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日本酒専門誌「酒蔵萬流」032(2022春号)~日本酒の表現者たち(4月20日発行)

日本酒専門誌『酒蔵萬流』032・ 2022 SPRINGが、醸造用精米機メーカーの新中野工業さんから出版されました。

今回わたしは、「酒蔵紀行」で「奥能登の白菊」白藤酒造店(石川県)と「あべ」阿部酒造(新潟県)、「酒場めぐり」で「Kitchen105」を取材担当しました。

●酒蔵萬流について

●32号のページ

●「酒蔵萬流」購入ページ
※専門誌のため誌面/web版ともにネット購入のみ

「奥能登の白菊」白藤酒造店(石川県)

白藤酒造店。左から白藤社長、わたし、麹屋で奥様の暁子さん。おふたりといて癒され、優しい気持ちになりました。

夫婦ふたりで酒を醸す後ろにくっ付いて回り、ひと通り作業を見守った後で、着座してしっかりと取材させていただきました。今後目指すべき姿をお聞きして「こういう生き方もあるのだ。蔵のあるべき姿や人の幸せはそれぞれ全く異なるのだ」と、人生に思いを馳せました。もちろん個人の性格の特性にもよりますが、地方の酒蔵のひとつの結論のようにも思えました。ほぼ四六時中一緒にいることになるわけですから、ふたりで歩みを同じにして進んでいくことは、どれだけ貴重でかけがえのないことでしょう。未だに、心の中に問いを投げかけられ続けている気分です。

それからお言葉に甘えて、わたしたちも朝食をいただきました。今でもハッキリと思い出せるほど、特に海苔が旨くて!能登、何食べても美味かった!御馳走さまでした!

「あべ」阿部酒造(新潟県)

阿部酒造。右側が阿部杜氏。バイタリティ溢れる彼にたくさんの刺激をもらいました。

1988年生まれの阿部くん。ペーペーだった私もいつしか年数を重ね、年下の蔵元さんを取材する機会が出てきました。
彼とはじめて会ったのは、伊勢丹浦和の「一献展」でした。蔵に戻ってまだ1,2年目の頃で「なんとかまずは100石を超えたいんです」と言っていて、100石?!!と驚いたことをよく覚えています。阿部くんの語り口を聞いて、彼もまた(或いは私なんか比べ物にならないほどの)濃密な年月を過ごしてきたのだ、と実感しました。今までの歴史がそうであったように、新しい価値観と考え方を持って同世代の若者たちと日本酒とを近づける蔵元が次々出てきます。なかでもこの阿部酒造は、既成概念に捉われない自由な感覚で「いやぁ~、こりゃあ痛快だねぇ!」と感じた取材でした。

Kitchen105 阿部酒造紹介(新潟県)

市外、県外からココを目当てに来るお客様がいる、というのがわかるほど、本当にオシャレで、本当に居心地よくて、素敵なお店でした。オーナーさんは阿部くんのちょっと上だけど、大体同世代。スタッフ同士の世代もみんな同じくらいで、視点を高く持ち、付加価値をつけることで柏崎に人を呼び込む仕組みづくりを考える点も同じ。意気投合するのも納得。さらにキッチンには、元阿部酒造の蔵人だったスタッフもいるとのこと。いつか遊びに食べに行きたいな~。


取材にご協力くださった皆さま、出版元の方々、制作に関わる皆さま、本当にありがとうございました。


【こちらも併せて】今までの掲載記事について、執筆時の余談を書きました。


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