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転職活動をしたときに個人的に味わった感情をシェアする

直近の有効求人倍率が厚生労働省から発表された。

予想はしていたけど、コロナウィルスが雇用に与える影響は想像以上に大きそうだ。でも、こんな環境でも新しい人を求めている会社は実際に存在するので、転職するチャンスが完全になくなることはないと思っている。「あ、ちょっと転職でもしようと思いまして。。」というテンションでライトに転職することが難しい世の中になるだけなのかもしれない。それはそれで、ちょっと窮屈ではあるけれど。

ということで、今回はコロナに関連する話ではない。もうちょっと、普通の転職の時の話をしようと思う。

これは、初めて転職活動をするという人に読んでほしい

noteの過去記事でも書いたことがあるけれど、僕自身けっこう転職を繰り返してきているほうだ。同じ業種の中で会社を変えたこともあるし、職種自体を変えたこともある。転職回数は計4回だ。しかも人事としては2回会社を変えている。なんていうことだ。(前の会社の人たちには申し訳ないと思うが、いろいろ理由があったということで。。)

転職の履歴は詳しくこちらの記事に書いているので、興味ある人は寄り道してお読みください。

ひとりの人間が経験する転職回数なんてたかが知れているし、その時の経験が他人にとってそのままノウハウとして役に立つということはあまりないと個人的には思っている。誰でも自分自身の人生しか経験できないからだ。でも、「転職活動をしていた時にその人がどんな気持ちを味わったのか」ということは意外と知りたい人がいるのではないか、と最近感じるようになった。これは、僕が採用活動を通じてたくさんの人とお会いしてきたことにより、過去の自分の感情が呼び起こされたからかもしれない。

ということで、転職のノウハウ伝授ではなく「転職活動しているとこういう気持ちになっちゃうことがあります」という、人(というか僕)の感情にフォーカスを当てたものを書いてみようと思う。転職をしている、もしくは転職しようとしている人の心がちょっとでも軽くなれば良いな、と思って書く。

以下の文章の見出し部分は、当時の僕自身の心の声だと思って読んでもらえると、わかりやすくなるだろう。

応募書類は読まずに無視されているんじゃないか?

初めて転職活動をした時は、応募した書類は必ず自分が書いた時と同等の熱量でもって相手が読んでくれていると思い込んでいた。だから書類選考が全然通らないぞとなった時に、これはそもそも読まれていないんじゃないかと疑うようになった。読まれているかを確認するため、興味本位でいろいろな会社に応募したこともある。手当たり次第応募してみて反応があったので、なんだちゃんと読んでいるんじゃないかと思って面接に行ったら、出てきた面接担当がやっぱり書類をまったく読んでいなくて、その場で5秒くらい目を通して、「なんでうちの面接来たの?」って言われたこともある。

ヒドイ面接官のエピソードはともかく、とりあえず応募した書類は読まれている(少なくとも届いている)という確信は持てたので、反応がないということは内容がよろしくない、もしくは求められていないからなんだなと納得するようになった。このあたりの経験から、読んでほしい人に自分の書類を読んでもらうためにはそれなりに考えてやらないとダメだということも学んだと思う。

求人媒体によっては、企業側がエントリーに対して必ず返信しなくてもいいというルールにしている媒体もあるけど、返信がないからと言って読んでいないわけではないので(たぶん)、このあたりの邪推はしないでもらえるとありがたいなと思う次第である。人事として。

自分は使えない人間なんじゃないか?

もっと精神的にこたえたのが、プロフィールとしては相手に認識してもらっているのに選考に通らない時だ。僕の場合、未経験から人事にキャリアチェンジしようとしていた時は特にそういう風当たりが強かったように思う。面接の場で面と向かって「あなたの経験はうちでは役に立たない」って言われたことも何回かある。あんまり否定されると、だんだん自分はダメだ、ダメなんだ、ダメすぎるんだ、と自己否定を繰り返して立ち上がれなくなる。実際、本当に自分の部屋で体育座りしたまま立ち上がれなくなったこともある。

ある時、もうなんだか悩むのが面倒くさくなってしまって、転職活動の場でプロフィールや経験を否定されてもほとんど気にしなくなってしまったのだけど、心ない対応やフィードバックがきたなと思ったらスルーした方が良いと思う。あと、感情で「いらない」と言われているのではなく、事実としてタイミングと活かせるものが「マッチしていない」と受け止めた方が気持ちは楽だし。

最終面接ってラスボスとの戦闘なの?

面接を通過して選考が進んでいくと、だんだん部長とか役員とか社内の役職者と面接するようになる。で、そういう場面で出てくる人たちは普段から社内の中枢にいるということもあり、それまでの面接官とは違った鋭さや威圧感を持っていることが多い(はずだ)。少なくとも、僕が選考でお会いした方はみんなそうだったし、たまたまかもしれないけど、その中にはこちらの精神力を削り、ぐいぐいと追い詰めてくるような対話をする人も何人かいた。この辺りは、新卒の就職活動で経験する役員、社長面接とはだいぶ風当たりが違うと思う。新卒と違って、中途の場合は将来の可能性だけではなく今すぐ活かせる経験も求められる分、目線がシビアになるのは当然だろう。

そういえば、僕が一番キツかったと思う最終面接は、筆記試験と社長面接がセットで最終選考になっていたある会社でのエピソードだ。人事としての選考だったのだけど、筆記試験の内容がなぜか高校数学の問題で、「何故?」と訝しみながら必死で解答し(まったく解けなかったけど)、完全に消耗した後で社長が登場し、開口一番「で?」という感じでまともに対話してくれなかったことがある。もちろん結果は不採用だ。ラストダンジョンで消耗し、やっとラスボスにたどり着いたら開始早々に即死魔法で全滅させられた気分だった。その選考にはきっと意図があったのだと思うし、まともに対話してくれない人と仕事するのは難しいだろうから不採用でよかったけど、一生忘れないからな、くらいには根に持っている経験だ。

僕自身がそういう「えらい人たち」との対話に慣れていなかったというのもあるけど、こういう経験もあって2回目の転職活動くらいまでは、最終面接は完全にRPGのラスボス戦だと思って選考に行っていた。つまり、相手にするのは敵だと考えていたのだ。その会社の味方になろうとして選考を受けているのに、いつの間にか敵を倒しに行くつもりになっているのは、よく考えたらおかしな話だ。「あ、別に倒さなくてもいいんだ…」、そう気づいてから気持ちが楽になったし、最終面接の対話で失敗することがなくなった。

現在、僕が在籍しているTOWNに入社した理由はいろいろあるけど、一番大きかったのは最初に代表と会って対話した時に、やっぱり味方同士として話を進めることができたからだったりする。

おわりに:自分を味方だと思ってくれる人は必ずいる

転職活動には正解がないし、普通の仕事のように経験を積み重ねられるものでもないので、どうしても進めていく中で疑心暗鬼になったり、ちょっとしたこと悩んでしまったり、ということが起こると思う。僕が転職活動していた時も、気持ちは揺れ動きまくったし、採用が決まるまでは不安でしょうがなかった。でも、いろんな会社の生身の部分に触れることができたり、選考を通じて出会う人に自分では気づいていなかった自身の良いところを見出してもらえたりと、転職活動をすることでしか得られないものもたくさんある。転職は会社選びのためにやるものだけど、自分にとって味方探しができる機会だと思って活動すると、また違った発見があるのではと思うのだ。

なんとなくノウハウみたいなものも混じってしまったけど、ちょっとでも読んだ人の気持ちが楽になれば幸いです。

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