見出し画像

【名言】まけてのく 人を弱しと思うなよ 智慧の力の強き人なり。

中山多七郎満足(1802-1854)

の言葉です。

負けて退いていく人を弱いと思わないことだ。優れた知恵を持った(無謀な戦いを避けた)人かもしれないのだから。」
と訳してみました。

この人物は柳剛流中山派を開いた人で、埼玉県川口市を中心に剣術を広めた人物です。
その人となりは剛毅果決(意志がしっかりとしていて、決断が早い)人物であったそうです。

祖父の代では「富豪」といわれるような家系であったようですが、父の代で自然災害により被災、大きな損害を被ったそうです。

そんな逆境にもめげずに剣術道場を開き、息子の桑林(幾之進)は柳剛流中山派を大きくしました。

『修行帳』(埼玉大学紀要では『修行録』とあるが、前述の記述より『剣術修行帳』の間違いと思われる。)の巻末に書いてあったとするのが、タイトルの
まけてのく 人を弱しと思うなよ 智慧の力の強き人なり。」です。

でも、名言などに詳しい人は「ん?」と思ったかもしれません。筆者は初めて知りましたが…。

まけてのく人をよわしと思うなよ。 知恵の力の強きゆえなり。

という言葉を高杉晋作(1839~1867)が残しています。(『贅御日記』より)

意味はほとんど同じように思われます。

明治維新の立役者、高杉晋作の言葉だからでしょう。明治以降の書物にかなり取り上げられ、世間に広まったと推測できます。

ほぼ、同時代で、おそらく接点もなかっただろう二人がほとんど同じような言葉を残したのは不思議です。
もしかしたら当時、武術を嗜む者に共通に広がっていた言葉だったのかもしれませんね。 詳しい方、コメントくださると嬉しいです。

ところで、この名言は「逃げるが勝ち」のような、弱い者が強がりで使えそうな言葉に聞こえますが、高杉晋作はもちろん、中山満足もかなりの手練れであったようです。

そう思うと、「油断大敵」のような言葉にも聞こえてくる気がしますね。

お酒の勢いで載せてしまいました。あとで後悔するかも。笑

参考文献
・『埼玉大学紀要 体育学篇 第15巻』「埼玉県の柳剛流ーその2ー」 
  大保木輝雄 埼玉大学 1980年
・名言ナビ (https://meigennavi.net/word/03/033802.htm





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?