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父の葬儀が終わった日、母が夫に話したこと

父の葬儀が終わった日、私たちは実家に泊まった。母は疲れたけど楽しかったと思う。ご馳走になった鰻、本当に美味しかった。

その日の夜、みんな眠かったんだろうけど大人三人で結構話した。お酒を飲んでいたのは夫だけだったけど。母の話がとても印象深かった。

私が幼稚園のとき、住んでた団地で夏祭りがあったらしい。母は図書係をしていてすごく忙しかったそうだ。その際に私が「浴衣が着たい」と駄々をこねたそうだ。図書係をしていた母はすごく忙しかったそうで「時間がないから」と一喝。その後私は祭り中ずっと泣いていたと母は他のお母さんから聞いたそうだ。その話を後で聞いた母は「そんなに浴衣が着たかったのか」と次の年の夏祭り私に浴衣を用意したのだが。。

その年、私は浴衣に全く興味を示さなかったとのこと。

せっかく用意したのになんで着ないの!と怒りそうになって母は我に返ったそうだ。「子供にはその時にやりたいことがあるんだ。大人ルールばかりで考えてはいけない」

そもそも幼稚園児で夏祭り中ぼっちで泣いてたんかい。母親の場所にもいかないで。なんてまあさみしんぼうかねえ。。まあそこらへんはいいや。

母は夫に真剣に「子供がその時やりたいって言ってることを頭ごなしに否定するのではなく聞いたほうがいいよ。後で自分が後悔するから」と真剣に話していた。

実はこのこと、私は全く覚えていない。でもこの話をしてる母を私は死ぬまで忘れないだろう。