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2023年 7月のプレイリスト

社会に課せられたすべきことの片がついて、まさに新しいモードに入っていった月だったと思う。ここから半年は自分で自分に課したことをどれだけできるか勝負みたいなところがある。それなのに、夏の到来を感じることが多くて少し浮ついている。




『エコー』/tricot
『不出来』/tricot
『春の嵐』/yonige

 7/5に、渋谷でtricotとyonige、それからChilli Beans.のスリーマンのライブを観た中で特に印象に残っている3曲。体感でtricotとyonigeのファンは少なかったような気がしたけど2組ともどっしり自分達のやりたいことをやっているようなライブで良かった。エコーは全然有名な曲じゃないけどtricotの1曲目としての存在感を湛えていたし、不出来はアウトロで楽器を弾き散らかして順番にステージから去っていくパフォーマンスで披露されて、好き勝手やり切る姿に説得力があった。春の嵐は昔から好きな曲だけどライブで聴くのは久しぶりで、なんか前付き合っていた人にこの曲を教えたこととかを思い出した。



『In Your Life』/くるり
 「あの場所へ向かえばあの痺れるような出会いを思い出せるかな」

 最近のくるりが出す曲がどれも好きだ。サウンドは初期に回帰するようなのにどこか新しい工夫があっていい。歌詞に出てくる固有名詞から匂いがする。部屋で踊りながら聴いてた気がする。



『˖嵐₊˚ˑ༄』/君島大空
 「春の嵐を裂いて僕らはどうにかここまで辿り着けたみたいだ」

 君島大空の新曲が出るたび、彼の放つ美しい言葉が本当に好きだなと思う。今月は嵐みたいに凄まじく過ぎていって、というかまだその只中にいて、早くここまで来たと思える場所まで行きたいなと思った。君島大空の曲がここ半年以上ずっとマインドの真ん中にいる。



『キャロル』/羊文学
 「一体さ、僕は何を話したらいいのかわからないよ」
『砂漠の君へ』/羊文学
 「わたしここにいるけど忘れて一人で進んでいつか笑って戻る日まで待ってるよ」
『powers』/羊文学
 「思うより先に歌う」
『mother』/羊文学
 「崩れやすい夢をスケッチブックに描く」

 7月の真ん中に海へドライブした。ある友人から久しぶりに連絡があって、急に決まったドライブだった。気の利いた話題を考える暇もなかったし、お互いの間に明らかに触れづらい話題が1つあったけれど、その空白を音楽に繋いでもらったなと思う。海を見ながら鼻歌を歌ったりして、もう夏が来たんだなと思った。子どもの頃、夏には漠然とこれからの日々に対する期待があったけど今年はそういう証拠のない希望を感じた気がする。



『やえ』/日食なつこ
 「いまだ狂わずにいるその影が揺らいでばっかのこの道の先でどれほど光だったか知れない」

歌詞の美しさに衝撃を受けて、春先にこの曲と出会っていたらどうなっていたかと思ったのを覚えている。自分の足で立ってまっすぐ歩いていくことがその内誰かの希望になっていたりするんだなと思った。そうなりたい。



『MakeMyName』/SHIFT_CONTROL
 「今はちょっと信じていた ガラクタな日々を」

SHIFT_CONTROLからベースが脱退した。ここ3.4年の間で、最も熱狂し、ライブに通ったバンドだった。圧倒的にかっこいい音源を出すから、そのうち売れるはずだとぼんやり思っていたから、メンバーが欠けることにいまだに驚いている。脱退前最後のツアーを見に行った時のこの曲のことが忘れられない。バンドサウンドが肌を伝って、ぼくら観客の心音にまで影響を与えられる感じを忘れないだろう。



『13月』/downt
 「期待するほどでもない君の目に映ったものが正しいんだ」

先月よりもこの曲の言葉がはっきり聴こえる。同じ旋律を繰り返すことにも、あえて小さい声で放たれる言葉にも、ファズの轟音にも意味があり、それは言葉には直らないだろうと思った。感じることしかできない美しさがある曲だと思う。



『惑星トラッシュ』/リーガルリリー
 「あなたに渡したい毎日が、わたしに果たしたい毎日が、繰り返しある繰り返しある。」

人は1人だと思ったり、誰かとしか生きていけないと思ったりを行き来するけど、今月はまた人との繋がることの大切さを考えていた。僕が今思う正しい人との繋がり方がそのまま書いてある曲だと思った。



8月に向けた大きな期待を手に入れて、駆け出したひと月だった。どこまでいけるのだろうか。


はじめ

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