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洗濯物を畳むのが苦手。 ー潜む真理と原点回帰に関する考察ー

 それじゃあ上手く仕舞えないじゃない、と指摘を受けること幾星霜。
 私は洗濯物を畳むのが苦手です。
 皺にならないように丁寧に畳みますが、なんかちょっと違うのです。あ、不器用って言わないで。わりと手先は器用です。

 こうすると良いサイズの四角になって、箪笥に丁度おさまるの。と、妻は辛抱強く教えてくれました。その時は上手くできるのです。よし覚えたぞと思って、調子良く畳んでいきます。

 何日かすると畳むのも速くなってきて、覚えた畳み方をすばやく繰り返します。気付かないうちに最終形態が少しずつ変わっていきます。

 1ヶ月もすると、妻が申し訳なさそうに私の畳んだ洗濯物を広げて畳み直している場面に遭遇します。これだと箪笥に入らない…と。

 …あれ……?

 見ますと、私の脳内の洗濯物最終形態と随分違った綺麗な四角形がそこにあります。人の(私の)記憶ってアテにならないなぁ。反省です。振り出しに戻ります。

 さて、この構図、何かを思い出しませんか?

 そう!末法思想ですね!! (知るか)

 これは宗派によって差異があったり議論を呼びそうですから、なるべく角が立たないようにいっそのこと定義をWikipedia先生に任せましょう。

末法思想(まっぽうしそう)とは、釈迦が説いた正しい教えが世で行われ修行して悟る人がいる時代(正法)が過ぎると、次に教えが行われても外見だけが修行者に似るだけで悟る人がいない時代(像法)が来て、その次には人も世も最悪となり正法がまったく行われない時代(=末法)が来る、とする歴史観のことである。
(岩波 哲学思想事典 1998年 p.1523)

 はい。洗濯物・末法の世であります。

 妻から「箪笥に綺麗に収まるための畳み方」を直接教わって実践していた(=正法)のに、畳み方だけに注目して繰り返すうちに「箪笥に綺麗に収まるための」という部分が失われ(=像法)、やがて畳み方さえも本来の形から変わってしまう(=末法)。

 真理だ……

 人は愚かですね。

 大切な教えも時間を経て失われていく。

 重要なのは末法の世であることを自覚し、原点への回帰を試みることです。

 さぁ、私はもう一度、畳み方を聞いてきます。

 今日こそ上手く畳みたい。


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の洗濯物が良く乾いて爽やかな着心地になりますように。



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