐちゃぐちゃになっていくくだりがあまりにも可愛くて。こっちの感情がぐちゃぐちゃになりました。たすけて。ルード、とにかくしっかりしていますが、今回の八葉最年少なんですよね。時折出るいじらしい子どもらしさがすごく可愛くて堪らなかったです。どっかで出てきたダリウスにいろいろ買ってもらう夏祭りのルードが可愛すぎた。あれはずるい。コミカライズも飴細工ペロペロしてたし。可愛い。

 村雨ルート以外では毎回凌雲閣地下へ案内してくれるので、毎回スキップせずに見てました。あそこのルード好きなんだ……。

 EDずるかったですね!!!!!!!!
 いや、ルードが村野さんと出会って教育の道へ向かう過程が大好きなのですが、まさか生徒の前でいちゃつくとは思わず。いやずるすぎる。スチル左手の驚き顔少年の表情がツボです。

【ロンド】
 どうして女装スチルなかったんですか!?!?!??!!?!(シナリオ的に必要なかったからです)
 その代わりライターにこれでもかと弄られてたな女装。いいんだよ女装してくれても。
 そしてスチルはほぼ毎回フードを外してくれました。ああ~~~~少年だねかわいいね。浅草六区での追いかけっこイベントが好きです。

 シナリオはダリウスと対で「鬼の一族の未来」について。ダリウス側で起きた事件をルードの傍で追っていく流れが辛くも楽しかったです。ルードルートを完走してからダリウスルートを遊んだのですが、舞踏会場のくだりと画材置き場のくだりのリンクに鳥肌が立ちました。分岐が早めにくるのすごかったな……。

 ルードとダリウスのルートでは、過去一番「鬼の一族」について考えさせられました。ルードが鬼の一族のことを知ってもらうための講演会を行うくだり、そして、ルードルート終盤で国家教育に鬼の一族への差別や偏見を解消する超長期計画を組み込むくだりは素晴らしいなと思いました。

 遙か6、歴史上有名な戦いを描いているわけではないんですが、近代日本において重要な事項はしっかり押さえてますよね。さすがすぎる。

 たとえば禍津迦具土神が顕われたタイミング。凌雲閣が崩壊、帝都が混乱に陥ったこの事件は村雨が言っていた通り関東大震災です。そしてダリウスルートにおいて、ルードは住民から石を投げられます。これは関東大震災当時起きたデマと虐殺でしょう。実際、鬼の一族は犯人にされかかっていましたし。

 そしてロンドにおける講演会は大正期の部落解放運動です。史実では前年の1922年(大正11年)に全国水平社が結成されています。その後の長期教育計画については、戦後の教育改革でしょう。強兵出陣や有馬出征は恐らく前述したとおりですし、遙かは基本史実通りに事が進むのでこれが上手くいくかはわかりませんが……。日中戦争も太平洋戦争もWW2も起こるはずなんだ異世界も。

※2023.7.24追記:幻燈ロンドのインタビューにて、無印での神子と八葉の功績により歴史の皺寄せがおき、戦争の歴史が200年ずれることになったとあると教えていただきました。ありがとうございます。

 梓が時空跳躍する前、ルードが鬼の首領の仮面をつけて死んでしまうシーンが辛いけれど好きです。「首領見習い」を経て首領になる……しかしその能力はいまだ仮面に見合わない。いやでもしかし無印の時から「首領の血筋である」「もともと首領になるはずだった」と言われてきたルードが、一度は仮面をつけて力を発揮する(しかもカットインまである)。
 神ゲーか?!?!?!になりました。嬉しすぎた。死んでしまったのはつらかったけれど堪りませんでした。

 ルードルート、とにかく色々な事を考えさせられました。
 それと同時に、ルード自身の可愛らしさや強さにもやられました。
 最初にも言いましたが、地の青龍と天の白虎が鬼の一族であることの意味合いってとてつもなく大きいんですよね。今後異世界でもWW2は起こるはずですが、ダリウスとルードの活動は間違いなく後世の教科書に残るものだと思っています。それこそ大正時代の社会運動の節(農民運動、女性解放運動、部落解放運動)に名前が載るのではないでしょうか。載って欲しいなあ。

