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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2023年12月の記事一覧

詐欺の街、ラウカイからの脱出

「Are you John? I'm Kiki」 最近、見知らぬ若い女性からこんなメッセージが届く人が増えている。ほとんどの人はこれを無視するが、 「私はジョンじゃない、間違いメッセージだよ」 と返信する人もいる。これは詐欺師の罠にかかる第一歩である。 インターネットを利用した詐欺は以前から存在していたが、2022年頃からその数は急増した。特に、そのメッセージの発信元がミャンマーであることが多くなっている。詐欺メッセージを発信している犯罪組織はミャンマーの中国国境とタイ国境

山本粧子の Hola! ジャガイモ人間      ~ペルーからコンニチワ~┃ 第4回

ブエノスディアス! 山本粧子(やまもとしょうこ)です。 いよいよ、今週ペルーへ出発します。 2年は日本に戻らないのですが、思い残すことは今のところありません。出発前に、フランスに留学していた時にバイト先で出会った友人のレティシアに京都で会ってきました。 彼女とはかれこれ10年以上の付き合いになります。 彼女は6年前に来日し、日本社会でバリバリと働いています。私もこれから、レティシアと同じく、外国人として海外で働き、生活をするので、喝を入れてもらいました。 * さて、今回

ニッポンの世界史【第4回】東洋史の「再発見」 : 宮崎市定・古代文明・トインビー

宮崎市定 「ヨーロッパは後進国だ!」  戦前の日本における東洋史は、中国史のウエイトが多くの割合を占めていました。  しかし、いわゆる京都学派の宮崎市定のように、アジアが世界史に果たした役割を重視し、アジアを射程にいれた世界史を描こうとする試みも、すでに戦前からありました。  たとえば、文部省の要請により宮崎も編纂委員として関わった『大東亜史』(未完)の冒頭部分をもとに戦後刊行された『アジア史概説』は、東洋史の学習指導要領(試案)でも参考図書に挙げられています。  オリエント

ニッポンの世界史【第3回】世界史の「氾濫」

「教科世界史」は、なぜ暗記地獄化したか?  前回みたように、「科目」としての世界史は、戦後まもなくの混乱期に、学問的に深い議論が交わされることなく誕生したものでした。  そもそも学問としての世界史自体、未確立だったこともありますが、その輪郭が不確かであったからこそ、文部省の教科書調査官や歴史学者、教員、予備校講師、それに作家に至るまで、さまざまな人々の手が加わり変化し続ける余地ができた面というもあるでしょう(注1)。  とくに戦後まもなくは、教員がみずから世界史という科目

女優搗宮姫奈の世界一周コーヒーの旅 in トルコ 【前編】

自分自身でコーヒー屋を始めるにあり、世界一周コーヒーの旅をしてたくさん勉強してきました! 皆さんにも一緒に体験しているように感じて頂きたく、noteに残します😊 YouTubeもやっているのでよかったら☑️してみて下さい☺️▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼ コーヒーを世界中に広げた国!?今回訪れたのはトルコ🇹🇷 実はコーヒーが世界に広がっていったこととイスラム教には深〜い関係がある事を知っていますか? その舞台であるトルコ(オスマン帝国)へ、コーヒーの起源を調査しに来ました!

ロングセラーの奇跡と出会う旅…「きかんしゃトーマス」作者ゆかりの地へ! 【ゆったりイギリス探訪記📷】

「汽車のえほん」日本刊行50周年を記念した連載記事。 今回は、トーマス担当編集者がめぐったイギリス「汽車のえほん」ゆかりの地ツアーをご紹介します! 作者の育った家や、晩年を過ごした教会など、ファン必見のディープなこのツアー。今回、編集担当として参加し、イギリスで生まれた作品が日本で愛され続けている…ロングセラー作品の奇跡を感じる旅となりました。 イギリスをゆったり旅する気分で、ご覧ください! ★前回の記事はこちら。「汽車のえほん」についてご紹介しています。 トーマスの原点

【第2回】ニッポンの世界史:日本人にとって世界史とはなにか?

「世界史」という科目は、どのようにして生まれたのか?  前回、1949年に「世界史」という科目がつくられたと述べました。  どのような経緯で「世界史」という科目が置かれたのでしょうか?  今回はちょっとお堅い内容にはなりますが、「科目世界史」がどんなふうに誕生したのか、その秘話をきちんと確認しておかねばなりません。  まずは戦後まもなくの状況を確認しておくことからはじめましょう。 戦後の新科目「社会科」  1945(昭和20)年9月2日、1945(昭和20)年9月2日、東

【はじめに】ニッポンの世界史:日本人にとって世界史とはなにか?

2010年代の世界史ブーム—疫病・戦争・生成AI  まもなく22世紀を迎える2100年の人々が21世紀初頭の世界をふりかえったとしよう。そこではどのような出来事がとりあげられるだろう?  「まもなく終わる21世紀」の幕開けにふさわしい出来事として選ばれるのは、いったい何になるのだろうか?  疫病の流行、大国による戦争、それとも生成AIに代表されるイノベーションか。あるいは気候変動、難民危機、持続可能な開発目標、新興国の台頭、あるいは権威主義やポピュリズムの拡大か—。  こう