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風穴をあけろ!50歳まだヒットを狙うミュージシャンの軌跡⑩ロックへの目覚め SEiZI/晴志

とにかく、転校を繰り返した小学生時代
そのへんは今までの記事「プロの転校生」を見てくれるとうれしい。

今回は肝心な音楽の話

ミュージシャンのくせに音楽のこと書いてないじゃないか!?

ま、とにかく、子供の頃から
歌を歌うのは好きだったが、
学校の音楽の授業はあまり好きではなかった

個性なんか尊重するはずもない時代、合唱なんかも男の子と女の子にパート分けされるだけ。ハモリで3声のとこなんかも、出席順か身長順。
おれは小さかったのでいつも前から5番目以内だった。
だから声がどうとか声量があるとかないとか高い低いも全く関係ない。
パート分けもクソもない。

昭和のあの時代。
歌謡曲全盛だよね。
俺は流行っていたアイドルの歌はだいたいフルコーラス歌えた。

今みたいにスマホで簡単に録音とかそんなもんはある訳がない。
そんな我が家に突然現れたこいつ!

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カセットレコーダー!!
なんと録音ができるのだよ!!

俺は自分で歌謡曲を歌って録音し、その自分の声にハモってみたり
弟と二人で歌って録音したりして遊んでいた。
そういう意味ではずいぶん早くから「レコーディング」をしていたのかもしれない。

でも、うちにはレコードもレコードプレーヤーもまだなかった
たしか、小学校3年生くらいの時に親父が教会のバザー(今で言うフリーマーケット)に連れて行ってくれた。
(ちなみに親父はクリスチャンで教会の日曜学校の先生をしていた。俺たちは生まれた時からある意味クリスチャンで日曜学校に通っていた)

そこで、出会ったのがこんなやつ!

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あのころ、こういうのを全部「ステレオ」と呼んでいたと思う。

俺がどうしても欲しい!とダダをこねて買ってもらった
人生最初の音楽機材」じゃないかな?
だって、レコードが聴けるんだもん!!どうしても欲しかった。

確か中古だから1万円くらいだったと思うよ。
今となれば「メチャメチャお買い得」な商品!
価値で言ったら100万円くらいの価値があったはず!!

なんでかって??
それはこの後読んでいけばわかるのさ(笑)

このころの「ステレオ」はメチャメチャでかくて(笑)レコードプレーヤーとラジオが付いていて、下のボックス部分にはレコードがいっぱい入った。

ラッキーなことに、このボックス部分に前のオーナーのコレクションのLPレコードが山ほど入っていたのだ!!

いま、思えば、
ビートルズ、ローリング・ストーンズ、カーペンターズetc
いっぱい入ってた。
でも小学校低学年だった俺たちには、英語の歌には全く興味がなかった。
歌詞が分からないんだもん(笑)

ステレオの下のボックスには
オフコース、チャゲ&飛鳥、アルフィー、甲斐バンド、海援隊、
そんなLPがいっぱい入ってた。
フォークソングと言われてた時代のレコードを聴き漁った。

このころから、流行ってたアイドルの曲なんかよりも
こっちのほうがかっこいいと思い始めたんだよね。

音楽的な目覚めって、俺には、いわゆる
「フォークソング」とか「ニューミュージック」
と言われてたものだったのかもしれない。

さて、山のようなLPレコードのおかげで音楽はいっぱいあった。
でもね、どうしても自分で買いたい!欲しいLPレコードがあったんだよ。

お年玉ではじめて自分でレコード屋さんでレコードを買った。
レコード屋さんでドキドキしたのを今でもリアルに覚えているモン!

これです!!!

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松本伊代in武道館(1982.11.15 東京・日本武道館にて収録)

アイドルなんかもう興味ねぇ!!!と格好つけながら
伊代ちゃんは俺の人生の全てだった(笑)
No Iyo!No Life(笑)

セイジ小学校やんちゃな5年生(12歳)
好きな女性は伊代ちゃん(16歳)

でもこのLPレコードがなぜ?か
「洋楽への目覚め」になるのだよ。

小学校低学年から
「日本のフォークソングやニューミュージック」を聴き漁った俺が、
小学校5年生で
伊代ちゃんに人生を変えられたのだ!!

なぜなら
LPのB面がロックンロールメドレーだったのだ!!
ジョニーB.グッド 
抱きしめたい 
プリーズ・プリーズ・ミー
キャント・バイ・ミーラブ
ツイスト&シャウト

「♪わっかぁーる!そのきもち、あいわなほーどへ~~~ん」  

曲がすごいかっこいいなぁ!
メロディがすごく好き!

ジャケットに書いてあった「Beatles」の文字

ん?家にそんなLPあったぞ??

あ、うちのステレオのボックスにいっぱいあるやん!!??Beatles!!

「はい!目覚めました!Beatles!」

なんだ?この人達は!!?
外人?ハモリすげぇ!楽器も演奏してる!英語やん(当たり前)

ロック!
エレキギター、ベース、ドラム!
ロック!ロックンロール!
かっこいい!!

俺は衝撃を受けたのだ。
ポップでメロディアスで音がかっこいい!
なんだ?これは???!!!!

はい!!
今の僕があるのは
松本伊代ちゃん
のおかげでなんです!!

♪伊代はまだ16だからぁ
俺は12歳だったからぁ♪

伊代ちゃん、本当にありがとう!!
俺にロックを、バンドを教えてくれて!

ヒロミさんといつまでも幸せにね!!❤

今でも伊代ちゃんがテレビに映ると
「ありがとう!伊代ちゃん」
と俺は言ってしまうのだ(笑)

そして思うのだ。

16歳で武道館に立って歌った伊代ちゃん
一曲目の「センチメンタル・ジャーニー」の歌いだしで泣いていた。

俺は武道館での一曲めの「アメージング・グレース」で泣いてしまうのだろうか?
俺はいつ、武道館で歌えるのだろうか。

そんなことを考えてしまう
「50歳まだヒットを狙うミュージシャン」
なのだ。


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