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【第二章】目標達成ステップ

 第1章では、多様な人材の主体性を引き出すための向き合い方を考えてきました。ポジティブフィードバックによって、3大ポジティブ(自己重要感・自己肯定感・自己効力感)を高め、組織の「関係の質」を向上することで、メンバーの主体性を引き出し、事業の「結果の質」を高めていきます。

 しかし、実際の事業の現場では個人の主体性を高めて、あとは成果を待つだけといういわけにはいきません。組織の目標を個人の目標に因数分解し、月次で目標の達成率を管理し、確実に予算を達成していくことが求められます。そこで、第2章では個人の主体性を組織の目標達成にリンクさせていくステップについて考えていきます。

 まず、1つめの「目標逆引き思考」では、個人のアクションを目標から逆引きで考えていきます。できることの積み上げでは必ずしも目標に到達するとは限りません。特に高い目標を掲げる場合は、積み上げ的なアプローチでは無理ゲーになってしまうことが多いと思います。ネット業界では、よくムーンショットの例えが用いられます。飛行機を改良して月に到達したわけではなく、月に向かうという大胆な目標を設定したことで、実現方法を逆引きで思考し、ロケットの発明して偉業を成し遂げたという話です。こうした目標の捉まえ方について、まずは考えていきます。
<目標逆引き思考>

 次のステップは、「目標の自分ごと化」です。組織で設定される目標を、自らの視点で捉え直し、自身のキャリアプランと擦り合わせることで自分ごと化していきます。更に、視座が高まることで自分ごと化の範囲は広がっていきます。個人の達成を意識するか、所属組織の達成まで考えるか、担当事業の達成まで視野に入っているか、これらは自分ごと化の範囲と同義です。個人の主体性を起点とした当事者意識の輪を組織全体に拡大していくプロセスについて考えます。
<目標の自分ごと化>

 最後に、組織に所属するメンバー個々の強みを生かして、組織として成果を最大化する「アベンジャーズ」的な在り方について考えます。個々人に合わせて定性・定量の両面で最適化した目標設定を行うことで、組織の目標達成率を最大化しつつ、メンバーの3大ポジティブ(自己重要感・自己肯定感・自己効力感)を高め、成長促進に繋げていきます。また、事業単位においてもポートフォリオ管理することは重要です。例えば成熟期の事業で利益を最大化しつつ、黎明期の事業で成長率を担保することで、イノベーティブな成長と安定的な利益成長という両取りの経営にチャレンジできます。
<目標達成アベンジャーズ>


 ビジネスにおける成果は、個人の成果の足し算に留まらない、総合力の結果です。個人のポテンシャルを引き出す「目標逆引き思考」をベースとしつつ、同時に目標の達成・未達成を個人に限定させず、組織として最大化していきます。そのためには視座を高め、当事者意識の輪を広げ、組織全体の目標達成を「自分ごと化」する必要があります。そして、あらゆる状況に対応するために、個人の強みを生かし合う状態をつくり、組織として成果を最大化する最強の「アベンジャーズ」的チームへと進化していきます。


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