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天才の才気を浴びたい。音楽道には心を震わす偉才が多すぎるから語る。

小さい頃から音楽が大好きだ。

小学生の頃はレンタルしたCDをラジカセに入れて、コピーした歌詞カードを見ながら熱唱していた。

中学生になるとウォークマンを手に入れて、通学中の欠かせないお供になった。

高校生になるとライブハウスに通うようになって、初めて浴びるバンドの生音と息遣いに心底こころを踊らせた。

大学生になると70年代・80年代の洋楽に興味が芽生え、ダンスサークルの先輩に曲データをもらって、iPod CLASSICから幾重もの音楽を知っていった。

そして社会人になった今では、サブスクの波に乗って、果てしない音楽の海原を渡り歩いている。

どれだけ時が経っても、音楽の聴き方が変わっても、自分自身が成長しても、音楽はずっとずっと大好きで、わたしの心の拠り所だ。

そんな音楽との旅路を歩いていると、次第に頭の中で一際輝いて見えてしまう"わたしにとっての天才"が現れてくる。

どうしてこんな曲がつくれるの、どうしてこんな考え方ができるの、どうしてこんな表現ができるの、どうして、どうして…………と、ただ天才が生み出す楽曲を前に「頭の中を見せてくれ」と懇願してしまいたくなるのだ。

ーーということで、わたしにとっての天才3人について、お酒片手に勝手に語ろうと思う。

わたしにとっての天才 川谷絵音さん

川谷絵音さんといったら、一般的にはゲスの極み乙女。のボーカル&ギターという印象が強いかもしれないけれど、彼は5つのバンドを掛け持ちし、ソロ活動も行い、バンドのプロデュースや楽曲提供なども行う音楽界をあらゆる船で渡れる天才だ。

なかでもわたしは川谷さんが掛け持ちするバンドの一つ、Indigo la Endの鮮美な曲が大好きで、同じく川谷さんがプロデュースするDADARAYというバンドの華やかでどこか危うさのある旋律を奏でる曲が大好きでたまらないのだ。

なんだろう、川谷さんが生み出す曲は、音楽というよりも「物語」と表現したほうが合っている気がする。絵が浮かぶような歌詞はもちろんだけれど、メロディだけでもドラマが浮かんでくるみたいだ。

それくらい一音一音の粒度が非常に細かくて、聴く度に心をときめかせる。甘美な音楽を、なぜこうも、さまざまな角度から生み出せるのか……。

川谷さんが生み出す曲のなかでも特にお気に入りなのが、Indigo la Endの『猫にも愛を』。猫は人の言葉を話すことができない。ニャーと鳴いてもそれだけで、言葉は少しも伝わらない。だけれど、話せないからこそ、伝わらないからこそ君に愛されているんだーーと猫は思う、そんな歌。

わたしたち人間は言葉を介して生きているけれど、言葉があっても伝わらないこと、理解されないことってある。そんな時に、「わたしも猫だったらな」って曲を聴きながら感情移入してしまうことが多々あった。

猫だったら、伝わらないけど愛されたかもしれない。猫だったら、理解されなくても許されたかもしれない。

ないものねだりな思考だけれど、とくに人間関係に悩むことが多かった学生時代、『猫にも愛を』は寂しがっていたの拠り所になってくれたのだ。

ああ、なんて天才。川谷さんの音楽は化粧水みたいに、わたしの心にじんわりとよく浸透して、潤してくれるんだよな。

わたしにとっての天才 Ayaseさん

とにかく、ツボ。

細い糸のように鋭く優しい音楽が、思ってもみなかった隙間に入り込んで、わたしの感性をグリグリとくすぐってくる。そんな音楽を紡ぐのがYOASOBIのコンポーザーAyaseさんだ。

数ある物語を音楽に昇華するYOASOBIのAyaseさんは、そりゃあもう世界も頷く天才の一人だと思うのだけれど、わたしはYOASOBIのAyaseさんよりも、ソロの「Ayase」がつくり、本人による歌唱曲のほうが好きだったりする。

1番をあげるのは難しいくらい『夜撫でるメロウ』も『シネマ』も『飽和』も『SHOCK!』も……全部好きだ。

なんていうんだろう。Ayaseさんの曲を聴くと心の柔らかい部分に触れられて、辞書にも載っていないような感情がいっぱいに注ぎ込まれて、ぎゅうっと胸を掴まれるような不思議な感覚になってしまうのだ。ううう、天才が生み出すものを伝えるのは、本当に難しい……。

兎にも角にも、もっともっと聴きたいと耳が焦がれる楽曲は、Ayaseさんが1番なのだ。

わたしにとっての天才 藤原聡さん

Official髭男dismのボーカル&キーボードを担当する藤原聡さん、愛称さとっちゃん。

彼の美しい言葉選びには、毎回度肝を抜かれる。澄んだ水が紙の端から端までを湿らせていくように、じわじわと清らかに心を埋め尽くすのだ。

ヒゲダンの音楽は、これまで武道館ライブを2度、音楽フェスで5〜6回程生音を聴いてきた。

本当にヒゲダンの音楽は清らかな生気に満ちていて、いつも全身が浄化される。パリパリに乾いてしまった身体の隙間に、煌びやかなハートがたくさん飛び込んでくるような心地だ。

メンバーみんなが楽しそうで、仲良しそうで、その雰囲気もまた頬をほころばせるポイントの一つなのだろうな。

そんなヒゲダンが生み出す音楽のなかで、度々わたしの心を震わせるのが、歌詞として紡がれる美しい言葉たちだ。

まず、わたしがヒゲダンのなかでも何よりも大好きな曲で、生で聴くたびに涙腺を刺激してくる『LADY』の一節。サビラストの《世界で一番素敵な lady,ah》という歌詞。

ストレートな愛の言葉がこんなにも純粋に真っ直ぐに届いてくるのは、ヒゲダンが断トツだと思う。

さとっちゃんの滑らかで力強くて、どこか繊細な歌声によって届けられるその言葉に、きゅうっと心を掴まれた気持ちになる。

世界で一番、だなんて。綺麗事でも、作られた台詞でもなく、純粋な想いとして耳に届いて身体を巡って、言葉が心に染み込んでくる。レプリカさを一切纏わない甘美なさとっちゃんの歌声とメンバーみんなの音が合わさった瞬間はもう奇跡としか言いようがない。

くわえて、わたしがヒゲダンのなかでも大好きな歌詞が、『Subtitle』の《言葉はまるで雪の結晶》。

な、なんて美しく尊い比喩なのだろう……。

言葉ってものは不思議で、伝えたくてもなかなか言葉にできなくて、すぐに形を崩してしまったり、溶けて消えてしまったりする。本当、まるで雪のように繊細だ。

だけれど、それらの言葉には「伝えたい」と思った理由がいっぱい詰まっている。まさに、相手への想いや愛がたくさん詰まった結晶そのもの。

言葉とは、愛が詰まった美しい雪の結晶なのだ。

ああ、すごすぎる。ヒゲダンの作詞・作曲を担うさとっちゃんは、確実にわたしにとっての大天才の一人だ。

ーー3人の天才について好きにお話してきたけれど、本当に本当に素晴らしい音楽を生み出してくれてありがとうと床に額をすりつける他がない……!

彼らと同じ時代を過ごせて、しあわせだ。

大好きな音楽とともに、これからも豊かに生きていこうと思う。

by セカイハルカ
画像:かわいい!色合いもスキ!

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