 こんな感じでだいぶ真剣に考えていたので、7の宗矩ルートで致命傷というかガチ泣きをかましました。宗矩にこの未来を見せてあげたい。


本条政虎

【無印】
 ここまで好きになると思ってなかった。
 ガタイのいいキャラもアウトローなキャラも滅多に落ちないんですよね。なので素直に好きになれたことに驚いてます。
 ……といいつつ虎は地白虎なのでね? 地白虎も落ちてるんですよね。1友雅さんとか2翡翠さんとか……(このあと7で兼続に落ちることになる人)

 虎ルート、Twitterで好評だったのをちらちら見ていたので楽しみにしてました。序盤の風呂場でばったりとか中盤の川で溺れた後のくだりとか楽しかったです。CERO:Cだあ。
 虎ルートの梓ちゃんはかなり無謀だったなと思います。一番黒龍の神子っぽくなかったかもしれないと思いつつ、同じ陰側である虎との対比もあってそう描かれてるのかなと思ったり。ていうか父親と似てるんだ?! いやまあ女性向けで母親に似てるはやりませんよねとも思いつつ父親なんだ……となりました。

 終盤の禍津迦具土神戦。まさかの蛇体に乗って直接戦う虎。いやかっこいいわ!! まさにヒーロー。ワイルド日本昔話だ……。結果そこから落ちて病院へ。病院で父親が助けた子供と出会って話したあたり、めちゃくちゃ感動しましたね……。いやシンプルにシナリオが良い。あとかっこいいんだ虎。ルードとの掛け合いも面白いですよね彼。ていうか上空から落下して意識不明になった虎に駆け寄るルードが……なんだかんだ言って仲間意識強いんだなあと。安心できるからこその憎まれ口の叩き合いなんでしょうね。

 禍津迦具土神戦、決戦。愛宕山の山中が決戦の地になるのは他にもあったと思うのですが、まさか最後の最後で黄泉比良坂が登場するとは思わず悲鳴あげました。黄泉比良坂って!!!! 4で出てきたよね?!?!?!?!
 のちのち4メモブを引っ張りだして確認したところ、やはりありました黄泉平良坂。ていうか序章で柊が通って千尋の前に現れてるんですよね。それ以外にも柊は若い時の黒龍討伐の際に黄泉平良坂を使っている。ですが柊の場合は一ノ姫と羽張彦を喪って帰ってきた。このあたりもオマージュなのかなと思います。虎の場合は梓を取り戻して現代へ辿り着きましたね。千引の岩をどかして。

 ED、描写はなかったものの、年齢を重ねた千代おばあちゃんのおしゃべりに付き合う虎の姿ちょっと見たかった。翻弄されてそう。

 無印シナリオは四神で対でしたね。ルードルートとの共通事項は「呼んでくれたらどこにでも駆けつける」。気付いたあたりで思わずFRAMEって叫んでしまった。緑だし。
 四神の試練イベントめっちゃ好きです。白虎組は玄武組とは反対に二人とも強制ワープ召喚でした。ルードと虎にイラっと来る白虎面白い。今回、明王試練も四神試練も戦闘だったのは白龍の神子ではなく黒龍の神子だったからかもしれないなあと考えてます。8人は八葉としての適性があるといえどまだ八葉ではないですからね。

【ロンド】
 やはりなんだかんだで投影される父親像。なのは覚悟してたんですが、まさかド直球に火事が来るとは思わず焦りました。大丈夫か虎?!
 生きてきてなんだかんだずっと火事のことに思いを巡らせていただけあって、火事に対する手際がすごくよかったですよね……。
 悪徳業者の用心棒になって出てきたときはさすがに馬鹿野郎の叫び声が出ました。菊会の壁ドンも最高だった……いやあ壁ドンが似合う男ですな……。

 終盤、時空跳躍して戻ってきてからの幻燈機のパスコード解除。中盤辺りで虎が萬の耳の違和感に気付いたイベントが分かりやすく盗聴器だったわけですが、まさかそんなガバガバパスコードだとは。
 成人現代人村雨の小声のツッコミにぶんぶん頷きました。
 結局パスコードはギリギリで解除できたものの、爆発を真に受けてしまった虎。どうしてお前はどうしてそう!!!!!

