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SLOW CIRCUS ACADEMY 第1期生成果発表パフォーマンスで私が見つけた「これから生きていく上で今、一番必要なこと」。


生きるために必要なことは「表現すること、表現を受け止めること、そしてそれを安心してできる信頼関係を築くこと」。


12月も半ば、本帰国して4ヶ月が経とうとしている。気がつくとクリスマスだ。早すぎる。来週クリスマスなんて聞いてない。クリスマスが来るのに世界が激動すぎないか。そして私の心身もジェットコースターのように動きすぎじゃないか。こんな状況、聞いてない。

そんなこんなですっかり忘れてしまいそうになったのだけど、9月に見学をさせて頂いたSLOW LABELが企画したSLOW CIRCUS ACADEMYの第一期生の発表会があると聞いて慌てて席を確保した。

横浜産まれ横浜育ちの私だが、実はこの「象の鼻テラス」は私は初めての訪問。2009年に出来てたなんて知らなかった。

象の鼻テラスは、横浜市・開港150周年事業として、2009年6月2日に開館しました。
横浜港発祥の地を、横浜の歴史と未来をつなぐ象徴的な空間として整備した象の鼻パーク内に、アートスペースを兼ね備えたレストハウス(休憩所)として、横浜市が推進する新たな都市ビジョン「文化芸術創造都市クリエイティブシティ・ヨコハマ」を推進する文化観光交流拠点の一つです。

ABOUT ZOU-NO-HANA / 象の鼻テラスについて


憤っている時間はない。急いで会場へ向かう。

今回の発表会は2回。午後3時の回に席を確保する時とができた。その前にサーカスのいろいろなグッズを体験できると聞いて少し早めに会場に着いた。サーカスのグッズはリハビリテーションにも活用されているらしい。実際にやってみるとなかなか難しい。うちは息子さんが私と違って運動神経抜群なので早々にできていて裏山であった。

ちなみにこちらで購入可能。(すべてのグッズに怪我をしない工夫がされているのでお子さんでも安心して使えると思う。)


サーカスのグッズに夢中になっていたらあっという間に午後3時前になった。ちなみに私は少しだけ、懐かしさを感じていた。それは、このアカデミーの皆さんに出会うことが初めてではないからだ。

私はSLOW LABELの栗栖良依さんにお声掛け頂き、こちらのアカデミーの活動を夏に見学させて頂いたことがある。


その時の感じたことは

ソーシャルサーカスという活動は「生きるために全人類が体験すべきこと」

このアカデミーには2種の募集がある。アカンパニストとエンパワメントである。初めて聞いた人にものすごくストレートに表現すると、アカンパニストが健常者、エンパワメントが身障者募集となる。
ただ、正直、ここにどちらかがどちらををサポートするという感覚は、ない。(誤解を招くかもしれないけど)アカンパニストとエンパワメントにどちらかがサポートするという感覚を私は感じなかった。例えるならスポーツおけるポジショニング別のような印象。それも野球のような固定ポジションではなく、フットボールのような流動的なポジショニング。それぞれの役割があって、全員で1つのチームである。

正直、最初は不思議だった。だってハンディのある人はサポートが必要なのでは?って思っていた。でも、それは私の浅はかな感覚だったと今なら断言できる。これはチームだ。それぞれの役割で何をしたいかを伝え合い、話し合い、そしてどう表現するかを決めてるチームだ。チームメンバーに上下はない。それぞれが全員違って、その違いをそれぞれを活かしてチームになるのだ。この話し合いと挑戦と確認は、チーム構成メンバーで、お互いが信頼してこそ、成り立つ。

これってまさに生きるため全人類が体験すべきこと。(そしてこのような思考って今、日本で働くすべての人が体験すべきことだと感じている、、。特に日本式の企業精神が強い企業とか。。)

そんなことを感じながら私たちは発表会の観客席についた。前の席の方には参加者の関係者さんのような方が多かった。色々な方がいらっしゃった。席に座ることが難しいお子さんもいらっしゃった。そしてそのようなお子さんに対応する親御さん、その親子さんのサポートを行う皆さん。待ってる間だけでも、多くの風景、背景を感じた。最終的には観客の皆さんの相互サポートで皆さんそれぞれの場所で落ち着いて開演を待つことができた(ように私は感じた)。


皆さん、それぞれの生活の中でこの発表会を知る機会があって、そして今日のこの時を楽しみにしてる感があっていいなあ。。こういう相互を認め合い、見守り合う世界が広まってほしいなあと思いながら開演を待った。(このような感動はぶっちゃけ報道関係の内覧では味わえないのでやっぱり私は一般開演が好き。)


さあ始まった。
今回の舞台のテーマは「La Vieーめくるめく絵画展ー」。


ドキドキしながら、表現を鑑賞しながら、私は思い出す。
あ、これ、私が見学した時に最初のワークショップで絵画のこと、話していた!そして30分の演目の中で私は色々なことを思い出す。この表現は、ワークショップのここで土台をトライされていた。あの表現は、このワークショップで実験が行われていた。

などなど。


そして同時に私は考える。でも、いくらワークショップでやったとしても、それをここまでの表現に持っていくのって、相当大変だったんじゃないの。。?


