運用レポート2020.7.18

週間為替市況
寄り付きよりリスクオン。
先週末の株式市場の流れを汲み新型コロナウイルスワクチン開発への期待と、今週より本格化する決算発表への期待から株価指数は殆どの市場で上窓を開けて寄り付いた。
珍しくドル円が日経平均と連動欧州時間には 107 円台に載せた。
NY タイムに入ると更に急伸。
Nasdaq 指数は欧州時間以降、史上最高値を毎時間更新し続けた。
ところが、ちょうど為替のロンドンフィックス時に心理的節目の 11000 ドルで史上最高値を達成すると、一気に反転。
大量の利益確定売りが出たようで、そのまま引けまでで約 500 ドルの急落。他の市場より過熱気味だった Nasdaq だけに下げ方が際立った。
Nasdaq 採用銘柄の電気自動車大手テスラモーターズはこの日約 16%上昇の後、なんと約 18%の急落。週明けから決算発表での波乱を予感させる展開となった。
為替市場は寄り付きこそドルは売られたものの、ロンドンフックス以降はドル買いに但しドル円の値幅は限定的で 107 円前半で引けた。

翌火曜日
日中は前日の流れを引き継ぎリスクオフ。リスク回避のドル買いが散見された。
欧州時間にドル円は 107.40 まで上昇。欧州時間に株価は再下落。
ところが、NY オープン前に JP モルガンの決算発表が予想を大きく上回った。こちらを横目に NY ダウが持ち直すと他指数も上昇。
一転ドルは弱含んだ。
また、深夜に新型コロナウイルスのワクチン開発にポジティブな報道が相次ぎ、引け間際に NY ダウが急伸。
NY ダウは前日の下げ幅をすべて戻して引けた。

水曜日。
やはり前日の流れそのまま
株式は寄り付きより大きく上窓を開けてスタート
日銀の金融政策決定会合があったが現状維持でサプライズ無し
黒田総裁は「日本経済は底を打った」と発言も相場の反応は限定的、来年 3 月まで現状維持の可能性が高いことも示唆した。

コラム:コロナ発国債増発、黒田総裁はYCC対応に自信 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/column-tamaki-idJPKCN24H0HL

欧州時間に入ると「英アストラゼネカとオックスフォード大学が開発中のワクチン試験で前向きな結果」と報道。欧州株中心に株価が上昇。
やはりリスクオン時のドル買いは根強く、ドルは大きく売られる。
ドル円は 106 円ミドルまで下落。EURUSD はついに 1.14 ドルを達成。
NY オープン前には米バイオ製薬大手のモデルナが「開発中のワクチンの臨床試験で参加者全員にウイルスの抗体の生成が確認された」と報道。
合わせてゴールドマンサックスの決算発表も予想を上回り株価は更に上昇。
更に米週間原油在庫が予想より減少しており、OPEC プラスが 8 月より減産予定というコメントを一蹴。合わせて株価は上昇したが NY の午後になると失速気味に
月曜日に急落した Nasdaq の頭の重さも目立った。
それと共にドルは持ち直し、ドル円は 106 円後半で引けた。

翌木曜日
株価は総じて弱含んだと言える。
日中に上海と深圳の株式市場で大幅な下げがあり、アジア市場からリスクオフとなった。この日はECB 発表があったが日銀同様サプライズ無し
ドル円は日中アジア株式と連動し若干下げていたものの、欧州時間になるとリスク回避のドル買いとなり、107 円台を回復。
NY オープン時にはモルガンスタンレーやバンクオブアメリカの決算発表があり予想を上回ったため株は若干買われたが大きな流れにはならなかった。

モルガンS、株式トレーディング収入でゴールドマンに抜かれる -Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-17/QDLAZDDWRGG501?srnd=cojp-v2


その後、米政府はすべての中国共産党員の米渡航禁止を検討していると報道


トランプ政権、全ての中国共産党員の米渡航禁止を検討=関係筋 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/usa-china-travel-idJPKCN24H2TI


更に米国の新型コロナウイルス新規感染者数が前日比10%超の増加、死者数も前日比 22.5%増加と、米国内での新型コロナウイルス感染第 2 波が止まらないことを受け株式市場は引き続き弱含んだ。
結局、為替市場はリスク回避のドル買い一色になり、ドル円は今週の高値圏といえる 107.40 円台まで
EURUSD は 1.13 ドル前半まで下落した。

昨日金曜日
日中より株価は弱含み、同時にドル売りが入る。
世界的な新型コロナウイルス感染再拡大が止まらず、この所顕著な週末限定のドル相関相場という現象に
また NY タイムに発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が予想 79.0 を下回り 73.2 だったことを受け、更に

株価は下落した。
また、EU 首脳会談が行われており、復興基金案についての合意がなされるとの期待からユーロが買われ、前日に EURUSD は 1.13 ドル台まで下げていたが徐々に下値を切り上げ 1.14 ドルまで戻したこともドルの重しとなった。結局ドル円は 107 円丁度付近で引けを迎えた。

来週以降、この新型コロナウイルス感染第 2 波と本格化する企業決算発表次第で上下に振られる展開が予想される。

取引レポート
祝!! Nasdaq100 5 日移動平均線ブレイク!!

