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FC東京のエンブレム変更は既定路線か~SOCIOアンケートの結果~

※追記:2023年3月29日21時にHPで全体公開。

SOCIOアンケートの結果発表

画像は、去年秋葉原のHUBで見た悲しいエンブレムの姿だ。
剥がそうとした輩がいたのだろう。何てことをするんだと憤慨しながらカメラに収めた。

昨夜にあったカシーフの日本代表デビューとアクシデントに落ち着かない中、FC東京から『【SOCIOのみなさまへ】クラブビジョンとエンブレムのアップデートに関するアンケート結果について』というメールがSOCIOに発信された。

これはシーズン開幕直後にチームからSOCIOへ『エンブレム変更検討』に向けたアンケートが募られたことに対して、その結果をまとめたものである。

それについて、内容をかいつまんで書いた後、雑感を述べる。

要点は、
①エンブレム変更に対するSOCIOの意見はどうだったのか
②エンブレム変更の検討は続けるのか
この2点である。

そもそも変更の検討を知らされた当時は、ホーム開幕戦で浦和に快勝した直後であった。寝耳に水、降って湧いた話だったことで非常に驚き、困惑したものであった。

そうした中で、下記の記事を書いた訳である。
このエンブレム変更検討のアイデアを知った数分後、個人的な印象を綴ったものだった。

結果的に、様々な反響があった。
サポーター1人の想像に過ぎない文章ではあるが、色々な人の感想が聞けて非常に面白かった。

ミクシィの代表取締役社長である木村氏も下記のように呟いていた。
当然、この記事を読んでのものではないだろうが、ミクシィに親会社が変わって2年目というこのタイミングでのエンブレム変更については、色々なサポーターが様々に感じたところだったのだろう。それが耳に届いた格好だと思われる。

こうした発信があった後でも、自分の印象は変わっていない。
Tweetという個人的な発言の体裁であっても、代表取締役社長に立場がある人物による公の発言だ。本音と建前は存在する。

そのため、この発信についてとやかく言うつもりはない。

二つの動画の概要

SOCIOへ向けたメールの中には、You Tubeの限定公開URLが2点添付されており、ひとつが『クラブビジョンvol.1「アンケート結果」』、もうひとつが『クラブビジョンvol.2「ご意見への回答」』だった。

『クラブビジョンvol.1「アンケート結果」』については、SOCIOに募ったアンケートの各項目についての結果発表で、川岸社長と石川CCが資料を提示しながら説明をしている形だった。

おおよそ全ての数字を開示しており、ここのアンケート結果について隠す様子がなかったことについては好感が持てたし、その姿勢は信用できる。

VISION2030については、概ね好意的な回答になったという発表だった。

エンブレム変更については、37%がアップデートに前向きで、41%が変えて欲しくない22%がどちらとも言えないという結果だったことが明かされた。

そして続く『クラブビジョンvol.2「ご意見への回答」』内では、石川CCがアンケートの自由記述に書かれた意見の中からピックアップして川岸社長に質問する形式となっており、約30分の長い動画となっていた。
台本を読んでいる風でもなく、あくまでも川岸社長がその瞬間に言葉を探しながら、丁寧に答えている印象。石川CCも続いて意見を述べていた。
どちらかと言えばラジオのような構成で、クラブの考え方を自然に、かつ素直に受け止められたように思う。

取り上げられた意見には「なぜSOCIOにだけアンケートを取ったのか」というものもあり、それに対する回答があった。
SOCIOに向けて発信された動画の中でこれを語っていても仕方ないとも思うのだが、おそらく今後、全体公開をされるのであろう。
取り急ぎMEMBERSHIP会員である知人にも伝えようと考えている。

その他にも、「なぜシーズン開幕後に?」や「東京ガスのイメージを払拭したいのでは?」といった率直な意見が取り上げられていた。
詳しくは動画を御覧いただきたい。

もはやエンブレムの変更は止まらない

そして、動画の最後にはこのように語っていた。

エンブレムのアップデートについては、賛同は半分には若干届かなかったという状況ではありますけれども、VISION2030については多くの方に賛同をいただきました。
2024年からのエンブレムのアップデートに向けて、このプロジェクトをまずひとつ前進させていただきたいという風に考えています。

