雨滴、大海へ至る

一粒の雨は、遙か上空から大気の層を超えて落下し、山の木の葉に至る。
雨粒は木々を掻い潜り、地面に付着した瞬間飲み込まれて幾重もの地層を経る。
場合によっては数百年かけて地表に噴出し、集合して一筋の河を成す。

河は束ねられ、太い流れとなって山間から平野を走り、大海へ放出する。
太陽は大海原へ照りつけて水の蒸発を助け、大気に一体化した水は遙か上空で冷やされ、再び雨粒となって何処かへ降り注いて行くのだ。

人ほど都合のいい、傲慢で勝手な生き物はいない。
いつだって良い格好しいで、欠点を隠し通そうとして嘘だってつく。
美しくてキレイなものを求めながら、自分の家と心は荒んでいる都合の良さなのだ。

一見して個のようだが真理は、集合せねば生存できない。
強いようで弱い。

なんとも、やっかいなのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?