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福沢諭吉と現代の米中対立

大分県中津市のヒーロー(自伝を読んで、中津の人は怒るかなーと思ったけど、算術を重んじた先生のことなど良いことも言っていてホッとした)
ということ以外、高校受験のレベルにしか福沢諭吉を知らなかった。

そりゃあ暗殺に怯える日々にもなる。

現代のこのタイプの人も同じ?

耳で聞く本、オーディブルで自伝を聞いた。めっちゃ分かりやすい言葉!
幕末に生まれ育った人がこの言葉???
現代のエライ人たちがしゃべる・書く言葉より、よっぽど「ため口」じゃん!
儒教、ダイッキライ。
漢学、ダイッキライ。
食わず嫌いじゃない、10代、とことん叩き込まれたうえで、ダイッキライ。
日本の縦社会(独特ないばるやつ・不条理な奴)の元凶が、西から来たご近所さんの伝統思想と看破したからこそ、「脱亜入欧」

別に、盲目的な欧米礼賛ではない。欧米の悪い面も、もちろん熟知している。
ただ、幕末の動乱、欧米に学ばなければ「大好きな日本」が蹂躙されてしまう。

医学だけではない、科学だ、技術だ、数学だ!
って、今も同じ。
内側にしか目がいかない愛国者たちが亡国の危機をエスカレートさせていたたとを、わかりやすい文章でイキイキ描く。
だから「学問のすすめ」を書いたのかー
「賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできる」
が続くのは有名な「天は人の上に人を造らず」

現代の若いフェミニストは「福沢諭吉なんてフェイク平等論者」と思うかもしれない。
しかし「人を殺してもなんともない時代」に生まれ育った人。

(ちなみに人力車も幕末には無かったそうだ!)

平等の概念なんて、福沢諭吉の300年前、ザビエルが「神の前に人は皆平等」と、農民に説いたのが初めて。彼らは間もなく排除された。

日本初の太平洋横断、咸臨丸でアメリカに着いたら「女尊男卑」とびっくりした経緯も書いてあった。
一夫多妻を恥じ、当時、貧乏人だけであった一夫一婦制を社会に広めようと全力をあげる(野暮だとバカにされた。15章。自伝を書いた64歳時点でさえこのプロジェクトは進行形)。
しかし「上流のご婦人方は味方」と諦めない。
女性を人間扱いしないことも東アジアの思想と、自伝を貫く嫌・権威主義。

現代の国際問題は権威主義・独裁も一要因なので『福翁自伝』が現代の米中対立における日本の立ち位置を示すものに思われる。

(上部の写真は「数え年29歳」と書いてあるので28歳か? 福翁自伝 慶応義塾大学出版会より)


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