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その 一瞬の記憶…。

遠い日のバイクにまつわる話から 記憶を呼び覚ましての 第2弾。

思いも映像も断片的。 断片的だが 強く残っているいくつかのメモリーを繋ぎ合わせ、その時感じたことや戸惑いを記事にしてみる。
お話として成立するのかが 見えないけれど とりあえず。

衝撃的だった体験は 隣の県、展望台のある山の峠道へ走りに行った時。
バイク仲間数台と片道1時間半から2時間程度の距離を走ってのツーリング。
バイク仲間といっても その日たまたま集まった 若干の繋がりのある仲間たちで 日時を決め、集合し 決めた目的地まで一緒に走る といった気楽なもの。私は当時おつきあいしていた彼が唯一同行の中での 知っている輩で ともに便乗しての参加だった。

その頃 バイク乗りは 峠へ走りにいくことが普通の風景で ドライブコースがあるところのてっぺん展望台付近には 週末になると 多くのライダー達の集まる場所となる。

観光地として展望台から眺め広がる風景に親しんでという目的ではなく
ただ走りにくる、峠を攻めに来るのだ。
そうなってくると 当然起こりうることとして転倒事故や衝突、たんなる故障で走行に支障が出たりなども あるかもしれない。

そしてそれは私の見ている目の前 視界の中で起きた。
バイク同士が衝突した。
結構勾配のキツい深めのコーナーだが スピードはそこそこ乗ってくる感じの うまく操作できれば絶対気持ちいい攻めを味わえる場所。
前方から上ってくるバイクと背中を向けた 下る側のバイクがカーブの一番深いところで接触。

弾けた。

私はといえば その場所の手前 少し歩いたくらいの道路脇に
わずかに設けられた展望用の駐車スペースにバイクを停め、下る方向で歩いていたその時。

真正面での一瞬だった!     と、事故の実況話はここまで。

この事故がどんな大きさだったか、悲惨だったのか…などの話を語りたいのではなく 目の前の出来事について 確かに見ていたはずなのに 正確に記憶していない、ということ。

要するに  頭ン中の話。

事故処理の際、警察に『ここが重要!』とばかりに聞かれたのは センターラインを越えたのはどちらのバイクか?
『どちらかがセンターを割ったから ぶつかったんだよね。どっち?』
(そんなぶっきらぼうな聞かれ方ではなかったと思うが) 
なんてこと あらためて聞かれて

でも 分からない…。

衝突見てたけど そこんとこ(センターラインのはみ出し)は見てないし!
一瞬だったんで。
必要な情報を話そうにも、そこが説明できないのだ。
頭の中 映像用フィルムのスライドの一部が吹っ飛んでる!!  のか?
思考停止…?? でもなさそう。

ぶつかるかも…  を前提に そこに集中して前を見ていたわけではないから
確信が持てず 結局どっちとも言えないまま 目撃者の役割は果たせなかったと思う。

かちんこb

そう… 。

数秒後に ここで衝突が起きるよ。その瞬間を見逃さないでね!って
あらかじめのシナリオがあるわけではなくて。
何が起きるかなんて 目を開いて見ていたとしても 全部は見えてないんだわ。


おめめ


アメリカのTVドラマで『アンフォゲッタブル完全記憶捜査』という
刑事ドラマがある。
“超記憶症候群”という脳を持つ 女性刑事が主役の なかなか面白い視点のドラマだ。以前WOWOWでの放映で楽しみに見ていた記憶がある。

見たものを一瞬で脳の中に映像記憶として残し、後から記憶を呼び起こしてここにこんな証拠が残っている、とか 人影が映っているとかで事件を解決していったりする。まさにこの場合 そんな脳を持っていたら 全く悩む必要なんてないよね。
第3者的、目撃者の立場でね。

キャリー


街中の交差点等で たまに

○月○日○時頃、乗用車と軽自動車の衝突事故を目撃された方を探しています。〇〇警察署までご連絡ください。

なんて内容の立て看が設置されてたりするのを 見かけることがある。
その度に 解決につながる情報を得られることってあるのかな?
って思う。

目の前で起きたことでさえ応えられなかった私の経験は
そこに意識が向けられていなかったら、『脳は認識せず』である。
見ようとしなかったおバカな脳は、事故割合を公平なものにしたのではないかと、今は思うけれど。(自分に都合のいい解釈を)

“超記憶脳”はいらない。

全てを記憶し、忘れないという恐ろしいほどの映像記憶を持つ人が
実際にほんの少数だけれど いるのだというが よくよく考えると
これはデメリットの方が大きいのではないかと思う。

大切にしたい、忘れたくない思い出。
そんなことのひとつひとつを 流れる映像のように残せるって 
なんだか良いことのように思うけれど、長い人生 忘れてしまいたいことにも出会うから。

人は 忘れるから豊かに生きられるのだってことも多くあるだろう。
“超記憶症候群”の活躍はドラマの中だけの方がいいかな。


おめめ

バイク衝突後。

衝突で弾けて滑り倒れ込んだ マシンの一台。
カーブの途中倒れたままは 危険だからと、移動させようと駆け寄るも
倒れているのは大型バイク。

ナナハン。

「ええい!火事場のバカぢからぁ〜〜〜!!」

ぐいっと腰を入れて マシンを引っ張り上げてみる… 。
女子の中でも身体は特に小さい方。
バランス感覚に自信があって 乗りこなしてきた中型自動二輪。
大型バイクを起こした経験は まだない。

うおりゃぁ〜〜っ!あと少しぃ〜〜〜!! と引き上げたものの
案の定 重たい、手強い、 なによりここは坂だった!

すみません… 。力尽きました…。つぶやいたかどうか。
大きなマシンは再び音をともなって道路のアスファルトへ。

(ワタシ、 2度目の追い討ちをかけたかも…。)
今でも 覚えているのは  

申し訳なさ。








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