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天国👼と地獄👿のフラワーライン【BRM113千葉200】

映画タイタニック
皆さんも1度は見たことがあると思います。レオ様が冬の海に沈んでいくシーンが印象的です。今日はそんなお話です。

2024年1月13日
BRM113千葉200フラワーラインに参加してきました。ルートはこんな感じ。

袖ケ浦海浜公園を8:00にスタートして、反時計回りで回ってくるルート。館山の町から洲崎〜野島崎〜千倉〜和田の海岸線を結ぶ道が房総フラワーラインと呼ばれており、そこを走ろうという感じ。鹿野山や嶺岡を登るわけでもなく、比較的楽な道を花や海を眺めながら走れる楽しいルートです。

朝の天気予報はこんな感じ。

17時から20時まで☔⛄のマーク。おまけに6〜8mの強い北風。前夜どうするかなと思いましたが、走るつもりで楽しみにしてたので「ひとまずスタート地点までは行ってみよう」と予定通り出かけます。「ひとまずスタート地点まで」と出かけてDNSできた試しは1度も無いわけですが😅

袖ケ浦海浜公園に着いて用意をしてるとアラジンさんが声をかけてくれました。アラジンさんはAJ群馬の方で毎年SRとってるツワモノです。顔を見るのは2〜3年ぶりで嬉しい。エントリーしてたけど予報見てDNSしたとの事。一緒に走れなくてとても残念。

アラジンさん

スタートからPC1

南国風の袖ケ浦海浜公園

空は晴れてて雨が降りそうな気配は無い。「大丈夫じゃね」と思いながらスタートです。空と予報見ながらヤバそうなら電車で帰ろう。
・館山から自走で戻る
・千倉から電車
・鴨川から電車
・亀山や久留里から電車
と選択肢はたくさんあります。

お馴染みのかぁるさんとスタート。木更津を抜けて富津・佐貫方面へ。追い風が吹いているのか結構な速度で気持ちよく進みます。

大貫中央海水浴場そばの記念碑
こういうのがあると止まらずにはおれない
いい天気でしょ
いつも待たせてすまないね

程なくして、いつもの更和のセブンイレブンに到着。貯金50分位。今回のブルベは参加人数が100人超と人数が多いのでPCに村人がたくさん。こういうブルベ風景は久しぶりな気がします。

PC1からPC2

ここからは内陸を通って館山です。今回のルートの数少ない坂ポイントがあります。何度か通ってる道なので淡々と登ります。登りきったら後は館山の町まで下りです。追い風もあってドンドン進みます。
館山の町辺りで11時過ぎ。
かぁるさんにお昼を聞くと、コンビニで食べるとの事。天気予報がアレなのでドンドン先に進みたそう。

天気は今のところいいし、DNFする気はなくなっていました。アドレナリンのなせる技か。

ここで考えます。
脇目も振らず走れば鴨川で2時間位貯金できそう。だとするとゴールは19時半前後。天気予報は17時から☔⛄。つまり走りに特化しても☔⛄には捕まる。ならば覚悟を決めて17時まで楽しく走ろうと。鴨川や勝浦や御宿辺りはちょいちょい行ってるけど、館山はあんまり来なからね。

座ってご飯が食べたいし寄り道もしたいからと、かぁるさんには先に行ってもらいました。なので館山からは一人旅。

北条海岸

北条海岸で写真を撮って、その後ルートを外れて沖ノ島へ。

沖ノ島

沖ノ島は1度行ってみたかった所。

アラジンさん撮影
こんなのがあります。穴に入りたい(^^)

沖ノ島は想像より大きくて道からも遠い。流石にこれを探検してたら時間が掛かりそうなので、今回は道から写真撮るだけにしときます。いつか時間をとって探検したい。
沖ノ島をあとにしてPC2へ向かいます。

PC2からPC3

そそくさと買い物して再スタート。ここからはフラワーラインと海を満喫です。

洲崎の灯台

北西の風に押されてスイスイ進み、通過チェックのアロハガーデンたてやまに到着。

前は南房パラダイスだったところ。植物園なのは同じなのね。今風の外観にリニューアル。お土産コーナーでも覗きたかったけど、写真だけとって先に進みます。

野島崎の灯台

お腹も減ってきたのでお昼にしたい。館山の町からどこにしようか考えてましたが、じっくり海鮮丼という気分でもないので、行ってみたかったここに。

房州ラーメンさん

当然メニューはこれ。

はまぐりラーメン
プリップリです!

想像では、はまぐりがのった塩ラーメン位のイメージでしたが、スープに伊勢海老や蟹など使っていて凄くコクがある。期待以上に美味しかったです。満足満足。

そして、BRMフラワーライン天国編終了

お店を出ると空に雲がかかってきました。先を急ぎましょう。

ここからは鴨川に向けて北東に進むことになります。全くの北風ならば向かい風になりますが、この日は北西の風で、覚悟してたほど向かい風にならないのがラッキー。
フラワーラインからR128に入り和田辺りで異変が。

路面が濡れている

まるで今しがた降ったばかりみたいじゃないか。まだ16時にもなってないぞ!