Nasdaq100 CFD 日足

Nasdaq100 CFD 日足

た。先週のレポート通り、週明けより株価指数を売った。
こちらもレポートしたがメインは Nasdaq
怖いくらい当たってしまった。
やはり売れた人は少なかっただろう。


また、水曜日に EURUSD のリテールショートがパンパンになっていたため一旦ピークを打つだろうと思い
EURUSD の 1.14 ドル達成時に大きくショートエントリー
こちらは短期と考えたので値幅は然程ではなかったが天井で売れたのと、ボリュームが大きかったため大きな利益となった。

EURUSD リテール売買動向

EURUSD リテール売買動向

水曜日にショート急増。
EURUSD のピークを示唆

今週の Gold は先週レポートした通り調整色の強い動きと予想していたため、大きな動きは期待しなかった 下に突っ込んだところを拾うトレードに終始し、高値更新までは追いかけないというマネジメントを繰り返した。結果として他通貨より値幅が出たため安定的な収益源となった。

Spot Gold 一時間足

Spot Gold 一時間足

一週間通して 1795 ドル台~1810 ドル台という 15-20 ドルレンジの動きとなった。高値更新にはもう一度エネルギーをためる必要があるようにも見える。

来週はトレンド相場なのか、引き続きレンジ相場なのか見極める週になると思われる。

来週からの戦略
先週の戦略はほぼほぼ 100%当たった。
やはり相場とお化けは人のいないところに出るようだ


来週から米国の企業決算発表が本格化する。期待されている IT 系企業の決算発表が続く。
今週発表された金融系の決算発表は概ね良好にも拘らず株価の伸びはイマイチと見えなくもない。やはり企業決算発表が好調な場合、絶好の売り場になるのではないか?
という視点を維持したい。


前述している通り、多くの世界的にメジャーな IT・ハイテク系企業を擁する Nasdaq 指数の決算発表はほぼ間違えなく良いだろう。
だが心理的節目の 11000 ドルは既に達成しており、テクニカル的にも初期のトレンド転換兆候の 5 日移動平均線を下抜けて、週足では史上最高値更新後、陰線で引けている。
このところ続伸し続けていたので今週のプライスアクションを見る限り市場は既に織り込んでいる可能性が高い。決算発表で短期的に買われる可能性は否定できないが更にトレンドを形成していくには難しいことを日々のニュースと昨日の消費者信頼感指数が物語っている。
おそらく来月 8 月に発表される 7 月の指標の多くは、今月と打って変わって下向くと考えている。

CFTC Nasdaq100 先物投機筋 NOP

CFTC Nasdaq100 先物投機筋 NOP

今週失速したがまだまだロングが残っている。利益確定余地はまだまだある。アマゾン待ちか?

また、Gold だが
ちょっと押すのではないか?と思っている。


Spot Gold 日足

Spot Gold 日足

非常に強いサポートだったトレンドラインをした方向に突破して揉んでおり、動きづらそうである。上方向にブレイクした場合は、後乗りで対処で良さそうな感じがある。
おそらく 25 日移動平均線(ピンク)くらいまで押すのではないかと思っている。

CFTC 金先物投機筋 NOP

CFTC 金先物投機筋 NOP

投機筋の買い玉も増えも減りもしていない。
株価が下落すればこちらにも利益確定の波が押し寄せるのではないか?と考えている

そして為替だが、まずドル円はやめよう。
値幅が無くリスク回避のドル買い・円買いという相場状況のためトレンドが出にくい。イライラして精神衛生上良くないし時間とカネの無駄である。

CFTC 円先物 NOP(円先物のため売買反転)

CFTC 円先物 NOP(円先物のため売買反転)

円買い傾向だがこの値幅では…


リテールドル円売買動向

リテールドル円売買動向

こちらは円売り中だが、やはりこの値幅では・・・

欧州通貨に関しては、本日の EU 首脳会談次第だが、こちらも一旦調整相場になると予想する。

EURUSD 日足

EURUSD 日足

直近最高値(年初来高値)は、コロナショック初動のドル売り相場で付けた 3 月 9 日高値の 1.1490 台
ということは、上値目途は 1.15 ドル+10~20pips 達成でEURUSD 特有の高値更新でトレンド反転か?

EU、復興基金で2日目の会合でも合意に至らず-19 日に再び協議 ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-19/QDP42CT0G1L501?srnd=cojp-v2
こちらが合意に至るか否かで週明けの相場がどうなるかは読めないが、合意に至った場合急騰すれば 1.15 ドルを着けて一旦天井を形成する可能性が高い。

一方ポンドはリテールのロングが増加傾向である。
ミセスワタナベ擁する日本勢が動かないドル円に愛想をつかし GBPJPY を買っているのだろう。

GBPUSD リテール売買動向

GBPUSD リテール売買動向

従って来週は


米企業決算発表を待って、好調なら売り上がり戦略先週に引き続きSell the Fact

ショート対象は、
米主要株価インデックス
EURUSD(1.15 ドル+10~20pips まで耐えられるボリュームで) 更にSpot Gold(25 日移動平均線まで)

ボリュームに関しては値幅で取ることを心掛け
EURUSD > 株価インデックス > Spot Gold

で行きたいと思います。


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