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新人編集者に絶望をみせる大病

皆さま、こんにちは☺︎
株式会社青月社 企画編集部で4月からはたらいている新入社員のmです。編集部としてのお仕事のほかには、公式Xアカウントの運用も担当しています。

ありがたいことに入社初日から任せていただいたSNS業務。新参者ながらに試行錯誤を重ねており、毎日せっせと天気やおやつのはなしなどを投稿しているわけですが……。

本日はどうしても、140字などでは語りきることのできない本のはなしがしたい。できます。やらせてください(少々お付き合いください)。

どんっ!

見城徹『編集者という病い』(集英社文庫,2009年)

就活中からず〜っと、いつか読もう……と思い続けていたのですが、気づいたら入社して半月が経っていました。読みました、やっと。

編集者というのは生き方が問われるんです。今までどうやって生きてきたか、掛け値なしに問われるんだよね。その存在感で、それこそいろいろな衝動や世界を持つ書き手と付き合うしかないわけだから。

p263

幻冬舎を設立した見城徹氏の、数々のインタビューや記事のなかからいくつかを選んで再編集したという1冊。

読み進めるごとに、全身をぎゅうっと締め付けられるような苦しさと、妙な生臭さに襲われる感覚がありました。
「天才」や「カリスマ」なんてことばで片付けることなど、決してゆるされない。見城徹というひとりの男の人生が、偶然にも「編集者」と呼ばれているだけのように見えました。そのくらい、どっしりと自身のすべてをかけて著者と"闘っている"んですよね。もはや、原稿を"いただく"とかそういうレベルではなくって。著者とともに、みずからの魂を削りだしていく。そのようすが文字から伝わってきて、読んでいるこちらまで息苦しくなるんです。

七転八倒しなければ、そして脂汗を流し涙を流しながらやらなければ、仕事は進まないということを俺は尾崎との関わりの日々から学んだ。俺はそれを、内臓で学んだね。そして自分が才能を信じた者との道行きを紡いでいくことは、死ぬほど辛いものだということを身をもって知った。ひとつ間違えれば俺が死んでいたよ。

p39

ベストセラーを次々と生みだした見城氏の業績じたいは、仕事にたいする向き合い方や企画を生みだすうえでのセオリーといった点では、編集者として生きる人間の頂点にあるかもしれません。ただ、(少なくとも)わたしは、編集者の理想形として彼を目指してはいけないように感じました。だってこれは、見城徹というひとりの人間の「人生」としか言いようがないから。
著者にたいする姿勢であったり、書籍づくりのセオリーであったり、そういうものをひとつの参考にすることはできるかもしれないけれど、間違ってもあこがれることはできない。ひとの人生は、そう簡単に目指してよいものではない、と思わせる異様な熱意と狂気が染み渡っていました。

仕事のモチベーションは上がらないどころか、頂上の見えない山を見たような絶望感すら抱きますが、わざわざ会社のnoteで記事にするくらいには読んでよかったと思っています。
皆さまも、魂を殴られる覚悟が固まり次第、読んでみてくださいね。


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