胸中に広がる不安を現したような
曇天の鴨川松島

PC3の鴨川に着いたのが15時半過ぎ。

PC3からゴール

PC3に先着していた村人に聞くと、和田から鴨川の間で結構な雨にやられたよう。Xを見るとかぁるさんはPC3を50分位前に通過している。
いい天気で浮かれて走ってましたが、ここで今日の予報を思い出します。夜に備えてリアライトを全部点けてウィンドブレーカーを着て再スタート。この時点で16時前、雨はまだ降ってない。

夕焼けが美しい

鴨川を抜けて清澄養老ラインに入ります。ここからは登りです。

ループ橋からの夕焼け

ループ橋を過ぎて登りきったあと下りに入ります。下りに入ってしばらくすると遂に降り出しました。

そう、

BRMフラワーライン地獄編の始まりです

雨というよりなんだかパラパラしてます。

これを最後に写真は無い。

霰です。途中のトンネルでウィンドブレーカーの上からレインウエアを着込みます。mont-bell辺りのしっかりした物ではありませんが着ないよりましでしょう。
清澄養老ラインからR465に入った辺りから雪混じりの雨がしっかり降ってきました。夜になり気温が一気に下り強風も。

濡れた全身に冷たい風が途切れなく吹いてきます。

寒い…寒すぎる……

先日テレビでタイタニックのドキュメントを見たのを思い出します。冷たい海に投げ出された乗客はさぞかし寒かっただろうな。脳内ではセリーヌ・ディオンが歌いだします。

全身ずぶ濡れで冷たい風に吹かれる続ける。
亀山湖を過ぎた辺りから手足の指の感覚が無くなり、強風向かい風で速度も13〜17kmh位しか出ない。シフトの操作もままならず、GARMINのボタンは押せず、ペダルは足の骨で押してる感じ。

寒い寒い寒い寒い寒い

寒さの上に、夜に雨でゴーグルも見えづらい事この上ない。身の危険を感じる。
ひとまず久留里のセブンまでと思っても、なかなか久留里に着かない。もうじっと耐えてノロノロ進むしか無い。

レオ様が冷たい海に沈んでいく映像が脳内で再生される。今までの人生が走馬灯の様に頭をよぎるのでなくて良かった。
兎に角安全第一、いつもより気持ちセンターライン寄りを走り速度は出さない。いや、出せない。

あまりの辛さに落ち着くため、雨のなか途中で何度も止まりながら何とか久留里セブンに到着。
久留里セブンでは村人達がゴム手袋など買ってる阿鼻叫喚。今日初めてのブルベの人が多かったからなぁ。最初がデスライドになって気の毒。
Xでもポストしたかったけど、寒さで体も腕も指も震えてとてもスマホ操作はできない。ホットの飲み物で手指を温める。ゴールまであと30km。この状態であと30はあまりに長い。

あまり長居しても走れなくなりそうなので、絞れるほど濡れたグローブを装着し再スタート。

かぁるさんが言ってたっけ。
「ノロノロでも走ってれば前には進む」って
そろそろ袖ケ浦の町かな。
いいなぁゴールがすぐで。

かぁるさんはかぁるさんでドラマが起きていた事を、この時の私には知る由もなかった。

袖ケ浦が近づくと平地になり雨もやんできた。かわりに強風が前からくる。遮るもののない平地で助走した強冷風が容赦無く襲いかかる。腕が震えてるのでしっかりハンドル持ってないとコケそう。幸い時間だけはたっぷりあった筈なのでじっと耐える。

やがて、見覚えのある交差点に。袖ケ浦公園だ。

途端に意識がはっきりする。GARMINに導かれるまま走ってきたけど、ようやく自分がどこにいるかを把握した。あぁ、もうすぐだ。。
袖ケ浦の街を抜けて千葉フォルニア。これでようやくようやくようやく車に乗れる。

そしてついにゴール。認定。
ブルベカードにサインしますが、手も体も文字通りガタガタ震えてまともに文字がかけない。

ニューメダルゲットです。

ゴール後

駐車場に見覚えのある車が停まってるけど、車内に人がいないので別人の車だろう。随分前に着いてる筈だし。
自転車を車内に押し込み、ようやく車の中に。
車のエンジンかけてエアコン動かしても、体の震えは止まらずガタガタ震えてる。着替えを持ってきていたので車内で着替えます。震えすぎて脱ぐのも着るのも大変。着替えてもやっぱり震えてる。

着替えたところで、ドアの所で聞き覚えある声が「お疲れ様で〜す♪」

かぁるさん。。
俺は幻でも見てるのか。。
いや、
かぁるさんに似たお迎えが来ちまったのか。。。

せ「何でいるの?」
か「今ゴールした」
せ「50分先に行ってたのに」
か「ルートをロストした」
せ「えーーーーーーー!」

兎に角温まろうとデニーズへ。

器の温かさが尊い

そして互いのドラマを語り合いながら、温かい担々麺を食べるのであった。

そして一致した意見は
「アラジンさんは正しかった」

史上最高に寒かったライド

おしまい



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