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旧公衆衛生院研究

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内田ゴシック建築の私的な解釈
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2019年8月の記事一覧

建築思想の見立て

建築思想の見立て

建築思想の見立ては、一つの仮説、文脈が整うと別の考えが浮かびにくくなる。
最初の仮説に引っ張られ、新鮮な発想になりにくい。

向き合って、考えぬいても最初を超えられない。

この場合、他者との意見交換、思想研究が大切になる。自分の内側との対話だと、サイドチェンジがてきにくい。

他施設との比較研究から生まれることもあるが、他者との意見交換は、新たな自分を見出す。

思想、仮説は何通りもイメージ

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面取りに含まれるメッセージ

面取りに含まれるメッセージ

旧公衆衛生院の柱には、角の面を取ったものと、そうでないものがある。
また、面取りは上部下部とも途中で止め、三角のデザインが浮かぶように施されている。

旧公衆衛生院の開設の目的は、保健衛生に関する研究と保健師の教育にある。

面を取った空間は、研究・教育を想定した専門的な場と考えられる。三角のデザインは向学と土台が表現されている。

面を取ってない空間は、一般的な場と考えられ、交流やプライベート

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ドームをイメージして

ドームをイメージして

旧公衆衛生院の中央ホール

やはりドームをイメージして描かれたのではなかろうか。
中央に近づくにつれおり上がる。

先日東京ドームに行った時、ドームの考え方、多様性が目に付いた。自然空間を人工的に構成する思想から生まれたものである。

同様に中央ホールを眺めていると、単なる円形ホールの天井装飾であるはずがない。
冠のように周りを取り囲む尖った装飾との連動性からして、ゴシック建築のドームと相通じるも

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