【映画感想】ONODA 一万夜を超えて


「彼は一体何のために異国の地に留まっていたのか」という疑問を忠誠心、戦争が如何に人を狂わせるか、太平洋戦争時、日本がどれほど若者達に対して洗脳教育を行なってきたか、情とは何か、、、
多くのテーマと共に考えさせられる映画でした。

きっとこれは、これまで行われた全ての戦争においてどこかの国であっていたことで。きっと今もどこかで同じ状況に置かれている人がいて。

私たちは今情報が溢れていることに苦しめられているけれど、閉ざされた環境で情報がここまでないことは、人をこんなにも偏った考え方にしてしまうのかと。
ラジオや新聞を読んで「南の岸で待つ」という解釈になるシーンには鳥肌がたちました。

もちろん、彼が悪いわけじゃない。旧中尉が悪いわけでもない。もう全てがおかしくなってたんです。あの時代は。だから繰り返してはいけない。忘れないために、語り継いでいくために、監督はこの作品を作られたのでしょう。

それほど多くの映画を観てきたわけではないので偉そうなことは言えませんが、この作品はフランス人の監督が作られたとのこと。時系列の描かれ方や最後に考えさせる形で終わるところ、言葉がない時間が多いところに、外からの目線だからこその冷静さや本気で世界中に小野田さんのことを知ってほしい想いが伝わってきた気がしました。

さらに、日本の方が映画を制作するにあたりかなり尽力されたとのこと。その方に敬意を表します。

公開2週間目。多くのお客さんがいましたが若者が少なく、、もっと私たち若者世代に広まりますように。
3時間という長時間の作品ですが、舞台挨拶でイッセー尾形さんが仰っていたように、あっという間でした。

今回、中洲大洋映画劇場に初めて行きました。ずっと気になってはいたのですがやっといけました。キノシネマに比べてお客さんが多い印象。歴史ある映画館で、風情があって、私好みの映画館でした。
ミニシアターにはまったのでいつか遠征とかもしたいし福岡のミニシアターは早めにまわりたいな。あとはKBCシネマ、すぐに行こう。

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