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学生/若者ユニオン座談会 vol.1(前半)

先日学生/若者ユニオンのメンバーで座談会を行い、ユニオンに入った経緯や自身の争議、現在の活動、今後の展望などについて話しました。
日本の若い人は労働組合の存在や労働運動を知らない人も多く、なぜ私たちがユニオンに入って活動を続けているのか気になる方も多いはず…….。
メンバーとユニオンの繋がりを知って、関心を持ってもらえたら嬉しいです!

メンバーの名前と好きな野菜

はなえ:オクラ。ねばねばがおいしいから。
かねこ:小松菜。炒め物にするとおいしい。中華風で、卵と豚バラ。
ほくと:ゴーヤ。他とは違って特別感があるから。チャンプルーが好き。
とみつか:なす。味噌汁、おひたしなど色々な食べ方ができて夏は毎日食べてる。
かえで:なす美味いっすよね。なすだったけど被らないようにトマトで。塩で食べる。
たむ:ごぼう。最近きんぴら作ったらうま!ってなった。
あやの:アボカド。ポキとかワサビ醤油。スシローの海老アボカド、たまねぎ乗りすぎ問題。
そら:トマト言われたからきゅうりで。味噌で食べる。ニュージーランド今アボカド安い。
しほ:なす。麻婆茄子。

ユニオンに入った経緯ともともとの労働組合のイメージ

はなえ

はなえ:私は大学4年の春にアルバイト先のホステルでの労働問題で組合に入りました。当時フロント、清掃などワンオペだったんですけど、15:00の始業時間までにやらなければいけない業務があるから14:50までに来るように言われていて、でも15:00からしか給料は発生しなくて。最初自分で交渉したんですが、全然動いてくれず、しまいには会社の社長と親会社の社長(2人は夫婦)と社員の3人から直接ハラスメントを受けました。「あなたに何の権限があるんですか!」とか「あなたは弁護士なんですか!?」とか意味わかんないこと言われて、そのあとLINEグループから退会させられて…。労基署にも電話したんですが十分な証拠がいるとか言われて、徒労に終わると嫌だなと思って組合に入って、団体交渉して、解決金勝ち取って今に至ります。 
もともと私も労働組合については全然知らなかくて、労働運動のイメージすらもなかったんですけど、もともとフェミニズムとか、環境問題、政治、貧困、教育とかに関心があって、組合に入って労働運動を知ってから、社会問題すべてに繋がるのが労働運動だと知りました。それで今はスタッフとして働いています。

たむ:なんで始業時間の問題を労働問題だって気付いて言おうと思ったんですか?

はなえ:家で色々愚痴ってたらおかしくね?って思い始めて、そのままにしておきたくなかったからかな。

とみつか:どのくらいの期間争ったんですか?

はなえ:半年くらいです。団体交渉自体は1回だけで、割とスムーズな解決でした。

たむ:交渉で印象的だったことは?

はなえ:会社が弁護士にもウソついていたことかな(笑)弁護士もその場でウソだと知って絶句してて。でも会社の人たちは全然私の目を見ず、ずっと下を見てて、後ろめたそうにしてました。当時大学生で、女性で、小柄で、舐められてたんだろうなって思ってむかついたけど、闘って色々改善させられたから良かったです。でも、その職場は移民労働者の方が多く働いてて、先輩2人もネパールの方だったんですけど、やっぱり彼らは辞めることになったら再就職はより難しいし、情報提供に協力したことも絶対ばらさないでって言われて。労働問題に直面した一方で、それに対して声を上げられる自分の特権にも気が付きました。
って感じです。次の人いこうか。

たむ

たむ:ぼくは今教育学専攻の院生で、ブラジルの学者パウロ・フレイレの哲学から若者をどう運動に巻き込んでいけるのか考えてます。ぼくは大学3年の時に争議をしたんですけど、コロナ禍で授業もオンラインになった時期で、個人的にはその時期にけっこう大学の勉強のモチベーションが上がったなと思っていて、そこら辺から社会問題とかに関心持つようになりました。それで社会貢献的なバイトがしたいなと思って、不登校とか引きこもりになった人が学び直しをするための塾を見つけて始めました。特別変わったことをするわけでもないんだけど、急に休んじゃう人とか、勉強にすごい苦手意識を持ってる人とか、それなりに大変なんですけど、なんとそこの給料が最低賃金レベルなんですよね…。あとは生徒さんが休んだら授業が急になくなったりして、その補償もないんですよね。だからシフトは決まってても今月の給料ゼロみたいなこともあり得るっていう。

はなえ:他は何かあった?