 楽しかったです。虎ルート。好評なのすごくわかる。そしてなんだかんだで一番頭を抱えたのはやっぱり黄泉平良坂。そして喜び顔。
 あれはずるいよ。ずるいって…………。何度頭抱えたか分かりません。


萩尾九段(準本命)

【無印】
 お前は何???????
 定期的に「何なのこの人」になりすぎて、プレイしながらアルテ通常号の麗くん状態でした。

 初見では落ちないだろうなとたかをくくっていたもので、この面白さは予想外でした。ここまで好きになると思わなかった。

 いや本当になんなんですかね萩尾九段。もうフルネーム呼びですよ。何????? 萩尾九段、確かに天の玄武なんですよね。長い苦しみの中にいるし……。
 それにしたっておもしれえ男すぎる。1周目からずっと面白かった。蓋を開けてみればあまりにも有能だし、(千代の件が吹っ切れた後は)天の朱雀も真っ青なほどの超ポジティブ恒星属性。歴代の星の一族八葉に爪の垢煎じて飲ませたくなる。なんだおまえ。

マイナス思考(星の一族八葉)×マイナス思考(天の玄武)=超ポジティブ思考(萩尾九段)

 ……ってコト?! 
 なんて発想は置いておいて。九段の思考がポジティブに見えるのは黒龍の神子視点だからだろうなと思っています。
 九段、確かに星の一族なんですよね。龍神の神子の無事、そして帝都の存亡に人生の全てを傾けている。ポジティブに見える理由は、九段自身が自分に備わった能力とこれまで積み上げた知識をきちんと把握しており、さらにそれを実行できるからというところが大きいのでしょう。そこへさらに加わるのが千代への友愛の感情。幼馴染を守りたいという想いはね、強いですよね。

 白龍の神子と幼馴染の星の一族八葉って、ほとんど必ず神子への感情を拗らせますよね。譲しかり五月しかり。急に二つも役目が降ってきたうえにもともとの感情もあるから拗らせるんだろうなあ。
 九段も例に漏れなかったわけですが、それを平手打ち一喝で更生させる梓ちゃんがめちゃくちゃかっこよかったです。ていうか今気づいたんですけど九段と五月って境遇が割と近いような。幼い頃から星の一族の役目に邁進してたし白龍の神子と一緒に育ってるし(七緒ちゃんの正体はともかく)。

 6の玄武の力って「知識」ですよね。九段は「星の一族としての知識と術師としての知識」、村雨は「現代側の史実知識と政治記者として培った経験・知識」。九段の場合、強い霊力を持つことももちろんありますがそれ以上に知識の面が強い印象があります。
 実家に伝わる神子と八葉の逸話や、陰陽術などの知識を積み上げてきたからこそ、その状況に合った方策がすぐに思い浮かぶんです。そしてそれを発言できるからこそ、ポジティブに映るのだと思います。九段も村雨も自分の持っている知識を「賢く」活用することができる。まさに玄武に選ばれるべくして選ばれた二人だと思います。

 禍津迦具土神との決戦。腰を抜かしました。なんですかあれ。
 凌雲閣地下での抵抗で、九段は星の一族としての力を喪っていました。ですが、ここで終わらないのが萩尾九段という男。というかこれ以降がまさに6玄武組が象徴する「知識」の力を最大限に生かす展開といえるでしょう。

 星の一族としての力を喪った九段に宿ったのは八葉としての力。天の玄武として立ち上がった九段が武器として掲げたのは、神子にはおなじみである八葉とそれに対応する四神についての話でした。
 幾度となく異世界を救ってきた我々神子にとって、八葉が四神を召喚できる事実は当たり前ですよね。神子と八葉として戦い、その途中で四神の力を得ることができるようになる(3はまた別ですが)。ですが、6の彼らはそもそもの順番が違う。
 
 黒龍の神子である梓が、四神を「解放」し、「協力を得られるようになっていく」んです。四神解放の際、彼らはまだ八葉ではありませんでした。「四神と呼応する力を持つ者」であっただけです。
 梓と千代が時空跳躍をしたあと、ようやく八葉が選ばれました。
 崩れゆく凌雲閣の地下ですから、落ち着いて八葉の説明を聞く場所もありません。神子もいません。そんな中で手早く八葉の説明を済ませ、地上へ出たうえで「八葉は対応する四神を召喚できる」と伝える九段。すごいですよね。この説明によって生まれる展開は、彼の霊力そのものではありません。彼が星の一族の使命に邁進するうえで積み上げてきた知識の力です。そこからの展開は鳥肌ものでした。天地二人一組になり思うままの口上で四神を召喚し、禍津迦具土神を閉じ込める八人の図が大好きです。

