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中国人口学会2023年概略_初めての学会発表

どうも!
セイタです!!
北京大学社修士課程で社会学を学んでいます。



2023年7月19、20日に中国太原にて中国人口学会が開催されたのですが、人生で初めて正式に学会参加してきました。この記事ではその時の経験について書いていきます。中国全土から1,700名近くが集まる非常に大きな学会で、74もの分科会がひらかれていました。ただ、外国人は多分僕だけでした、、



指導教官に「うちのゼミは全員参加ね」みたいな感じのことを言われたため僕も参加しました(笑)



この記事の対象としている方は
・人口学に興味のある方
・中国の学会に参加してみたいと考えている方
・中国の人口動態について知りたい方

などです。

それでは書いていきたいと思います。




参加までの流れ

僕が所属しているゼミでは隔週でゼミのミーティングがあるのですが、その場で「2023年中国人口学会:人口の高い質での発展及び中国式現代化」へ参加するように指導教官より言い渡されました。


7月よりフィリピンに行く予定があったり、期末レポートもかけていなかったため、正直あまり参加したくはなかったのですが、どうやらほぼ全ゼミ生が参加するみたいなので、自分も参加せざるを得ませんでした💦


この学会の参加費は500元(約10,000円)です。
学生にはなかなか堪える額ですね、、ただ参加後に北京大学の教務部にて経費精算できるとのことです。
※記事執筆時点ではまだできていません、、


あと、地味に大変だったのが、参加にあたって中国語で800字以上の要約を送る必要がありました。指導教官より、「国際比較というテーマで日本のことを書いたら?」と言われていたので、日本の少子化対策について1日くらいでパッと書きました(笑)
※どんな内容を書いたのかについては別の記事で詳細に述べていきます。



割と要約を適当に書いたのですが、人口学会の運営より「ポスターセッションを行う」ように依頼されました(笑)


後で判明したのですが、ほぼすべての学生がポスターセッションもしくはプレゼンをするように依頼されていたようです。修論や卒論を元に要約を書いた学生は比較的プレゼンを依頼されていたような気がします。自分みたいに一夜漬けの内容だとポスターセッションの依頼が来るようです(笑)


ちなみに、ポスターセッションの依頼が来た博士の先輩は断っていたそうです(笑)その話を聞いた他の学生は「わたしも断ったらよかった」みたいなことを言ってました。僕も同じことを思いました。





学会の様子

学会は2日間にわたり、4つのホテルを貸し切りで行われました!!というのも、学生と先生方合わせて1,700人を超える参加者が中国全土から集結した大規模な学会だからです。



開会式も大会場にて盛大に開かれました。初日の午前中は全参加者がこの場で7名の著名な先生のプレゼンを拝聴していました。



その後、19日の午後と20日はそれぞれの興味関心に応じて、74の分科会のどれかに参加したり、ポスターを見たりします。以下の会議概略資料をPDFと冊子でもらうので、そこから興味のある分科会に参加します。


一部のゼミ生は指導教官がいなくなったタイミングから山西省太原の観光地巡りをしていました(笑)
僕は学会が終わってから観光していたのですが、太原は本当に観光地がつまらないので、お勧めしません。。


僕は
・山西博物院
・晋祠
・蒙山大沸
・双塔寺
・純陽宮

に行ったのですが、どれも微妙でした。なんなら、一番面白かったのが、屋台がいっぱい並んでいる商店街です。あと、博物院も悪くなかったです。



分科会の様子

分科会が74もあり、どの分科会に行くのかは、やはり悩みました。ただ、自分の指導教官が参加している分科会にはすべて参加しました(笑)


なお、同じゼミの先輩が指導教官が参加している分科会に出れなくて、ちょっと焦っていた時に「大丈夫ですよ。先生はずっと画面の方を見ていて、誰が参加していたか把握していないですよ」と言ったら、ホッとしていました。やはり中国の学生も目上の人の顔色を伺うようです。



自分が参加した分科会は
・健康とその影響要素
・中国式現代化の進展と高齢化への対応
・国別人口研究
・出生希望とその影響要素
・人口マイナス成長:要因と趨勢

の5つです。
このうちの二つ目と三つ目の分科会は自分の指導教官が参加していたので自分も参加しました。


全般的に、偉い先生が主催している分科会ほど参加者が多かったです。なお、自分の指導教官は人口学及び老齢学の権威です。




下記の写真は中国式現代化の進展と高齢化への対応の分科会なのですが、分科会の担当者が復旦大学の高齢者研究所の副院長で、評価者が自分の先生だったので超満員でした。椅子が足りず、後ろの方で立っている学生もかなりいました。

『中国式現代化の進展と高齢化への対応』分科会



下記画像は国別人口研究の分科会の写真です。これは自分の指導教官が担当者のためか、これまた超満員です。

『国別人口研究』分科会


この分科会では11の研究が発表されたのですが、
・日本とアメリカの例がそれぞれ2つ
・韓国、トルコ、ルワンダ、ベトナムの例が1つ
あとは包括的な研究でした。


興味深かったのが、韓国研究をしている博士の学生が「韓国政府は日本政府の少子化対策を参考にしている」と言っていたことです。あと、他の2名の発表も日本政府の少子化対策を割と好意的に取り上げていました。


c自分のポスターセッションはどちらかというと、如何に少子化対策に失敗してきたかという話だったので、興味深く話を聞けました。




この学会を通して、いろいろな学生や先生の研究発表を聞くことができたのですが、やはりパワポの作りや議論の展開に一定の規則があり、参考になりました。


また、実証研究の部分もどの程度の頑強性ならば、学会発表に耐えうるのかといった点で話を聞いていたのですが、そこまで高いレベルである必要はないなという印象でした。


今後アカデミアで活きていくという意味で、いろいろためになりました





ポスターセッション

今回の学会が人生初の学会参加だったため、どのような流れでポスターセッションが実施されるか全くわかりませんでした。ネットで調べると、「ポスターの横に立っていて、興味がありそうな人が来れば、話しかける」と書いていました。30秒のプレゼンと3分のプレゼンを用意して、参加者の興味関心度合に応じて使い分けた方がいいとも書いてたので、一応準備してました。


また、博士の先輩に相談してみたところ、同じようなことを言っており、さらに「あなたは何かを伝える側なのだから、ちゃんとした服装で、できればスーツを用意したほうがいい」といったことを言われました。さすがにスーツは暑いので、白シャツに黒パン、一応ジャケットといったビジネスカジュアルを準備していました。



なので、思いもよりませんでした、、








まさか、ポスターを置いているだけなんて(笑)




こんな感じでポスターがいろいろ置かれていて、それを参加者が閲覧していくというスタイルです。どうやら、こういった形式のポスターセッションは中国でも珍しいそうです。まあ、気が楽と言えば楽ですね(笑)



自分のポスターがまじまじと見られていて、うれしかったです。
文字を大きめに作ったのと、配置や配色にこだわったので、他のポスターより注意をひきやすいと自負しています



これは同じゼミの学生が作ったポスターです。
人口学会は青色がテーマカラーらしく、青色主体で作っている学生が多かったです。自分のポスターはオレンジ主体なのでそれだけで目立ちます(笑)




以上が中国人口学会2023年の概略になります。自分にとっては初の学会だったので、慣れないところが多かったですが、いろいろ学ぶところが多くてためになりました。


ホテルのご飯が結構おいしかったのも高評価です(笑)

青島ビールもありました!!


それでは、今回の記事は以上とさせていただきます。


以下の記事では自分が行ったポスターセッションについて説明しています。




また、以下のマガジンでは引き続き、人口学について執筆していきます。


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