Bring the world closer togetherに始まる"コミュニティ"の勃興

最近、コミュニティが流行りだ。背景には、2017年にFacebookのマークザッカーバーグが発表したこのスピーチが発端だ。

フェイスブックが米シカゴで6月下旬に開催した第1回「コミュニティー・サミット」で、ザッカーバーグは「私たちはこの10年間、世界をよりオープンでつながったものにすることに注力してきた。私たちには、世界の絆を強める責任がある」と述べ、同社を導く光となるビジョンとなる新たな企業理念を発表した。
ザッカーバーグは、フェイスブックが「人々にコミュニティー構築の力を与え、世界の絆を強める」ために今後も存在していくと表明。スライドにはこのビジョンが「Bring the world closer together(世界の絆を強める)」というたった5つの単語で要約された。
出典:https://forbesjapan.com/articles/detail/16783

私自身もコミュニティに強い関心が生まれたため、読むことにした「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」についてまとめてみた。


安心と自由の同居

現代のコミュニティは安心と安全を同時に叶えるこれまでにない存在である。

村社会=安心はあるが、自由はない
・村社会は、みんな知っているという圧倒的な安全、安心があった。よそ者は嫌われるが、属していれば全力で守り守られており、安全だった。
・その分、自由度は極端に低かった。役割が与えられており、それを当たり前だと思ってすらいた。自由を求めていなかったとすら言える。
・村八分など一つの意見に背くことが許されなかった

都市=自由はあるが、安心はない
・村社会から都市部に流れたさい、そこに地域コミュニティ(村社会)は求められなかった
・家族と職場のコミュニティがあるが、それ以外は近隣の人も知らなず安心はなかった。しかし、そこには大きな自由があった。
・そこで人々は不安を覚えた。何にも属さない自分に。孤独による不安の闇

つまり、現代のコミニュティは、村社会の安全、安心と都市部の自由が共存している世界で、人々の不安の闇を取り除くことが最大の目的だ。

前提となる社会的な変化

著者は、安心で自由なコミュニティの登場には、以下のような社会的な変化が関係していると説いている

超便利な"なめらかな"社会
・Amazonのショッピング体験(1click, 定期便, Amazon Go)に代表される通り超効率的な生きやすい世界が実現。
・不都合が減り、生きやすいように生きることができるようなる。

ステータス(≒所有物)によるアイデンティティの崩壊
・マイホーム、高級車、ブランド品などが凄い、かっこいい、欲しいではなくなり、それらを販売している会社が衰退(トヨタやソニー)。
・何を手に入れるかではなく、何をやっているか、なぜやっているかがより重要に。
・GAFAが全てをまかなっている

教育システム
・世界共通の「幸せの像」が存在し、その達成に教育システムが寄り添ってきた。
・知識や技術が圧倒的な善であった問題解決型が不要になった。
・そもそもを疑い、

<最重要!!!!> インターネットによる情報量の爆発
・誰でもどんなデータにもアクセス可能になり、その量も爆発的に増えた結果、それぞれが触れるデータに違いが生まれている。
・何を信じるべきか?について、ソースが増えたこと、どのメディアではなく、誰が言っているか。が重要になった。
・口コミ中心の情報まとめサイト(食べログ、クックパッド、価格コム)が誕生し、信頼できる情報をまとめたが、悪意・恣意性、個レベルの趣味趣向の問題から、SNSでの発言中心に誰の言っていることを信じるか?に移行している。
・同時に、「人は自分で情報を選択するという責任を背負う。その自由すぎる故の責任の重さは、多くの人を不安にし、不幸にする」とまとめている。

オープンすぎるSNS
・議題に対する主張は時として、ネット上では”炎上”を生む。コンテキストが見えない中では、容易に”誤解”が生まれる。
・オープンが故に、安心して思ったことを発言することが可能だが、記録に残る特性など安全性の担保が難しいこともある。


その全ての答えが「コミュニティ」であると著者を主張する。次のnoteでその実態について解説する。


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