 シナリオ終盤、禍津迦具土神との戦いが終わった後、表情を輝かせて「神子の世界へ行く!」と断言した九段がすごく好きです。同時に思いきりツッコミました。やっぱ星の一族って軽率に時空超えるよなあ!!!!!!!天海元気してる? 
 EDは高塚祖父母の正体に最も近づくEDでしね。
 梓のおばあちゃんが千代なのはもうほぼ確定なんだろうと思ってたんですが、まさかおじいちゃんも異世界人だとは思いませんでした。まさか進さん連れていってるとは思わなかっ……………いや連れて行くわ(真顔)。
 連れて行きますね。はい。白龍の神子ってそうですよね。好きな人現代に連れていくやん。そうだよなあ?! 連れていった記憶がめっちゃあります。
 やられた……ルビパ強い。そんなところまで踏襲してくるとは思いませんでした。白龍の神子だもの。想い人現代に連れていくわ。納得。

 九段があんなに思い切りよく神子の世界へ行くと言っていた理由を考えたんですけど、きっとあれですよね。もちろん一番の理由は梓ちゃんと千代が生きる世界だからなんですが、思いきりがよすぎたのも知識面入ってますよね。5の八葉がびゅんびゅん現代と異世界行き来してた記録が一番新しい記録だから……。(ワンチャン7八葉がホイホイ現代と異世界行き来してた記録もあるかもしれない……)

【ロンド】
 お前は何?!?!?!?!?!?!??!(2度目)
 やっぱすげえですよ萩尾九段。一体何。何なんだお前は。
 既に通常ルートは終えていたので、藤堂がラスボス且つ星の一族で、どんな流れで大正時代の帝都を戦争へ突き進ませたかったのかは分かっていました。そんな未来の星の一族と相対する現行の星の一族の九段がすごすぎた。
 いややっぱ萩尾九段って光属性だわ。恒星ですはい。(手のひらクルー)
 梓も藤堂も救う。いやすごい。これはすごい。一度の夢見と藤堂や萬の言動から藤堂が未来人であることを導き出し、「過去へ遡ることが出来るなら未来へ飛べばいい」と言ってのける。そして梓・村雨を連れて未来へ時空跳躍し、見事5人で龍脈を浄化してみせた。いやすごすぎる。

 ロンドは藤堂が生存できるEDが特に好きなのですが、九段ルートの展開が一番好きですね。星の一族のご先祖殿、すごすぎる。
 ところでこの「ご先祖殿」とのやり取り。何かと思ったんですが『風花記』終盤のリンドウと祟のやり取りに似ている気がします。「君の先祖としておしおき」に近い流れです。うーん好き。薊兄弟は桐生兄弟のオマージュなので、藤堂尚哉(薊尚哉)はまさに祟のポジションなんだなあ。

 九段ルートで特に好きなのはニコライ堂での膝枕です。ロンドは「未来」がテーマだったため、星の一族の能力、その中でも「夢見」に特にスポットが当たっていました。その流れで膝枕が出てきましたが、まさかお互いに膝枕することになるとは思わず。いや、よすぎる。これよ、これを待っていたのよ。ところで作中のニコライ堂がとても美しかったのでリアルでも行きたいと思ってます。東京、近世・近代史の中心というだけあって観光する場所が多すぎる。

 余談ですが、6無印でもロンドでも九段ルートの展開が大団円EDの展開に最も近いシナリオ展開になってるんですよね。梓ちゃんと千代が協力する、未来の帝都へ飛んで龍脈を浄化する。それを考えてみるとやはり萩尾九段ってすごい。すごすぎる。なんなんだお前は。

 今は7含めて色々考察してます。星の一族って考察捗るんですよね……。7で四条大宮に筒見屋の邸があったので、萩尾家と駒野家はその辺なのかなとも考えたり。
 気づいたら準本命になってました。ずる過ぎる。ずるすぎる……。

里谷村雨(準本命)

【無印】
 ずるくありません???!?!?! 6って実質描ける最後の世代の八葉なんですよ。黒龍の神子が主人公なのも合わせて「イレギュラー」が裏テーマだと思うんですが、それにしたってイレギュラーを搭載しすぎている。

