カタヤマ

岐阜県中津川市で私設図書室を始めました。 「図書係山と川」という選書ユニットもやってま…

カタヤマ

岐阜県中津川市で私設図書室を始めました。 「図書係山と川」という選書ユニットもやってます。

最近の記事

2023MVK発表!!

昨年1年間友人たちと続けてきた自由律俳句の会、かきク会。 先日のク会で年間最優秀作「MVK(Most Valuable ク)」の候補3作を選出しました。 候補作をおさらいします。( )内はテーマです。 しらふでいってよ(恋) 先生の腹毛ばかり見る(プール) あの頃はわたしの秘密基地(箱) このなかから投票によって、2023のMVKに選ばれたのは・・・ しらふでいってよでした!(恥ずかしながら、拙作です…) ここからは選評を抜粋して紹介します。 「短いフレーズな

    • 2023MVK候補作!

      今年の1月から友人たちと始めた自由律俳句の会、かきク会。 先日、今年最後のク会が行われました。 2023年最後のテーマは 今回のク会のテーマは「箱」。 3ヶ月ほど前から企画の3人はせきしろさんの自由律俳句の公募に挑戦していて、今月のお題が「箱」でした。 ちなみについ先日、3ヶ月前のお題「小銭」の発表があったのですが、結果は3人揃ってあえなく惨敗…自由律俳句の道はなかなかに厳しいです。 びっくり箱、パンドラの箱、箱入り娘、「箱の中身はなんだろな」など、いつも以上にひとつの

      • 田舎の夜は暗い 〜図書室訪問の記録 2023年11月〜

        11月25日(土) この日は友人の家に遊びに行くことになっていた。一緒に行く友人家族が迎えに来てくれることになったので、図書室に寄っていってもらうことにした。 この家族は以前にも来てくれたことがあったのだけど、下のお子さんがしきりに「はじめてきた!」と言っていて、お母さんから「いやいや前も来たよ」と言われていたのが、なんだかかわいかった。 相談していたわけでもないのに、夫婦で同じ著者の本を借りていったことにはおどろかされた。政治学者の宇野重規さんの本で、なんでも最近コテンラ

        • 自由律俳句の12ヶ月 〜ゆク年クる年〜

          早いもので1年間続きました 「なんかお正月っぽいことをしよう」という思いつきで始まった自由律俳句の会、かきク会もなんと次回で12回目を迎えます。一年続くとは企画者側も思っていませんでした。参加していただいてるみなさま、本当にありがとうございます。 次回のかきク会では一年間を振り返りながら、年間最優秀サクを投票をもとに決定したいと思います。 候補作はそれぞれのテーマでトク選に選ばれたこちらのクたちです。 振り返ればたくさんのテーマを詠んできたものです。 候補サクはこちら

        2023MVK発表!!

          毛玉人の生態

          毛玉人(けだまじん)の生態について考えてみたい。 毛玉人は見た目は人間そっくりである。人体の構造や生活様式もなんら変わりない。たいていの毛玉人が人間社会に溶け込んで、素知らぬ顔をして暮らしている。 彼らを特徴づけるのはただひとつ、毛玉を生成する力(それも非常に強力な!)を生まれ持っていることである。 先にも述べたように、毛玉人は普段、人間と変わりない暮らしをしており、彼/彼女が毛玉人であることに、周囲の人間はほぼ気づいていない。気づいているしたら、その人もまた毛玉人である

          毛玉人の生態

          あたらしい蔵書の紹介

          あたらしい蔵書の紹介です。 というと聞こえは良いですが、単に自分が読みたくて買ってきた本たちです。 『場末にて』西尾 勝彦(七月堂) 「詩」という表現には興味はあったものの、これまであまりふれてきませんでした。ちょうど知人から「友人に詩集を贈りたいが、なにかいい本はないか」と聞かれたこともあって、探しているなかで出会ったのが西尾勝彦さんの詩集でした。なにもやることがない日の昼下がりに読みたい一冊。 『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』 斉藤 倫 

          あたらしい蔵書の紹介

          とうとうソボが来た! 〜図書室訪問の記録 2023年10月〜 

          10月8日(日) 実の祖母と妻の祖母を図書室にご招待する。 実の祖母はもうすぐ95歳だが、ありがたいことに元気で一人暮らしをしている。同じ市内に暮らしているが会える機会もそんなに多くない。今回はおばあちゃんふたりを招いて、図書室を見てもらいがてら食事をすることにした。 部屋に入って大量の本に驚く実の祖母。 そして「Aちゃん(妻の名前)ごめんねー」と妻に謝る祖母。 「こんなにたくさん本を集めて…もう売れ!」となぜか怒られる。 食事後もおばあちゃん同士の話が盛り上がり、長い

          とうとうソボが来た! 〜図書室訪問の記録 2023年10月〜 

          #穴係とつながりたい。

          「穴係」という変なタイトルのエッセイにいたく共感する。何か役割が与えられる(それがいかに奇妙なものであったとしても)と安心できるという気持ちはとてもよくわかる。 仕事でなにか思わぬ事態が発生してしまった時のことを想像してみる。 上司や同僚が忙しく動き回っているなかで、どうしていいかわからずただただ呆然とする自分。手が足りなさそうなところを手伝おうと立ち上がるが、「ここは大丈夫だから他のところを手伝ってあげて」。 暑くもないのに脚にはじわじわと冷たい汗が滲んできて、胸の辺りが

