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死にたい季節

春が来たら変わると思った。

うつ病もよくなって、

好きな人とも幸せになれて、

勉強もまたがんばれると思った。

桜の蕾が膨らみかけていたその頃、

わたしは全ての物に期待したけれど、

もちろん叶うことはなく、

うつ病も治らない。

学校には行けないし、勉強もできない。

好きな人にはセフレにされて、

有難いことに自分を支えてくれる友達はいるけれど、

そんな友達にはみんな彼氏がいて、

勉強ができて、

心も容姿もかわいくて、綺麗で。

ほら、また嫉妬してしまう醜いわたしの心が剥き出しに。

自分の学力の限界と、

自分がいかに醜くて不細工な見た目をしているかということと、

まともに男性には相手にされない、

という分かりきったことをしつこく知らせて

桜は散っていった。


"ねえ そうだろう 諦めてると僕らは

なぜか少し 生きやすくなる"

神聖かまってちゃんの、の子は「死にたい季節」で

そう歌っている。

全てのことに諦めたら、期待さえしなかったら

生きやすくなると思うのはわかっているけど、

どこかで期待してしまうんだよな。

小さい頃から厳しいクラブチームで、

「諦めたらそこで試合終了」のスローガンの下、

熱血指導を受けていたせいか、

諦めたら可能性を全て捨ててしまうと、思ってしまう。

そもそもわたしに可能性なんてないのに。

昔からなぜか、見た目も中身も頭脳も良い、

ハイスペックな友人が多い私は、

周りの人に肩を並べようと無理をしてしまう。

絶対無理なのに。

わたしは死にたい

わたしは死にたい 早く 死にたい

次の死にたい季節が来るまでに

何か一つでも変われていますように。

変われないのなら、

神様、私を殺してください。


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