たむ:あとは準備時間。塾講師あるあるなんですけど、授業の準備時間に給料が支払われないんです。塾の特徴とか打ち出し的にも、テキストがあれば準備しなくても教えられるみたいなものではなくて、生徒それぞれの特性に合わせて準備は必須なのに、そこは「自己研鑽」って片付けられて無給だって言うんですよ。それで組合に入りました。交渉自体は要求もすぐ呑んで解決したんですけど、全社的に改善しようみたいな感じではなかったですね。社会的にもいいイメージで売り出しているのに、学生バイトを最低賃金でこき使って搾取していて、結局は金もうけなんだなと思ったし、そういう企業の裏の顔というか、社会的企業の欺瞞みたいなものを身に染みて実感したような交渉だったかなと思います。
イメージが大事な会社でもあるからあんまり組合に発信とかしてほしくなかったようで、要求した以上に金銭を払ってきたんですよね(笑)今思うと金銭解決ではなくもっと社会的な発信で争議を広げればよかったと思います。
組合のイメージはぼくもなくて、組合って何なの?って感じでした。

はなえ:ありがとうございます。次は争議中の人いきましょうか。

かえで

かえで:はい。ぼくは今大学3年生で国際問題とか貧困とか勉強してます。組合に入ったのは大学1年生の終わりくらいで、休学したので入ってもう3年くらいになります。
争議をしてるのはスーパーのベイシアってとこなんですけど、まず最初年末年始のシフト強要にあいました。全部休みにしてシフトを出したら、他の人は働くんだからお前も出さないと今後1ヶ月シフト受け取らないぞって脅されて。で、今もう2年くらい交渉してます。主に賃上げ、繁忙期の加給、制服支給、髪色の自由化、あとはレジで立ち仕事をしてるので、レジへのイス設置とかを求めてます。

たむ:すごい色んな論点があるね。

かえで:最初は本当に要求項目10個くらいあったんじゃないかな。春にはスシローとかABCマートと一緒に非正規春闘でストライキして、9000人の非正規の従業員の賃上げに成功しました。

はなえ:レジのイス設置以外はけっこう学生アルバイトあるあるですよね。

かえで:そうですね。とりあえず、その年の年末年始はシフト入らなくて良くなって、炊き出しとか年末の運動に出たかったので、炊き出しではないけど大宮駅で路上生活者の方にホテルの一室を確保するよう役所に働きかける活動をしました。8月にドイツに留学に行った時にユダヤ人迫害の歴史を学んだので、今は平和学習に関心があります。

たむ:どんな関心で組合に入ったの?

かえで:もともとは高校の担任の先生の影響ですね。青年ユニオンの事例を先生がホームルームで話してくれて、当時は組合なんて本当にあるんか?都市伝説なんじゃ?と思ってたんですが、

みんな:(笑)

かえで:休学すると伝えたら、組合で勉強したらいいって言われたんです。あとは父親との関係でもともと反骨精神はあったと思います。権威への気持ち悪さとか。高校時代は校則を変える運動をしたりもしました。

たむ:校則を変えるっていうのは具体的にどんなもの?

かえで:頭髪検査を通らないと修学旅行に行けないという決まりがあって、その場で髪を切らされるとかもあって。自分はあまり関係なかったけど、友達のためにクラスみんなで訴えることになって、生徒総会で時間をもらって話しました。実際今変わってるらしいです。

はなえ:自分のためじゃなく友達のためにみんなで立ち上がったのすごいですね。じゃあ似たような要求をしてるあやのさん次お願いします!