さらに、私は組体操的な表現を拝見しながら、自身が見学したときのことを更に思い出す。ポージングの際、どうやったら様々なハンディを持った人がポーズに参加できるのかを何度も何度もトライしてた。。気持ちはどうだか、安全はどうだか、何度もトライをしておられた。あの挑戦から、この表現が生まれたのか。。この表現が完成されるまでに、どれだけの話し合いと挑戦があったのだろうか。私はそれをほんの一部分しかみていないけど、想像すると本当に胸が熱くなった。

人が生きていく上で、人と関わる際に「自分はこう思う」を伝える行為。それはとても勇気が必要で、そして実行する際に恐怖を伴う行為だ。勇気と共に恐怖を乗り越えて実行する「自分の思いを伝えること」。その行動は「この人になら、その勇気を出せる」という絶対的な信頼感がないと、できない。

それって実際に体を使うサーカスでだって、企業におけるプロジェクトだって、このような様々な背景の人が行うサーカスでだって、一緒。お互いの信頼感がないと、挑戦できない。そしてその挑戦から生まれた表現は、どれも素晴らしい光を鑑賞者に届けてくれる。


考えてみれば、この数年間、お互いを信頼できる環境って本当に減少した感がある。パンデミックの中、なぜ?と思うけど説明してもらえない。納得できないけど、待つしかできない。そのような状況が多かったのではないだろうか。

このソーシャルサーカスはそのようななぜ?という不安を乗り越えて、自分の言葉で思いを伝える勇気を学んで、そして人の言葉を受け止める勇気を持って作られた表現なのだ。勇気と信頼の中の相互意見交換行為によって誕生した表現のなんて美しいことか。。

他の人から見たら「なんでこの人こんなに泣いてんね」って思うくらい気持ちが湧き上がった感を私は感じていた。

終了後、企画や指導の栗栖さん、金井さんにお話を伺う時間を頂くことができた。
今回のこのワークショップではコーチングの専門家も参加していた旨のお話があった。このコーチングの方の役割はとても重要だったのではないか。このソーシャルサーカスのメンバーは自分の思いを自分の言葉や方法で表現することが難しい人も多い。そして健常者と言われる人だって、自分の思いを自分の言葉で表現することは簡単なことではない。そのような様々な境遇の人が自分の気持ちを伝える。そして気持ちを受け止めることを体感し、確認し、実行していくことはとてもパワーがいることだったろう。

この2022年、皆、こんなはずではなかったと思うことが多い1年だったのではないか。パンデミックが終わったら全て戻ってくるはずだったと思っていたのに、気持ちも、環境も戻らない。失った人や環境、そして時間はパンデミック前に戻るわけではないと思い知らされた人も多かったと思う。少なくとも、私はそうだ。

ロックダウンが終わったら、パンデミックによる規制が厳しい国を脱出したら、全て解決すると思ってた。でも実際に動いてみたらわかった。失ったものは戻ってこない。その喪失感は凄まじかった。

その喪失感に押し潰されそうになった人も多いと思う。そして同時にその喪失感から人を救うのは想いを言葉に出す勇気と行動、そして言葉に出すことができる信頼できる場なのだ。


パンデミックがどうエンデミックになるのか訳がわからない昨今(ロックダウンの厳しい国にいた際、ロックダウンって始まるのは大騒ぎだけど終わりがマジでしっちゃかめっちゃかで訳わからなくなるの、ほんまに混乱、そしてその混乱の傷はずっと残る😭)、このソーシャルサーカスはもっと広まるべきだと断言したい。この混沌とした世界でまだ生きていきたい、と思う人が絶対に体験すべきだと思う。まさに学び直す絶好な機会だと感じた。


金井さん、公演後のお疲れのところお話ありがとうございました
栗栖さん、いつもありがとうございます。


こちらのソーシャルサーカスアカデミー。後少しで第二期の詳細の日程が発表されるとのこと。今、カレンダーを何度も確認している。もうすぐ手帳の新調の時期。生きるために新しい予定を書き込んでみようかと思う。

詳細はこちらから。
機会をいただければまた紹介の記事を書きたい。


まずはボランティア登録からするのも良いかも(私も登録しようと思います)


そして寄付もできます。私はまず会場で寄付をしてきました。



そしてこの象の鼻テラスのカフェ、本当に美味しかった。。特にアップルホットサイダー(写真忘れた)とソフトクリームが最高に美味しかった。。

ソフトクリーム美味しい

夜景もとても綺麗だったので、また訪れたいと思う。2023年も生きるために。