傷つかないための優しさ。(Blue 読書感想文)
うつ病を患ったことをきっかけに改めて優しさについて考え直している。
先日、僕の優しさの定義に大きく影響を及ぼす作品に出会った。
川野芽生著『Blue』
この本に出会えて本当によかった。
感想の前に少しだけ本の紹介を。
帯に書かれているあらすじは以下の通り。
僕はこの本を読んで、自分が抱えている優しさの卑しい(?)一面を知った。
⚠️以下少しだけ本の中から文章を引用。
ネタバレが嫌な方ご遠慮ください。
作中で衝撃を受けた文章がある。
思わず声が出た。
僕は今までの人生で“優しい人”というラベルを貼られることが多かったけど、どうにも上手く受け取ることができなかった。
理由は、僕の優しさというのは“優しい行為・発言をしている自分が好きだから“もしくは“優しい人だと思われたいから”
だから人に優しくしているんだと思うと、その優しさは自分に矢印が向いているから彼らのいう意味での”優しい人”というラベルは受け取れなかった。
しかしこの文章に出会ってしまった。
どうにも本心はこちらな気がする。
親・友人・先生。初めて会った人であっても、人は敵意を持つとすぐに相手を傷つける言葉ばかり使う。
まるで小学校のチクチク言葉とかトゲトゲ言葉みたいに、どの言葉が人を傷つけるかわかった上でわざとその言葉で刺そうとする。
だから、自分のことを傷つけられないように、できるだけ穏やかに、彼らの怒りに少しでも触れないように“優しい人”の形をしてきた。
じゃなきゃ何されるかわからない。
僕の優しさは傷つかないための優しさだ。
そのせいで、大切な人に対してわざと優しさを捨て、
この人は僕が優しくしなくても僕を傷つけない人なのか。確かめるように傷つけていたことにも気づいた。そんな行為で本当の優しさは確かめられない。申し訳なく、情けなく感じる。
傷つかないための優しさ。
この優しさでいい。
ただそれで人を傷つけることはやめにしたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?