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「発展」「進歩」「アップデート」という言葉に潜む怖い話

 近年、「価値観をアップデートしよう」「世界のあの国もこんなふうに進歩してきた」「日本も同じように発展するべきだ」というようなことをよく耳にします。

 しかし、このような考え方は、「進歩史観」という思想を背景にしています。進歩史観は、後にマルクスに影響を与えます。こうしてできたのがマルクス主義という共産主義の代表格です。

 マルクス主義を掲げて作られた国々では、伝統や既存の価値観を無理矢理破壊するような政策が行われました。ソ連では教会が弾圧されたり、従来の家族の形態を壊すような政策が行われたりしました。中国の文化大革命では、少数民族や聖職者、芸術や伝統芸能に携わる人達が迫害されました。当然のことながら、多くの人の命が奪われています。

 価値観を「アップデート」と一口に言っても、何を基準に残すものと残さないものを判断すればいいのでしょう?闇雲に「古いものや『伝統』と言われる物は破壊せよ」という基準だけでは、文化大革命の二の舞です。

 これからは、「アップデート」「進歩」「発展」と言った言葉を慎重に使っていただけると嬉しいです。