 ①幸鷹と同じ隠れ現代人枠
 ②将臣(・三鶴)と同じ、時空跳躍時に着地点がずれた現代人枠
 ③シナリオ開始時に怨霊と戦う力を持っていない

 ひとつひとつを取って見ると③以外は特に例外的ではありません。ですが③。地の玄武としては異質すぎる。
 村雨が持ってる霊力って、(八葉として選ばれた後を除けば)ダリウスから受け取った流星刀だけなんですよね。あの刀が泰明・泰継のような人の理を外れた霊力の強さやリズ先生のような鬼の力、忍人の破魂刀、元々玄武と親和性が高く呪詛された玄武をも使役できた高杉の強さと相通ずるとは思えない。
 のちのちいろいろな方の考察を読んでいて、彼の地の玄武としての強さは「知識」にあるのだというところに納得しました。村雨里史という元記者の男は政治史に強く、その知識は大正年間の異世界において強い力として作用する。それゆえの地の玄武なんだなあ。
 ところで私、2は幸鷹本命です。現代出身の話が出てきたところでぐずぐずになってしまった。

 村雨が自らの意志で異世界にいることを選んでいるという点は久々すぎてむしろ新鮮でしたね……。幸鷹は記憶が戻らなければ現代に戻る決意まで至りません(そもそも2は京EDと現代EDがある)。3無印の将臣は異世界に残る意志を固めるED(南西諸島の平家落人伝説)なので、どちらかというと将臣の系譜になるんでしょうか。2か月のちに7をプレイし、大和や三鶴を見ていて彼らも同じ系譜なんだと気づいて鳥肌が立ちました。

 村雨のことは「小説家」ということで元々気になっていました。5年か6年ほど前に文豪とアルケミストというゲームジャンルにいたもので、明治~昭和の文筆家というポジションには興味がありました。(6にドはまりした今は改めて出戻っています楽しい)
 なので口述筆記のくだりはめちゃくちゃ楽しかったですね……。
 ていうか村雨、二度も三度も美味しいキャラクターすぎる。ずるいだろ。
 第一には小説家兼情報屋、第二には結実なき花の統率者(ロンドでは結実党の党首)、第三には現代人であるという点。どれもこれも美味しすぎないか。

 7の三鶴・五月・大和は村雨系譜の側面があるキャラクターだなと思っています(七緒は千尋系譜)。
 これは、村雨という男が「現代で得た知識」を駆使して異世界を生き抜く人間であるからです。そういう意味では天野兄弟は九段(星の一族)と村雨(史学知識)二人の系譜と呼べるのかもしれません。
 話が逸れるんですが、3以降の現代人八葉枠に歴史に造詣の深いメンバーが必ずいるのいいですよね。ユーザーの理解の助けにもなりますし、なによりタイムスリップもの(遙かはタイムスリップものではありませんがその亜種ではある)の味が出ます。3譲、4風早、5瞬兄、6村雨、7五月。こうしてみてると奇数ナンバリングは全員星の一族だな……。風早に至っては人外だし瞬兄も未来人だが。あれ?もしかして村雨ってガチの一般人?それにしたってみんなで歴史談義して欲しさがありまくる。夢浮橋2はいつですかコーエーさん。

 村雨イベントで好きなのは、なんだかんだで夏祭りです。チッスチッス騒ぎ立てるあのガキゃあ……とは思ったものの、あの事故チューは矢印が向き合うのに充分すぎました。いや、現代人の感覚故ひたすら葛藤してる村雨ほんと可愛かったな……。
 まさか最年長CV安元洋貴の成人男性キャラに対して可愛いと思う日が来るとは思いませんでしたよ。そして最年長ではないですが7でまた落ちる。(うっそだろ。防衛部みたいなマスコットじゃないのに?!)

