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目標逆引き思考が達成の再現性を高める



努力の天才

 私たちは日常業務において目標設定をし、その達成率を管理しています。そうした取り組みの結果、目標達成をする人と、未達成に終わる人がいます。仕事においては、そうした結果を踏まえ、努力を継続することが重要です。人は繰り返し行動することで、経験が蓄積し、思考が効率化していきます。そうした学習が成果に結びついていくのです。

 イチローは自身を努力して結果を出す天才だと言います。「GRIT」においても、成功者の共通項は生まれ持った才能ではなく、情熱と粘り強さをもってやりきる努力の才能だと言います。
 そうは言っても、努力というのは継続するのが難しいものです。すぐには結果が出ない中、続けていて意味があるのかと不安にもなりますし、努力そのものも簡単ではないので、こなしていくにはそれなりのエネルギーを必要とします。私たちは、こうした点を超えていく努力の才能を身につけていく必要があります。


プロセスドリブン

 努力のポイント、1つめはプロセスドリブンです。人は、結果を出すための努力の過程で、新しいチャレンジや不慣れなことに向き合うとネガティブな気持ちになります。それは人間の生まれ持ったネガティビティバイアスによる影響で、仕方がないものです。
 これを乗り越えるポイントは、努力の過程そのものを目的化して、数を重ねていけるプロセスドリブンな姿勢で取り組むことです。例えば、筋トレして6パックを目指している人が、日々の筋トレで感じる筋肉痛を「ご褒美」と呼んでたりします。腹筋が割れる以前に、日々の筋トレが効いていることを筋肉痛で確認するというプロセスを目的化しているわけです。仕事の場でも職人的な腕を磨く日々を、実感できる機会を持つことが重要です。


アウトカム

 2つめはアウトカムです。アウトカムとは、望ましい姿やゴールのことを言います。人は、自分のなりたい姿をイメージするだけで快楽物質であるドーパミンが出る仕組みになっています。そもそもドーパミンは、人間にとって学習や目標達成のモチベーションを与えるために存在しています。なので、それを最大限に活用するこが勧めです。
 加えて、アウトカムを明確にすることで、私たちは目標に向けて必要となる情報に対してアンテナを立て、思考を変えていくことができます。「カクテルパーティ効果」という、雑音の中でも自分の名前は聞き取れるという話がありますが、例えば、私たちは車を買おうと思ったその日から、通りを走る車種が目につくようになったりします。私たちの脳は、周囲の情報の1%しか認識できていないそうなのですが、アウトカムを明確化することにより、その1%の仕向け先を変えることで、目標達成に向かっていくことができます。


目標逆引き思考

 目標の達成・未達成は確率論なはずですが、連続して大きな成果を上げ続ける人がいます。この成功の再現性は、何によってもたらされるのでしょう?この答えこそが、「目標逆引き思考」です。現状からの積み上げでは、必ずしも目標達成に到達するとは限りません。目標に対して、現状の見込み(ヨミ)を精緻化し、差分に対するアクションを積み上げていかなければ目標には届かないのです。また、その打ち手は必ずしも成果に繋がらないかもしれません。なので、追加でプランBを用意しておく必要があります。

 確実な目標達成に向けては、こうした仕込み・プランBというものをどれだけ多く用意できるかが重要になります。そして、そのためには、どれだけの期間と範囲でその準備をすることができるのかがポイントになります。例えば、1日でできることは限られますが、3ヶ月あれば、それなりの仕込みができます。営業活動だけで成果をつくるのか、マーケティング施策も含めるのか、アライアンスも検討し得るのかによっても話は変わってきます。更には売上を上げる話なのか、利益を増やす話なのか、コスト最適化もあり得るのか、新規獲得の話なのか、既存顧客へのアップセル・クロスセルもあり得るのか。こうした前提条件を多角的に捉えることで、仕込みの幅は大きく広がります。仕込みとプランBを増やすには、こうした「戦略的視点」が必要になってきます。

 そして最後に、こうした考えが日常的に繰り返される組織であることが何より重要です。常に目標を定量的に因数分解し、ヨミを精度高く捉え、多角的に柔軟にビジネスを捉えることで、多くの施策を考えだし、仕込みを徹底し、プランBまでやりきる。そうした価値観・組織文化をつくることができれば、そのチームの目標達成力は非常に高まることは間違いないです!

 努力を継続して能力を高め、目標逆引きで考えることで、多くの有効な打ち手を仕込んでいく組織。これこそが目標達成の再現性の高い組織と言えると思います。


後輩 竜野が思うこと

遠くにある目標を意識することが苦手な私は、過程そのものに喜びを見出すことが肯定されるのはうれしい一方、仕事において本気で「こうなりたい」「これを達成したい」と思ったことがないのがその原因ではないかと少しショックを受けながら社会人人生を省みました。

理由は違えど、私のように、組織の目標が自分の延長上にあると思えずにきた人は、どう軌道修正したらいいんだろう?仕込みやプランBも、良い人間関係を築けた顧客にはそれっぽいコミュニケーションをしていた気もしますが、その時の感覚頼りでした。

感覚で仕事をしてきた自分にとって、ぼんやりとしか見えていなかった(見ようとしなかった)概念が言語化されるフェーズに入り、一人で戦々恐々としています。もしある程度テクニックでカバーできることがあるならば、そのテクニックも含めて伝えられるマネージャーになりたい、と思います。頑張ります!

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