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先の見えない砂のトンネルを掘ると君の手が触れる

こんばんは。海太郎です。

なるべく毎日書くと言ったnoteも今日で16日目。今日は全国に緊急事態宣言が出されました。と、たまには時事的な記録を残します。

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今日は、読んでない本のオススメ?をします。これはオススメというよりも一緒に読みませんかというお誘いになるのでしょうか。

こちらです。

今日発売になった中村文則さんの新作です。amazonのあらすじをそのまま掲載しますね。

「一週間後、君が生きている確率は4%だ」

突如始まった逃亡の日々。
男は、潜伏キリシタンの末裔に育てられた。
第二次大戦下、”熱狂””悪魔の楽器”と呼ばれ、ある作戦を不穏な成功に導いたとされる美しきトランペット。あらゆる理不尽が交錯する中、それを隠し持ち逃亡する男にはしかし、ある女性と交わした「約束」があったーー。
キリシタン迫害から第二次世界大戦、そして現代を貫く大いなる「意志」。中村文学の到達点。

信仰、戦争、愛ーー。
この小説には、
その全てが書かれている。

いつか書くと決めていた。ーー中村文則

どうでしょうか、もうあらすじだけで面白そうじゃないですか???
もはやただのゴリ押しになっちゃうんですが笑

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中村文則ってそもそも誰?って話があると思うんです。

誰って中村文則だよとしか説明できないんですが、何で一躍有名になったかというと、アメトーークの「読書芸人」で、『教団X』をオードリーの若林、ピースの又吉、カズレーザーが絶賛したのがきっかけかなと思います。

とはいえ、元々すごく有名な方で、『土の中の子供』では芥川賞を受賞しています。

リンク貼ってばっかで文章ないぞって声が聞こえてきそうです。じゃあ結局お前はどこが好きなんだって話だと思います。なにがお前にそんなにもこの作家を勧めさせるのかと。

中村文則作品の特徴は、なんといっても漆黒と言っても過言ではないほどの“暗さ”です。出てくる登場人物の性格の暗さ、バックグラウンドの暗さ、境遇の暗さ、全てがとにかく暗い。読んでると普通に気持ちが暗くなってきます。

そんなののどこがいいんだ、ただの鬱小説じゃないかと思うと思うんですが、そうじゃないんです。結局小説を通して見る闇は自分なんです。この闇を少なからずみんな抱えているんだなと感じるんです。

抱いてはいけない感情だと思ってたけれど、みんな隠してるだけで実は持っているんだと、そんな安心にも似た暖かさを逆に感じるのです。

今日は1日雨だけど、もしかしたらプールの授業があるかと思って水着をカバンに入れてきちゃった恥ずかしさ。自分だけのものと思っているんだけれど、実はみんなカバンの中に水着入ってたんだみたいな。ちょっと違いますかね笑

また、中村文則作品の魅力はその漆黒の暗闇の中で微かに光を放つ炎です。極限の暗さの中でこそみえる人間の根源的な光に物語の最後にはフォーカスが行きます。だからこそ、人間ってこんなにも醜くてひどく酷い生き物だけれど、やっぱりどこか愛おしさがあって、ぼくたちは生きてもいいのかなってふっと自然と思えるのです。

その読後感がとってもクセになります。結果ぼくは中村文則さんにどハマりして、出会ってからひと月で全作一気に読んでしまいました。でもこれはあんまり勧めません、あまりにも一気に中村文則作品を読むと性格が本当に暗くなります。笑

用法容量を守るお薬じゃないですが、読みすぎは注意が必要です。

ではでは、また明日。




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