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光あふれる教室には“こだわり”がいっぱい

『sful-成城だより』では、成城学園内の工夫をこらした施設を紹介する「ワザあり!」という企画を連載しています。今回は2019年発行のVol.13で紹介した「中学校高等学校の教室」の記事を再編集してお届けします。

2016年3月に竣工した中学校高等学校校舎は、正門を入って左に進んだ、成城学園の敷地でも一番北側に位置します。大階段を上がると、正面にはガラス張りのエントランス、左右には向き合うように教室棟が建っています。
 
成城らしさがつまった校舎には、「コリドー」や「図書室」「カフェテリア」など興味深い施設が数多くありますが、今回は、ホームルームや各教科の学び舎として使われている「普通教室」に注目します。
 
教室の扉を開けてまず感じるのは圧倒的な明るさと開放感! 木目と白を基調とした教室は、大きな窓からが差し込む柔らかな日の光が教室のすみずみまでいきわたる、リラックスできる空間となっています。
 
教室の照明は、さまざまに切り替えが可能で、明るい窓側だけ消すこともできます。落下防止の観点から窓は15センチまでしか開かない設計ですが、室内のCO2濃度に反応して作動する自動換気システムが導入されています。

開放感が感じられる理由は3.5メートルの天井高
採光性の高い設計のため、廊下にまで光が届く時間も

また、周辺に視界をさえぎる高い建物がないため、窓から見える景色も空間に彩りを添えます。
人工芝の緑が映えるグラウンドに面した東棟からは、春には桜並木のピンク色が華やかで、遠くに東京スカイツリーを、西棟からは晴れた日には富士山の絶景を望むことができます。

スカイツリーや新宿の都庁も見える
春には桜の花びらが舞う

それでは、この教室に設けられたさまざまな“仕掛け”を紹介していきましょう。

Wi-Fiは1教室に1つ

旧校舎で使われていた黒板に代わり、新校舎は大きなホワイトボードに。プロジェクターも各教室に設置されています。Wi-Fiも1教室に1つあるため、インターネット環境も万全。さくさくつながってストレスがありません。

3クラス別々の内容を、同時に放送

校内の放送は「全体放送」「教室のAV放送」に加え、3つの音源から放送先を指定して同時に放送できる「リスニング放送」の3システムを完備しています。中1で音楽のテストをしながら中3と高2で別々のリスニングテストを行うことが可能なんです。

教室と職員室の間にはホットライン

教室の前方、入り口すぐ横にあるインターフォンは、急病など教室で何か起こった時に、教室側の受話器をあげればそのまま職員室につながる職員室とのホットラインとなっています。時には教員から教室にかけて、生徒を呼び出すのにも便利だとか。

非常用電源も完備

左側の赤く塗られたコンセントは非常用。地震などの停電時には自家発電装置が作動し、この赤いコンセントから給電することができます。

このように、中高の教室にはさまざまな工夫がもりだくさん。生徒が毎日過ごす場所だからこそ〝こんなところにも〞と驚くようなこだわりがつまっています。
 
文=sful取材チーム 写真=田尾沙織
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