あやの

あやの:私はかえでさんと同じ大学で、同じ授業でグループワークをすることになって、かえでさんがユニオンのフードバンクの活動で仲間を募集してたので、それに参加しました。最初はボランティアの活動から参加したんですが、今はバイト先の焼き肉屋の会社シゲキッチンと団体交渉をしていて、最初やばいなと思ったのは勤怠の30分単位切り捨てです。

たむ:それ本当にやばいっすよね。

あやの:はい(笑)そのあとこれもやばい、あれもやばいって色々出てきて。今は、有給の周知とか、制服の支給とか、着替え時間を労働時間に換算して、とか、休日や繁忙期の加給とかを求めてます。

はなえ:フードバンクにボランティアで参加してた時はユニオンをどう思ってましたか?

あやの:えー。でも全然労働問題とか関心なかったので、あんまりイメージもなくて。何にも分からなかったです。

はなえ:何やってるんだろう、って感じですよね(笑)

あやの:ですね。最近関心があるのは、地元がすごく好きなので地域創生です。横浜なんですけど、横浜の中でも過疎地域で、地元のためになることがしたいと思ってます。

はなえ:そうなんですね。実際争議をやってみて、感想はありますか?

あやの:法律とか全然わからないところから始めたので、単純に勉強にもなるし、私は自分が嫌だな、改善したいなって思ったから争議を始めたんですけど、バイト仲間からも「ありがとう」って言われて、感謝されたりして、始めて良かったなって思ってます。

かえで:ボランティアで関わってて、途中で自分も交渉をしようって気持ちになったのは何かきっかけがあったんですか?

あやの:あんまりぶっちゃけた話とかができないタイプだから、交渉を始めて実際バイト仲間のみんながどう思うか分からないなっていう不安があって、働き続けるうえで、関係が悪化したらいやだなって思って、一歩踏み出せなかったんですけど、他の学生が闘ってる話を聞いて、自分にもできるなら頑張ってみようかなって思ったんです。

かえで:じゃあみんなの反応がポジティブだったの、めちゃめちゃ良かったですね!

はなえ:ね!!じゃあ次ほくとさん!

ほくと

ほくと:元々反骨心が高くて、高校のとき行事で水着に着替えないといけない場面があったんですけど、更衣室がなくて、商店街で着替えないといけなくて。

はなえ:え…?やば。

ほくと:やばいですよね。それで学校法人に抗議文を送ったら無期停学になって(笑)その時に、1人で闘うのって限界があるなって気付いたんです。で、国鉄の労働組合の本で1週間まるまる電車を止めたりとかしてて、それを読んで衝撃を受けて、その頃から労働組合っていいなって思ってました。そのあとスシローで働き始めて、5分単位の賃金切り捨て、準備時間の問題があったんですけど、ちょうどその時にすかいらーく系列が5分単位で切り捨ててた未払い賃金を1分単位で支払うことになったっていうニュースがあって、労働組合ってこういうこともできるんだって思って入りました。

はなえ:なるほど。今の争議の進捗はどんな感じですか?

ほくと:最初1人でやってたんですけど、かえでさんの高校の友達もスシローで働いてて、2人で記者会見したら、加入が相次ぎました。自分だけ解決すればいいってのは嫌いだから、人が集まってきて争議が広がっていて嬉しいですね。
最近はマルクス・エンゲルスとかの古典を読むのが好きです。

はなえ:国鉄労組の本を読んだのはなんでなんですか?

ほくと:近現代史がもともと好きで、電車も好きだったからです。

はなえ:鉄ちゃんでしたっけ?いつも切符集めてますよね(笑)

ほくと:そうですね(笑)

たむ:反骨心は生まれつきなんですか?(笑)

ほくと:親は結構自由にやりたいことさせるタイプなので、それが原因かもですね。

はなえ:反骨心の原因(笑)ありがとうございます。


ここで座談会の前半は終わりにします。
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後半内容

・残りのメンバーのユニオン加入経緯と組合へのイメージ
・メンバーの今後ユニオンでやりたいこと

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