【ロンド】
 こそばゆい……!!
 こうはんの「愛」連呼、さすがにこそばゆすぎて悶絶してました。これだよこれ。こういうのを待ってたんだ。
 文筆家を休業して政治家の道へ進む村雨すごくよかったですね……。ていうかあのあのあのネクタイイベントが好きすぎて毎周見てました……パケにもあるスチルですがあまりにも好すぎる。里史さん呼びはずるいって。
 村雨ルート、村雨の生きざまが胸に迫るわかっこいいやら可愛いやらなにやらあるんですが梓ちゃんが無防備過ぎて時々私の中の男性向け人格が顔を出しそうに……。いや、本当に、本当に、村雨が良識ある大人でよかった。よかったです。うっかり撮れた写真ずっと持ってたりはしたけど……。
 添い寝と相合傘も堪らん……堪らんかった。正直一番好きな恋愛でした。これだよこれーーーー!!

 EDはまさかの現代帰還ED。村雨は元々特に帰りたいとは思っていないようでしたが、それでも頃合いを悟っての帰還EDがあるのは現代人ゆえでしょうか。将臣も大和もなんだかんだで現代EDあるもんなあ……(大和は大団円)。異世界に身を置くことを選んだ現代人八葉に異世界EDと現代EDの両方を用意するのは2の名残なのかもしれないですね。

 村雨イベントの演説中に登場した妙にキャラの濃い二人が気になりました。井波くんと田中女史ですね。井波くんは怯えっぷりが微笑ましかった。幻灯機を運んでいったのは彼だったんですね。田中女史の方は声の色気がすごくて、萬EDで思わず声優さんを確認しました。そこで7でターラを演じられている方だということに気が付きまして、俄然7をプレイしたくなりました。ロンドと7は同時購入していたので、翌月Switchを買えばすぐ遊べる状態だったのですよ。

 余談。村雨っていいツッコミ役ですよね……そして6ユーザーの代弁者である。ドラマCDのツッコミが好きすぎて毎回大笑いしてます。『茶会』『天地ノ歯車』のツッコミが特に好きです。


 CV下野紘!ということでわくわくしながら登場を楽しみにしていました。
 祟がね、好きなんですよね……。風花記は桐生兄弟を真っ先に攻略したゆえ……。
 従者属性は元々あまり得意ではない(瞬兄は例外)のですが、下野さんの落ち着いた声の誘惑には勝てなかった。はい。文アルの最推しがレーニャで……。

レーニャ

 あとネオロマの人形系キャラに弱いんですよね。5沖田とかコルダ3天宮静とか。うーんだめだった。萬すごく可愛かったです。己の間違いに気づき、どうにかして二人の主を救おうとする姿勢が堪らなかったです。
 萬ルートをやりながら気づいたのですが、萬と藤堂の関係性って3十六夜記の平泉組。泰衡・銀のオマージュなんですよね。それでいて薊兄弟は桐生兄弟なので上手い具合にオマージュが重ねられている。すごかった……。
 結局のところ「黒蓮」の真偽はよくわからなかったのですが、各ルートでの萬の働きがすごく好きで……。博士を救うという想いが強いがゆえに最後まで御主人たる梓の味方でいてくれたのが好きです。
 一周目の通常ED、「だから、こんな運命は嫌だ」「時空を越える力が龍神にあるんならもう一度やり直したい」という梓に対しての萬の後押しに鳥肌が立ちました。

「早く、時空の狭間へ……」
「運命を変える旅へ行ってらっしゃいませ」
「ただし、選択にはご注意を」
「大きすぎる願いには犠牲がつきもの……」
「破滅を願えば闇に飲み込まれるでしょう」
「博士のように」

 鳥肌ものですよ!!!そう!!これ!!遙か3以降の醍醐味といえばこれ!!!運命を変えて来いと時空のループに送り出される展開!!!!
 ここで納得しました。6無印のベースは遙か1と2、ロンドのベースは3~5です。そして萬は神子を運命のループへと送り出す役目のキャラクターでした。本当にこのシーンはたまらなかった……。何度でも読み返したい。6以降は読み返せるんですよね。助かる。

 恋愛ルート。
 クリスマスパーティー兼萬の誕生会での秋兵とのやりとりが好きです。玄武組のルートでも秋兵の洗脳阻止展開はありましたが、薬を渡す展開はまた楽しすぎましたね……。
 萬が裏で駆け回る様子は見ていてそわそわしました。心配をかけるな!!
 と思いつつ、それがあったからこそ終盤の睡眠薬口移しが映えるわけで。
 睡眠薬イベントからの200年後の起床は楽しかったですね……!!5でも桐生兄弟が未来人でしたが、まさか未来の時空に飛べるとは思いませんでした。これについては九段ルートでも思ったことですが。
 最終決戦は付喪神たちの協力で集まった敵を撃破。なんだか微笑ましかったです。萬ルート、はらはらもありましたがすごく温かいルートでした。楽しかったなあ。

