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新人枠が取れた新人警察官~パトカー1人乗り回し編①

警察学校を卒業して、警察署へ舞い戻り、元の交番へまたつくことになりました。

つものメンバーでした。
再度説明します。
おじいちゃん警部補(交番所長)
指導しないのかできないのかおじさん巡査部長(私の指導部長)
女生意気巡査長(先輩)
以上がたのしい仲間です。

こいつからなにを学べばよいのだ?

とにかく、今日からパトカー運転してもいいし、一人で現場に出ることが出来るので、楽しみです。

早速当直勤務での早寝勤務に就くことになりました。
早寝とは
交番では、警察官も就寝時間があり、それを2つに分けるのです。
早寝~22時から翌2時まで休憩
遅寝~2時から6時まで休憩
という風に分けられています。
この22時から2時というのは、人がまだ動いていて事件が多発する時間帯であり、各交番の8割はまだ起きています。
2時以降、街も寝静まり事件もあまり起きない時間帯で各交番は寝に入ります。
この時に起きている人は、例えると10交番あれば4交番のそれぞれ1人が起きていて、通報があれば、隣の寝ている交番管内をフォローするという体制になっています。

私はこの早寝が大好きでした。
理由は、一人でなんでもやれるから。
1時45分頃に起き出して、顔を洗い一気に覚醒までもっていきます。
けん銃庫からけん銃を出して腰に据え、制服を着直し、所長以下と引継ぎ、
日誌を早寝バージョンに切り替作成、そのたもろもろ引継ぎの書類を作成して待機・・・
ちなみに蹴る体制は、制服のブルゾンを脱いでけん銃をけん銃庫にしまうだけ。
あとは制服姿でねます。
ネクタイも緩めて寝ます。

さてまずは、隣のコンビニへ出向きます。
コンビニ警戒という名前の買い物です。
ここでは深夜のコンビニバイト君がおり、たぶん同い年の男
しだいに顔なじみになり、「どう?」と聞くとバイト君は「異状ないっす」
というような軽い感じまで慣れました。
後にここの店長から聞いたのですが、私が深夜制服でコンビニに出入りしていることから、変や輩がいなくなったらしいです。
一応警戒に貢献していたのね。

交番に戻りコンビニで買ってきたものをむさぼり、さて警らへ出かけるか。
ここでの私の役割、というか新人だからってなめるなよという感情が常にあったので、交番員4人分の交通切符を私が全部1人で切る、つまり1当直の交通検挙ノルマを私が1人で挙げると決めていたのです。
なぜか?交通検挙ほどわかりやすく数字に反映されるものはなく
このまま検挙しつづければ、私はおそらく警察署で畏怖の対象になります。
あいつすげーなと畏怖されれば、指導部長も生意気先輩もでかい顔ができなくなると思ったからです。

なのでまず交通検挙の狩場へ(この狩場は私の秘密の狩場でした。)というかこの交番の人たち交通検挙したの見たことないな。

私の狩場は信号無視が多かったです。7悪の検挙までできて一石二鳥です。
深夜に出かけていると警察官、パトカーの数が少ないと感じたことないですか?それは寝ていからです。
それから、早寝で起きている警察官は、私のようにヤル気メラメラな人間はいないから外には出てこないで交番で待機しているという理由から、深夜帯は外に警察官はいないのです。

2時から4時ころまで交通検挙をして、だいたいがこの2時間でじいさんどもと自分の交通検挙を狩り終えます。
狩り終える・・言い方は悪いですが交通違反を検挙しているだけですのでご了承ください。

4時からは管内のパトロールに出向きます。
目的は、覚せい剤の所持現行犯逮捕!!
職務質問をしなければならないのです。
怪しいのがいる場所は昔から相場は決まっています。
大型スーパーの駐車場、パチンコ店の駐車場、コンビニの駐車場が対象です。
昼間にはお客さんでにぎわう大型スーパーの駐車場も、平日のしかも4時にはだれもいないのです。
そこの、目を凝らさないと見えないであろう端っこの真っ暗のまた真っ暗の場所のポウっと明かりが・・車だ

パトカーでソロソロと近づき、運転席の斜め後ろにパトカーを付けました。
運転席の斜め後ろにパトカーを付けた理由は、運転者からの視認を一瞬でも遅らせる訳です。
仮になんらかの犯人であれば突然アクセルをふかして逃げる可能性があるからです。
後ろからの認識だと運転席と助手席が倒れていて、つまりカーセックスをしようとしている模様でした。
声をかけるのもどうかと思いましたが、これは職務です。

運転席をコンコン 
男性と女性がいました。
両方はまだ服を着ていました。
よかった
男性は、びくっとして、ドアを3センチほど開けました。
なんですか?
警察です
こんなところで何してますか?店はもう終わっていますよね?
・・・・
運転免許証を提示してください
・・・
だまって渡された免許証
おじさんでした。
いい年をしたおじさんが、大丈夫か?
無線で照会センターに犯罪歴があるかなど照会を実施
すべてクリアでした。
・・・放すか。
すると、男が私にむかついたのか食って掛かってきました。

「おい、若造 なんのために声かけたんだ?邪魔するなよ」
などとグダグダいってました。
女性は「やめなよー」と消極的
男性はやる気満々でした。
私もカチンときたので
「あんたらが白だっていう証拠あるの?過去の事案に照らし合わせて
男性が犯罪者である場合、女性は襲われていても怖くて声が出せない可能性もある
そこにいる女性も同じく声を出せない被害者かもしれないだろ?
職務質問しないとわからないではないか。
職務の邪魔しているのはいったいどっちだ?あ?
今のクレームで俺が職務質問をやめて、救われるべき被害者が減ったらどうするつもりだ?
あんたが責任とれるのか?あんたこそこんな時間にどういうつもりだ?
この女性とはどういった関係だ?わざと聞かなかったのに、それも聴取するか?どうなんだ?そんなこともわからないのか?」

やってしまった。
当時は若気の至りだったし、短気でしたので、ガンガン喧嘩もしました。
その男性は、私の剣幕にしゅんとなり涙目で「すんません」
と、かわいそうなので解放してあげました。この不倫野郎を





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