映画「PERFECT DAYS」の感想(ネタバレあり)

昨日、映画「PERFECT DAYS」を観てきました。

noteでもよく感想記事を
投稿されている方を見かけていて
最近気になっていた作品です。

ネタバレされることが大大大嫌いで、
まっさらな状態で作品を味わいたかったので、
思い立ってからすぐチケットを予約しました。

とは言っても、
公開から2ヶ月も経っていますが。。笑

内容についてがっつり触れるので、
ネタバレが嫌な方は、
ここから先は読まないでくださいね。


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まず、観終わってからの率直な感想は、
「刺さる世代には、ぶっ刺さる作品なんだろうな」
ということです。

私に刺さらなかったわけではなく、
私よりもっと高い年齢層、それこそ役所広司さんと
同世代くらいの方がメインターゲット
ではないかと思いました。

一番そう思わせたのは、「音楽」です。
作品中、平山さんのカセットコレクションの
中から選ばれた音楽が流れるシーンが
多くあるのですが、

その曲がどんな曲かを知っているかどうかで
作品の味わい深さが変わるんだろうなと思いました。

もちろん、私も「いい曲だな」とは思いましたが、
これらの曲を青春時代に聴いていた人たちは、

当時の情景が思い浮かんだり、
平山さんと共感できたりと、

作品への引き込まれ方が
違ったものになるんじゃないかと
思いました。

この映画は、平たい言葉で表現すると
「主人公平山さんのVlog」だと思います。

古いアパートに住んで、
植物を愛して、読書と音楽が好きで
トイレ清掃の仕事に誇りを持って
規則正しい日々を送る

そんな平山さんの生活を辿った作品。

住まいや職業は、憧れを抱くような
きらびやかなものではないけど、
どこか「良いな」と思わせる、
そんな生活スタイルを描いていると
思いました。


あと、作品の随所で
木を見上げて微笑んだり
写真を撮る描写があり、

最初は単純に
「この人は木が好きなんだな」と
思っていましたが、

エンドロール後の最後の
「木漏れ日」の説明を受けて、
平山さんは「木」を見ていたんじゃなくて、
「木漏れ日」を見ていたんだなとわかりました。

普段は無口で大人しい平山さんが
「影が重なると濃くなるのか」という話題に
強い思いを持って接していたのも、
木漏れ日が好きだからこそなのでしょうね。

木漏れ日が、
「その瞬間だけのもの」であるように、
平山さんの変わり映えのしない日々も、
同じように見えて、
実は「その瞬間」は二度と来ない。

「今度は今度、今は今」という言葉が
より際立って感じました。


少し余談ですが、
「今度は今度」という言葉が、
「今度は来んど(=来ない)」に聞こえて、
今度やろうと思っているその「今度」は
訪れないこともあるな、と思いました。

ママの元旦那さんの
「何もわからないまま終わるんだな」
という話を聞いたから、
余計にそう思ったのかも知れません。

あのシーンはグッときました。

平山さんの送る「平凡な日常」と、
「たまに起こる非日常」、

その非日常的な出来事も、
日常の延長で起きるような些細なことだけど、
それがいいアクセントになっていて
観ていて飽きない作品でした。

なんてことのない休みの日に
自宅でゆっくりまた観たいなと思いました。
サブスクに出たらまた観たいです。

以上、「PERFECT DAYS」を観ての感想でした。

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