藤堂尚哉

 星の一族って複数人いると大概問題起こすか敵対するんですよ。
 
(星の一族へのとんだ風評被害)
 なあそうだよなあ藤原兄妹しかり、有川兄弟しかり、狭井君と柊しかり、桐生兄弟しかり、天野兄弟しかり……(胃痛)。
 藤堂尚哉=薊尚哉もまあ例に漏れることはありませんでした。そしてなんとまあこの人も星の一族の弟枠だったんですよね(ここで顔を覆う)。
  お兄さんはかなりいい人だったのでうんまあはい。はい。ていうかお兄さん、運命を受け容れて役目に殉ずるタイプの男だったのでお前もまあはい。はい。星の一族ってぇ!!!!!!!!!
 いろいろなルートを見ていくうちに、この人もだいぶカウンセリング必須なタイプだなと思ったり。やっぱりね、鬼の一族と星の一族はね……必須だよね……。最後の最後まで素直じゃない人でした。
 なんだかんだで最終的に救われるルートが好きだなあ。

駒野千代

 白龍の神子めっちゃ喋る!!!!
 いや今回友情枠なのでそれはそうなのですがそれにしたってゲーム内でガンガン喋る白龍の神子が本当に新鮮でした。異世界生まれ異世界育ちの白龍の神子は初ということで喋るたびにワクワクしてた……。
 (EDはないものの)友情枠の対の神子且つ友情枠ということで、異世界女子特有の時代感がすごくよかったですね。千歳と朔思い出した……。
 
 さて、白龍の神子といえば八葉。今回主人公は先に選ばれる黒龍の神子なので八葉はどうなるんだろうとずっと疑問でした。公式サイトに天地四神の記載はない。でもどう見ても八葉の順に並んでいる。ロンドのあらすじには八葉が選ばれると書いてある……。

ここで気付くべきでした。4と同じで後から選ばれるパターンですこれ。

 しかして八葉といえば白龍の神子を守る存在である。どうなるんだ?もしかして千代の八葉と恋愛するのか?と疑問に思ったままゲームを始めました。漫画版の中身はほとんど忘れてたので……。
 そうしたらまあ。まあ。すごいパワープレイしてきた。

 龍の宝玉に黒麒麟ぶつけて相殺!!
 八葉は選ばれない!!
 八葉不在で白龍の神子弱体化!!
 穢れに強い黒龍の神子が動くしかねえ!!

 お、おもしれえ~~~!!!やっぱ我らがルビパ最高だぜ!!
 結局成り行き成り行きで村雨とも共闘するようになり、蠱惑組も陰で協力してくることになり、結果的に軍部の陰謀に立ち向かうべき「八人の勇士」が集うことになりました。そして来る凌雲閣。千代がその身に変えて皆を守ったところで後を託す時、残したのが龍の宝玉。臨時として黒龍の神子を守る八葉を生み出す展開。

そ う 来 た か 。

 いや全然予想ついてませんでした。なるほど「昏くも明るき空の下、白光が時の外まで飛び龍神の裁きが下されるだろう」……。
 それにしたって白龍の神子不在になったうえで元々力の強い黒龍の神子に八葉がつく展開、強すぎる。ロンドに関してはもっと強いですよね。龍神の神子が2人揃った状態で、2人の神子に対して八葉がつく。
 鳥肌ものですよ。今回、黒龍の神子も白龍の神子もアクティブなのがすごくよかったです。後半になると千代はまた倒れてしまうけど……。
 無印個別ルートでは黒龍の神子に八葉がつく展開、ロンドでは二人の神子に対して八葉がつく展開、と「主人公を守り共闘する8人の男たちとの恋愛」の軸を崩すことなく白龍の神子を友情枠に据え置いたのが本当にすごかったですね。
 千代は千代だけではなく原田進之助くんという想い人がいるのもよかったですね。このあたりは3の朔・黒龍、4の一ノ姫・羽張彦と同一ラインでしょうか。黒龍は消滅してしまいましたし、羽張彦も太古の黒龍との戦いで命を落としてしまったので、生存しているのは初めてのパターンなのかも。
 そういう意味で、白龍の神子たる千代も例に漏れずイレギュラー街道を突き進んでいたのが感慨深かったです。
 欲を言うなら友情EDが欲しかったーーーー!!現代での千代おばあちゃんとのスチルが!!!ほしかった!!!!!!

