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精神的な強さとは何か

 心が折れる、といいますが、折れたくらいなら治ります。折れて、折れて、すり鉢で粉にされて、それを絞ると胡麻油が出てきます。心の胡麻油が出てくるような経験を経て、今の私が在ります。もはや折れるところはございませんから、多少のことでは凹みません。殴られようが潰されようが、液体ですから意に介しません。たとえ火をつけられても、いっそ水飛沫を取り込んで、相手に飛び跳ねて攻撃しようと思います。

 ところが育児。育児は極めて大変なことです。子どもの泣き声というものが苦手で、脳天を突き抜けて眩暈をきたし、ついには頭痛を覚えます。それでもどうにか取り組もうと、仕事で家を空ける時間以外は、ほとんど全て家事育児に取り組むようにしていますが、やはり私には適性というものが乏しい。家事の速さなど、妻と比べて倍の時間がかかります。

 上手くいかなくて妻をイライラさせてしまうこともありますが、愛想を尽かさず応対してくれる妻には、いつも感謝しています。

 妻は、私より遥かに強靭な精神の持ち主です。

 先日気になって、なぜ斯様にも強靭な精神を保っておられるのか、その理由を問うたのです。
 益荒男な応えが返ってきましたので、共有させていただきます。

まず退路がない。
いいか?「やるか、やるか」だ。
心の何処かで消せてないんだよ。
「自分以外」という選択肢を。

敗北は「死」だ。
世間をみていて、父親と母親で面構えが違うのは、そういうことだ。
敗北が「死」だという覚悟がない。

育児という「闘争」は、退路がなく、孤立無援で、勝ち続けなくてはならない。

妻語録「わたしの育児論」より引用


 私の妻は新兵を育てる軍曹でしょうか。
 もはや国王の風格ともいえます。

 退路がないということは、諸刃の剣です。常に退路を確保しながら生きる私のスタイルでは辿り着けない身震いするような「覚悟」です。
 私が職場で「死」と対峙している間、妻もまた家の中で「死」と対峙していたのです。

 私は自分の「甘さ」を恥じました。
 真剣に向き合っているつもりでも、まだ何処かに甘えがあったことを知りました。
 何より妻に「孤立無援」と言わせてしまったことが申し訳ない。改めて気を引き締めます。

 昔、上司にかけられた言葉があります。

「もし仕事と家族、どちらか選ばなければならない時がきたら、100%家族を選べ。」

 私は選びます。

 厳しい状況下ですが、職場になんやかんや言って仕事をセーブしつつ、家の時間をなるべく長く作れるように調整を始めました。転職や独立も含めて、今後の働き方の構想をまとめて実行に移すときが近いのかもしれません。

 「やるか、やるか」

 覚悟をもって育児にも立ち向かいましょう。
 次に問うたときには、「孤立無援」とは言わせません。初めは雑用係でも、いつか育児閣下になることを目指して、研鑽を積んで参ります。


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の覚悟が暗闇の荒野に、進むべき道を切り開きますように。



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