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『with コロナ、postコロナにおけるプロジェクト・マネジメントを考える』

これからの時代は、プロジェクトマネジメントの重要性が高まり、その能力がより一層求められるのではないかと思います。

企業における仕事において、何かしらのプロジェクトに参加をして仕事をしていることも多いかと思います。
そのプロジェクトは大きなものもあれば、小さなものもあるかもしれません。

テクノロジーの進化も、社会の環境の変化もはやい…そして、顧客が求める内容は多様化し、複雑性を増しています。
自社だけで目的を達成するプロジェクトは少ないのではないでしょうか?

そうなると、社内外における様々なモノ(ヒト、モノ、金、期間、成果、品質、期待値等)を管理し、変化に対応しながら進めるプロジェクトマネジャーの力量がプロジェクト成功の可否に大きな影響を及ぼします。

さてさて、PMIのプロジェクトの定義をみると「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」とあります。

前述の通り、世の中は、不確実で、不確定で、複雑になっています。
そして、ものすごいスピード変化しています。

最初に立てた計画がプロジェクトの終わりまで変わらないということは、まずないでしょう。

そんな中、PMIからはPMBOK第7版もリリースされ話題になっています。
その大きな変更点は3つあり、その変更点も世の中の環境の変化にそったものとなっています。
簡単に、変更点をあげておきます。

1)「成果物提供システム」から「価値提供システム」へ
プロジェクトの最終目的を、第6版ではQCD(品質・費用・納期)の達成、つまり「予算と期限を守ってまっとうな成果物を提供すること」と定義づけていましたが、第7版ではプロジェクトの目的を「価値の提供」という全く違う概念で定義しています。

2)「5つのプロセス」から「12の原則」へ
「5つのプロセス」という概念が消え、「12の原則」という概念が登場しています。
これは「プロセス重視」から「原理・原則の重視」へのシフトです。
「12の原則」とは、次のようなものです。
・スチュワードシップ : 請け負ったことを責任を持って行う
・お互いを尊重し協力し合うチーム
・ステークホルダー(利害関係者)との連携
・価値の創造に焦点を当てる
・包括的思考:システムの相互作用を認識して対応する
・リーダーシップ
・テーラリング:状況に応じた調整(仕立て直し)を図る
・品質をプロセスと結果に組み込む。
・事態の複雑さに対処、適応する
・リスク(好機と脅威の不確実性)に対処する
適応性と回復力を備える。
変化することで、あるべき未来を達成する

「12の原則」では「調整」「複雑さ」「適応」「回復」「変化」など、一筋縄ではいかないプロジェクトの現実をわきまえた原理・原則になっていると言うことができます。

3)「10の知識エリア」から「8のパフォーマンス・ドメイン(行動領域)」へ
「8のパフォーマンス・ドメイン」という概念が登場しています。
8つのパフォーマンス・ドメインとは、次のようなものです。
​・Stakeholders(利害関係者)
・Team(チーム)
・Development Approach and Life cycle(開発アプローチとライフサイクル)
・Planning(計画)
・Project work(プロジェクト作業)
・Delivery(提供・納品)
・Measurement(測定)
・Uncertainty(曖昧さ・複雑さ・変動性などの不確実性への対処)

全体の的に「知識エリア」から「行動領域」に変わったことからも、PMBOK第7版のアプローチの姿勢の違いがみて取れます。

特に、あいまいさや複雑さからくる不確実性をドメインの1つに加えたことが注目されます。
これは、現実社会における世の中全体が曖昧で複雑で不確定になっているのに対して、プロジェクト自体もその複雑性や曖昧性について考慮しなければ世の中の流れに対応できないことを示唆していると思われます。

この大きな改定は高く評価されるものだと思います。ただし、このPMBOK第7版についてはテクニカルなものであり、あくまでもプロジェクトを推進する上でのガイドラインです。

で、プロジェクトを実施する上での本質というか、プリミティブな部分があります。
それは、PMBOKが、第6版から第7版にシフトしようが、変わらない不変的なようなものだと思っています。

以下、プロジェクトの成功原則を図示してみました。

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目的が一番重要です。目的のないプロジェクトは成功する確率が減ります。また、手段が目的になっているプロジェクトも見かけます。

この図で、中心に位置するのが、コミュニケーションです。
プロジェクト・マネジメントで、このコミュニケーションが一番重要だと考えています。
コミュニケーションを充実させプロジェクトにおいて情報の流通量を増やすということがとても重要です。
そして、新型コロナウイルスの感染拡大はこのコミュニケーションのあり方を大きく変えました。リモートワーク、リモート会議へのシフトです。
この流れは、withコロナ、postコロナでも変わらないと考えられます。
リモートでのコミュニケーションについては、良い点も悪い点もあると思いますが、悪い点をあげていても生産的ではないので、ポジティブに捉え時代に即したコミュニケーションとして考えてみたいと思います。

コミュニケーションの回数
手軽に打ち合わせや会議が開けるようになっています。
Face to Faceによるコミュニケーションに劣るリモートは、回数を増やす事でコミュニケーションロスを回避できると思います。
手軽に会議が開けるので、毎朝朝会を実施するのは効果的です。

移動の時間、コストの削減
打ち合わせや会議のための移動がなくなりました。これは大きなメリットですね。

時間の短縮
リモートでの会議等では無駄なコミュニケーションが排除されます。ただコミュニケーションがロスする可能性もあるので、回数で補ったり、文章で補ったりする必要があります。slack 等でのカジュアルな情報共有です。

議事の保存
Zoom等のツールは、映像や音声で議事が残せます。言った言わない等の問題も減ります。

こんな感じでしょうか…
という事でリモートでのコミュニケーション・アイテムの基本は、Zoom(Google MeetやTeams)+Slack(+Discord)

だと思います。

そのイメージが、以下のようなコミュニケーションです。

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どんなツールを使うにせよ重要なことは、社内・社外の壁を壊すということです。プロジェクトチームで目的を共有し(GOAL SHARE)そのGOALにむかって一丸となることです。

時代時代にあったコミュニケーションの取り方に柔軟に対応し、目的を実現するように取り組んでいきましょう!

と言いながら、この記事は自分に向けたものでもあります。

最後に、本日10月6日はエディヴァンヘイレンの命日です。追悼の意味を込めて

ヴァンヘイレンで、So this is love 

どうぞ!

https://m.youtube.com/watch?v=2DU11hyBEys

おしまい


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