FC東京You Tube公式チャンネル_クラブビジョンvol.2「ご意見への回答」

意訳すると「SOCIOのアンケートでは反対の意見はかなりあったし、賛成も過半数には達していないけれども、みんな『VISION2023』には賛成なんだよね!じゃあエンブレムの変更も進めるね!」ということである。

真っ先に「この説明はなんなんだ?」という感想が浮かんだ。

そもそも『エンブレム変更』と『FC東京VISION2030』のアンケートを同時に行っていたことが少し引っかかっていたのだが、今回の結果発表でその狙いがようやく理解できた。

『VISION2030』の大きな目的は「東京の中でFC東京が存在感を発揮するようにする」というものだと受け取っているが、スタジアム構想や今後の大きな方針も全て包括的に含まれているものだった。
サポーターとして「専用スタジアムが欲しい」という願いは多くの東京サポが抱いていることだろう。
実際に、今回公開された動画の中でも、専用スタジアムに対する期待が大きかったことは数字と共に明かされている。
そうした内容が含まれていることからも、好意的に回答したSOCIOが多かったのだと思われる。

アンケートの前提となった『VISION2030』のPDF資料(https://www.fctokyo.co.jp/clubvision.pdf)には『エンブレム変更(=クラブエンブレムアップデート)』とは一言も書いていない。
動画の中にのみ現れる資料において提示されているだけだ。

確かに、動画においては川岸社長と石川CCがエンブレム変更検討に理解を促す場面が何度もあって印象的だったが、『VISION2030』にそのエンブレム変更を前提として進める意向であったり、アンケートに『VISION2030への賛同=エンブレムの変更』という意味が含まれるなどと示唆するシーンは全く無かった。

「それは当然リーグ1位になって欲しいよね」「日本でも、アジアでも、世界でも存在感のあるクラブになってほしいね」という願いを込めて『VISON2030』へ好意的な回答をしたに過ぎない。

メールの冒頭には『7日間という短い期間ではございましたが、約40%のSOCIOのみなさまにご回答を頂きました』とあった。
たとえ100%の回答があったとしても、SOCIOのアンケートによってチームが意思決定をする訳ではない。
そこにはステークホルダーが居るし、スポンサーも居るし、自治体も居るし、ホームタウンも居る。もちろん親会社も居る。

そうした事情は重々承知であるものの、「じゃあこれでエンブレム変更の検討を前進させますね!」という理由付けには足りてないのではないか。
せめてサポーターに「いや、なんのためのアンケートだったの?」と思わせない程度の理由説明をして欲しかった。

FC東京「エンブレムを変える検討をしましょう」
SOCIO「我々の中でも意見が割れています」
FC東京「そうですか。まあともあれ変更する方向で進めましょう」

個人的には、こういったやり取りをしているように思える。
あくまでも変更ありきで、その中で妥協点を探るつもりなのだ。
その方向自体は、もう変えられないのかもしれない。

また、事前のアンケート実施は「あくまでもエンブレムの変更は既定路線である」といった印象を和らげる目的ではないか。
国や自治体が行うパブリックコメントに近い立ち位置ではなかろうかと考えてしまう。

https://note.com/seki3/n/n032ef76e757f

先程紹介した記事の中で、このように書いていた。
今回の動画内でも、川岸社長や石川CCが「皆さんとコミニュケーションを取りたい。その上で進めたい」と強調していたが、それはあくまでも『エンブレムを変える上での対話』である。
変えるかどうかの是非については、もう議論をしてくれないのではないか
そんな印象を抱いている。

せめて『エンブレムを変えることで想定される効果』、『国内外における他チームの実績』や『変更したエンブレムによって展開できること』、『今のエンブレムでは出来ない展開』など提示する努力をしてくれないだろうか。
会話の場を用意することはもちろんありがたいのだけど、抽象的な目的を排した『こうしたいから、こうする』といった具体的な言葉を用いてほしい。

こういった騒動はさて置き、今祈るのは右膝に違和感があるとされるカシーフの怪我が軽いことだ。
杞憂に終わり、次のアウェイ鳥栖で躍動する姿を楽しみにしている。


たまにサポートをいただけるのですが、あまりにも申し訳ないのでお題のリクエストなどを併せていただけるとありがたいです。もちろんなくても大丈夫です!読んで頂きありがとうございます。