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変死事件とハンバーグ定食~新人の常識は通じぬ②

※①と同様グロイ、汚い表現言葉を使用しますので苦手な方はご遠慮ください。





前回のあらすじ

seigikann少年は新人で交番員、刑事にあこがれており変死事件の現場に刑事の強行犯係が臨場した。刑事係長に検視に立ち会えと言われ警察署の検視室へ、お手伝いをしながら勉強中であった。さていかに


色々と刑事係長から教わりメモを取り、検視も最後のほうに、私が直腸にぶっ刺した検温計を抜き去ります。
当然ケツから抜いた検温計にはう〇こがこびりついてます。
そうしてマスクごしでもくさい、死臭と腐敗臭とう〇この匂い
この匂いで倒れそうになるのを我慢して、温度を報告
検温計のう〇こをティッシュでふき取り消毒し、検温計ボックスに収納します。
これにはこれまで検視した遺体のう〇こがつみかさなって匂いもずっとこびりついているのか・・・
すごい検温計だ

そんなことを考えながら収納

するといつ呼んだのか、警察お抱えの街医者の通称警察医が到着していて
脊髄と心血の血を注射器で抜き取り、検査キッドに血を垂らしていました。

〇脊髄は、通常は透明です。
これに血液が混じっていたら、脳出血で原因は脳にあるかも
例えば脳溢血とか

〇心血の血をトロポニンという検査キッドに垂らして検査
これに異常値がでたら、高値疾患であるとあたりをつける

高値疾患とは、心筋梗塞、腎不全、心筋炎ってところ

つまり、高齢者は大体の原因が脳なのか心臓なのかというところで落ち着き、犯罪での死亡でなければ警察医をもってしてどちらかの原因をつけて検視は終了といったことになるのである。

この警察医に対しては、活動約10分にて警察からの謝礼及び遺族に対して金額を請求する。(そこそこで違うが、当時は遺族金請求3万円)

以前変死のご遺族と接触し、警察医からの請求書をご遺族に渡したところ
金額を見て「えっ」て顔をされていたことを思い出しました。
そうだよね、勝手に検査されて金の請求とか。
しかも、親族が死んで悲しんでいるときに、金の事も考えなければいけないし、今後の葬儀やらなんやらで悲しんでいる暇はないのです。
私個人も、母親をガンで亡くし、悲しいは悲しいのですが、葬儀が終わり落ち着くまでただ悲しんでいる暇はなかったですね。

刑事としては、この検視が終わってから警察本部に対して事件性はないですよと報告書を書いて送信して遺品の整理、写真添付、電話捜査などなどやることがいっぱいあるのである。

交番員は、引き継いで終了、私は検視が終わってから解放され、交番に戻りました。

当時は鼻孔に死臭(上記のう〇この臭いを含む)がずっと残っていて、具合が悪かったのです。

交番ではちょうど夕方で、出前を取ろうとしていたみたいで、私もそれに参加して紙がぼろぼろのメニューとにらめっこをしていました。

私が出した結論は、ハンバーグ定食

交番員はみんな「えっ」て顔していました。
私が驚いて、どうしました?と聞くと
「変死は初めて?検視までやってきてよく肉食べられるよね。」
とのこと。

私は起床すぐにでも牛丼大盛を食べられる男です。
その辺の人と一緒にしないでほしいものです、まったく。

匂いもそうですが、遺体を見慣れていない人はそれが頭から離れないというのです。そもそも見る機会がないのか

しかし、私にはそれがまったくないのです。
匂いはきついが、遺体を見ようが目の前で人が死のうが、精神的に来ることはないでしょう。

まあ家族がそうなら、話は別ですが。

どうでもよい、という訳ではないですが、さあ仕事仕事という精神構造

人間として壊れているのは間違いはないです。

冷たいと言われればそうかもしれませんが、刑事的に能力といっても過言ではなかったでしょう。

どうしても仕事として脳が勝手に処理してしまうので、切り替えがはやいのでしょうか。

ということで、警察は自分で転職だと感じて働いていました。
当時はお金ではなく、何をなしたか、被害者を助けたかなど、使命感と正義感を胸に働いていました。
私以上にザ警察官はいなかったでしょう。という自負があります。
まあ、わかりませんが。



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