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心が赴くままに食べるだけで、健康になれる人。食生活と向き合う11月【仕事振り返り】

たまには仕事の振り返りをしてみようと思う。

11月は、体感的に10月の3倍くらい働いたような気がした月だった。
(10月に働かなすぎだったのでは‥・、という説が濃厚です😆)

編集者さんから「ちょっと助けてください」と、お声がけいただくことが多く、予定外の新規のお仕事も何故だか多く舞い込んだ月だった。

中でも、私がこれまで経験したことがない「食生活」関係の仕事を2本頂いて、それがお互いに方向性が極端に違っていて、おもしろかった。

1つは「家庭科の教材」で、中高生に食生活について教えるというもの。

もう1つが、現役でご活躍の90代の音楽家の方に、健康の秘訣や、普段の食生活について伺うというものだ。


1つ目の家庭科の教材というのは、栄養素の話だとか、1日3食欠かさず食べるべきだとか、バランスよく食べようということが、事細かに語られる。

もちろん、成長期真っ最中の中高生のための教材だから、大事なことだと思う。

そして、そういう類の教育を、学校でも家庭でも受けてきた日本人の多くは、やっぱり朝ごはんは食べたほうがいいよね、だとか、野菜はできるだけたくさん食べた方がいいんだよね?なんて、日々思っているものだと思う。

私自身、できるだけ1食の栄養バランスを整えたいなと、苦心していたりする。


一方の、音楽家の方の食生活について伺ってみた所、全く違う回答が返ってきた。

取材は、都内にあるレストランの庭で行われた。外での取材は久しぶりで、緑に囲まれて開放感を感じながらの取材だった。

そこで彼が語ったのは、「ぼくは全く栄養バランスは気にしていません」ということだった。

「今食べたいものを、食べたいだけ美味しく食べる。案外、体は自分が必要なものを知っていると思う」とおっしゃったのだ。

例えば演奏が終わって、帰宅した夜中に、赤身のステーキ肉(と言っても脂身が少ないランプなどを)を大量に召し上がることもあるらしい。

一方で気が向かない時は、殆ど食べ物を口にしない事もあるとのこと。

そのとき、食べたいと思った食材を気の向くままに食べる。そうすると、1ヶ月などの長いスパンで見れば、色々な素材の野菜や肉、魚が案外、栄養バランスよく減っているという。

これは、日ごろ私がタンパク質と、緑黄色野菜と…それから糖質はバランスよく〜。肌荒れしてるし、ビタミンBが足りないかも…?などと考えているのとは、明らかに真逆の教えだ。

今の私には、その方の考え方が妙に響いた。

よくよく聞いていくと、彼は大変な美食家である。
もちろんカップ麺だとか、スナック菓子だとか、そういうものは一切食べたくならないのだという。化学調味料や、自然でない食材は、口にすると気持ちが悪くなってしまうのだそうだ。
自分の身体の声をまっすぐに聴けているからこそ、体に悪いものは美味しく食べられないということなのだろうか……。

ご自身で料理もされてきて、その料理の腕前も有名。もっぱら素材を生かしたシンプルな味付けをモットーとされているらしい。
お話を沢山聴かせてもらって、あぁ、そんな風に美味しく食べていたら、さぞ毎日が生き生きと楽しく、心も身体も健やかになりそうだ…と納得の取材だった。


私も食には拘りがある方で、美味しいものを食べたい欲は人一倍強い。一方で、つい頭で考えがちな所もあり、そんな呪縛から、解放された心持ちになった。

もちろん栄養について知識として持っておくことも大事だと思う。今回、初めて家庭科の教材に関わってみて、こんなにも役立つ情報が詳細に教科書には書かれているのか!と驚いたし、勉強になることがたくさんあった。

けれど、あれこれ頭で考えずに、心から美味しい!とハートで食事を楽しむことは、それよりももっと大事なことだよな、と思うのだ。


でも、音楽家の方のように真っ直ぐに正しく体の声を聴いて、必要なものを食べるというのは、案外難しい事なのかなとも思う。

心が整っていないと、日常のストレスからつい甘いものばかりに手が伸びてしまったり。自分の身体に明らかに悪そうなものに惹かれたりしてしまったりするものでもある。

自分の心や体と向き合って、その声をしっかりと聴く達人でなければ、本当に体が欲するものを食べるというのは難しいような気もする。

いや、もしかしたら、本当に美味しい!と心が喜ぶものを、ただ純粋に追求していけばたどり着ける境地なのかもしれない。


音楽家の方の在り方に尊敬の気持ちを抱いて、自分もそんな域に達せられたらな…なんて思ったりするのだ。


全く違う方向性の話に、色々と頭の中がかき回されて、楽しい11月のお仕事でした。





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