高塚梓

 今作の主人公!遙か祭2016のドラマCDよかったですね……。
 斎賀さんの高音ってやっぱりあまり聞かないので新鮮でした。作中の戦闘ボイスも6無印からロンドで声のトーンが一段高くなっており、「斎賀さん……!!」となりました。滅多に出さない声のトーンであろうにありがとうございます。
 「seasons~遙かなる空~」のデュエット・ソロもすごくよかったです。そしてさすが歌が上手い。真っ直ぐな歌声に癒されました。
 どの梓ちゃんも好きなのですが、個人的にはロンド村雨ルートの梓ちゃんが一番好きです。特に風呂シーンの驚き顔。惚れてしまう。乙女ゲームですが?!?!?!
 あとは九段ルート終盤で九段に翻弄される梓ちゃんが好きです。いやああれは想像つかない。わかる。あれはびっくりするよね……。
 今まで白龍の神子としての人格しかなかったので、6になり満を持して黒龍の神子の人格が生えました。楽しかったなあ。

【戦闘】

 遙かの醍醐味、毎回システムが変わる戦闘。
 6は戦闘人数は1・2準拠でしたが、戦闘札に育成札を投じてレベルを上げながら戦うのが斬新でしたね。ソシャゲみたいだった。
 最初はかなり戸惑いました。なにこれどうやって戦うの?と。
 慣れてくるともうかなり楽で……怨霊召喚して相手を弱らせたのちに招霊
で怨霊を呼び込み狩る!という。
 いや楽しいわ招霊。黒龍の神子の戦闘中招霊あまりにも楽しいので8以降は黒龍の神子復活のうえ戦闘中の招霊できるようにしてほしいですね。
 奥義も楽しかったです。奥義ゲージは引き継ぎ可能だったので、後半の工場潜入前にダリウス・虎の奥義を修得しておいて奥義ゲージもマックスにしておくのが定石になりました。欲を言えば!!千代と一緒に戦闘したかった!!そしてロンドでは札レベル自体を完全引き継ぎさせてほしかった!!!

 それはそうと黒麒麟ちゃんゲットできたの嬉しかったです。4の民なので……黒麒麟、戦って使役してえ……の気持ちが強いのだ……。風花記で黒麒麟倒せたのもうれしかったな……。(血の気の多い神子)

総括

 ちらちら書いてはいますが。歴代ナンバリングのセルフオマージュが好きすぎました。ロンド含めてですが一部だけ。

 ・有馬:昏睡ループ(4那岐の死反玉)、出征(4風早の河内出征)
 ・ダリウス:神子監禁(4アシュ岩戸)
 ・コハク:記憶喪失(1ラン)
 ・秋兵:地の青龍と敵対(3弁慶と九郎)、勢力トップと血縁(2彰紋)
 ・ルード:地の朱雀と敵対(1詩紋セフル)、鬼の一族の「少年」「副官」「美女」「首領」(1)
 ・虎:「鬼とのハーフ」「配下で最も戦闘力が高い鬼」(1)、黄泉平良坂(4)
 ・九段:星の一族の各種役目(歴代星の一族(3を除く))、譲の夢見(3)
 ・村雨:隠れ現代人枠(2幸鷹)、時空跳躍で過去へ着地(3将臣)
 ・萬:銀(3)、天海(5)
 ・藤堂:桐生兄弟(5)

この辺のセルフオマージュが特に好きでしたね……。

 またやりたいです6。さあそんなあなたに「遙かなる時空の中で6DX」が!!!!
 買います。そのうち。いや遙かに関しては愛蔵版系も買い揃えているので元々買うのは決まってたんですよね。ただまあ出来る限り記憶が消えてからの方がいいので下天愛蔵版やら遙か無印Uやら買ってからにしますよ。

 6、あまりにもツボにはまりすぎてもうずっとろくろを回しています。そしてやはり先に6をプレイしていてよかった。7でとんでもないダメージを貰いました。というわけで次回は7の感想です。頑張って書くぞ。

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