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『休薬』

病院の化学療法センターに電話をして、『がんかわいがり』65日目にして、3クール目の終了後に休薬期間を設けることが決定した。5月中に『腹下り』よ、治まってくれ。

それはそれとして、何を食べても『腹下り』になるのならば、夕食にハンバーガーとか、鳥の唐揚げとか、ポテトフライでもいいのではないか。近日中に試してみよう。オリーブオイルで調理することが条件だが。脱水症状の予防には、やはり『OSI』を薦められた。ポカリスエットは糖分が多いので薄めたほうがよいそうだ。

何をしても、駄目なのだから『カフェイン』を解禁しよう。
思えば割と自由に食べていたほうが、私の調子も良かった気がする。珈琲と緑茶をがぶがぶ飲もう。どうせ結果は同じなのだから。

と、書きながら、私は、また、漏らした。たったいまだ。ほんとやだ。なにこれ。急で防ぎようがない。

やれやれ。やれやれついでだ、村上春樹だったらこの状況をどう乗り超えるのだろうか。私が投薬されていた『がんかわいがり』は性欲がゼロになる。もしくは、性ホルモンの減退か異常が起きている。異性への興味がなくなる。これはこれで楽だ。『家族愛』はなくならない。『人類愛』もなくならない。『人類愛』についてはよりもっと強くなった。『恋情』は失せた。そして、使い道が一つになった海綿体の『柔棒』だけが残される。あとは、尿を出すだけだ。『がんかわいがり』によって、私の『愛』とか『情』がコントロールされている。私の『愛』と『情』は暗渠の底を流れている。恐ろしいことでもある。私が真人間になってしまったのだ。

「ラベンダー綺麗だな」と「あの人綺麗だな」がまったく一緒になった。人間の美しさと草花の美しさが並んでいる。そんな奇妙な世界に私はいる。恐らく、私の文章の内容は置いといて、心情は恐らく、まるで『空海』なのだ。『ツーリング欲』と『文章欲』しかないのだから。昔で言えば『旅欲』だ。私は、松尾芭蕉でもある。
人間も植物も関係がない。これは私だけの副作用なのだろうか。そうではないだろう。言ってみれば私は『バカボンのパパ症候群』と『風の谷のナウシカ症候群』であるのかもしれない。両手を広げれば、小鳥が私に止まるだろう。
村上春樹については、もうどうでもいいのだけれど。書き始めてしまったので、締めまで書こう。
性欲から離れた村上春樹の作品はどうなるのだろう。いつかそんなときもくるのだろう。初期作の頃にもどったりするのか。と想像する。

さて、私の心配事は、村上春樹ではない。この『腹下り』がいつ治るのか。ということだ。前回の『がんかわいがり』で『鬱鬱不安頭』になり、今回の『がんかわいがり』で『腹腹地獄下り』になった。どちらも『がんかわいがり』の種類は違う。前回は頭に影響して、今回は腹だ。もともと、体質的に『がんかわいがり』との相性が悪いのかもしれない。

あ、わかった。肛門に『タンポン』を挿入しておけばいいのではないか。
でも、『腹腹地獄下り』が終わったあと、私の肛門は、がばがばになるのではないか。そんな予想もつく。駄目か。『コーモン200』か。肛門括約筋を鍛えるしかなさそうだ。

突然なニュースだ。
おい、おい。大塚食品さん。それはないではないか。
何十年愛飲していただろうか。風邪をひいた時には特に助けられた。感謝している。いままでありがとう。そして、さようなら。
審議のほどはまだわからない。けれど、だいたいこのようなケースで企業側が清廉潔白であることはない。人を大切に出来ない会社は駄目だ。




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