          #穴係とつながりたい。

          図書室訪問の記録 2023年9月

          9月2日(土)ー 3日(日) この日はオンライン講座の「企画メシ」でつながった友人たちが中津川まで来てくれました。 一緒に積読合宿やかきク会を企画してくれているTさんとSさん。図書係山と川のFさん。今回の中津川訪問を企画してくれたKさん。Kさんの同期のMさん家族。 東京、岡山、鎌倉、上田といろんなところから集まってきてくれたみなさんのおかげで、図書室は今までにないくらい賑やかでした。 本を読む時間よりも、しりとりやワードウルフ(人狼の言葉遊びバージョン。初めてやった)、

          図書室訪問の記録 2023年9月

          ラーメンと腹毛 〜第8・9回かきク会の記録〜

          先日行われた第8・9回かきク会の記録です。 第8回が8月に行われる予定でしたが、体調不良など参加者が少なかったこともあり今回2回分をまとめて発表することになりました。 テーマは「お化け」、「真夜中」、「プール」、「月」の4つ。 トク選発表 ここからはそれぞれのトク選を発表していきます。 【お化け】 黄色のセーター黒いパンプス狐と間違えられる秋 「お化けというテーマを狐と結びつける発想が新鮮」や、「視覚的に鮮やかでいい」といった声があがりました。 個人的にも好きな一クで

          ラーメンと腹毛 〜第8・9回かきク会の記録〜

          生きのびるために、生きる言葉を。 〜図書係山と川のこと〜

          3年目を迎えるにあたって 選書ユニット「図書係山と川」という活動を始めてからもう少しで2年が経とうしています。この間に選書をさせてもらったのは8人で「活動を始めてから」なんて言うのもおこがしいほどですが、自分にとって彼ら彼女らの個人的な話を聴かせてもらった経験は、とても得難いものになったのでした(図書係山と川では、選書をするにあたって事前にインタビューをさせてもらいます。本に関係ない個人的な話などをいろいろうかがっています)。 3年目を迎えるにあたって、今後の活動について

          生きのびるために、生きる言葉を。 〜図書係山と川のこと〜

          「今ここに一緒にいること」から始める。

          雑談が苦手です。 挨拶までは大丈夫、むしろ笑顔で愛想良くできている(はず)。 そこからが問題で、どんな話題をどう切り出そうか考えすぎてフリーズしてしまいます。 相手からしたら、さっきまで笑顔で挨拶していた人が何も言わずにニヤニヤしはじめたら怖いに違いない。 雑談が得意そうな友人にどんな話題がいいのか尋ねたところ「まずは天気の話だよね」と言われました。 「天気の話をふってみて、どうリアクションしてくるか。声のトーンとか表情を見ながら次にどう話を展開するかを考えている」とのこと

          「今ここに一緒にいること」から始める。

          小さな常連さん

          自宅を解放して私設図書室にする試みについてはここまでも何度か書いてきました。ゆくゆくは地域の人たちや、近くにふらっと来た人などにも立ち寄ってもらえればと思っているのですが、図書室として開放する日を決めているわけではなく、友人知人がぽつぽつと訪ねてくれているというのが現状です。 そんな、やってるんだかやってないんだかよくわからない感じなのですが、ちょくちょくと顔を出してくれているのが近所に住むKさんご家族です。 Kさんご家族には我が家の飼い犬が脱走した時に一緒に追いかけても

          小さな常連さん

          本をもっと楽しくする「モノ」

          「本が好き」と一口に言っても、そこにはさまざまなタイプがあるように思います。 ぱっと思いつくのは、本を読むことが好きという人。 多分、「本が好き」と言われたら、この人は「本を読むのが好きなんだな」と思うのが自然でしょう。 「本がある空間」が好きという人もけっこう多いのではないかと思います。 図書館や本屋さん、ブックカフェなど、人によって感じ方はいろいろでしょうが、私にとって、本のある場所はふーっと肩の力を抜いて落ち着ける場所でもあり、知的好奇心を刺激されるようなわくわ

          本をもっと楽しくする「モノ」

          『味の台湾』

          熱々が食べたい。たとえ口内の皮がベロベロになったとしても。 突然そんなことを書いてしまうほど、料理は熱々で食べたいのがわたしの性分です。できたばかりの熱々の料理を、ハフハフしながら食べるときの幸福感は何物にも代え難いと思います。 連日猛暑が続いていますが、こんな暑い日にこそ熱々のものが食べたい。そして熱々の食事のお供にキンキンに冷えたビールがあればもう、他に望むものはありません。 『味の台湾』の著者である詩人の焦桐も、熱々の食事を愛してやまない一人です。『味の台湾』には

          『味の台湾』

          新しい風吹けば、夏 〜第7回かきク会の記録〜

          先日開催された第7回かきク会「サマー”ク”ォーズ」について報告します。 今回はいつも参加してくれる方が体調不良だったり予定があったりで、ク会の開始時点で参加者は企画側の3人のみ。 「せっかくなんでクの発表は来月に持ち越しますか」なんて話しながら雑談していたところ、「参加できるかは娘の体調次第」と言っていた友人のMティがZOOMに入ってくれて盛り上がる一同(主にカタヤマが)。 かきク会はもともと「キカク飯」というオンライン講座のつながりで始めたので、これまでの参加者は全員

          新しい風吹けば、夏 〜第7回かきク会の記録〜