関ともみ / 日本酒のひと

【日本酒ライター/コラムニスト/インフルエンサー/きき酒師/シードルマスター/山陽盃酒…

関ともみ / 日本酒のひと

【日本酒ライター/コラムニスト/インフルエンサー/きき酒師/シードルマスター/山陽盃酒造の広報】半分酒蔵のひとで半分ライター。雑誌やWEB媒体で執筆しています。お仕事の依頼はこちらから▶︎ https://www.instagram.com/tomomi0119seki/

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  • 37.4°-世界は物語で出来ている【since2024】

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    プロアマライターたちの記事まとめ【Amazonベストセラー1位獲得作家監修】

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神亀酒造センムとの出会い【友美の日本酒コラム002】おとついからの二日酔い

「この業界に入ったからには彼(彼女)に会いたい」「一度でいいからお会いしてみたい」と言われる人たちがどの業界にもいると思う。石原裕次郎や松田優作みたいなスーパーマンのような伝説の人もいれば、高倉健のように人柄がよく愛されている人、イチローみたいに圧倒的な努力によってなにかを成し続ける人、ジャニス・ジョプリンとかジミヘンみたいに魂を燃やすというか、頑固と言えるほど信念を貫いた人…憧れの人にだっていろんなタイプがいる。 日本酒業界にもそんな人たちがいて、わたしは突然そのうちのひ

    • アメリカ・カリフォルニア州でつくられる地元で愛されるSAKE(日本酒)Sequoia sake(セコイヤサケ)

      「アメリカ・サンフランシスコの醸造所、Sequoia Sakeのテイスティング会をサケストリートで開催することになりました。酒米の生育から本格的なサケ造りに取り組むご夫婦(ジェイクさん、紀子さん)がいらっしゃいます。 国内の日本酒関係者に声をかけています。関さん来ませんか? 」と、サケストリート二戸さんから連絡をもらいました。 そりゃあぜひぜひ、とふたつ返事で、日本酒ジャーナリストの木村咲貴さんと、サケストリート二戸さんが企画した「Sequoia sake(セコイヤサケ)テ

      • 「奥能登の酒蔵復興への願い」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ4月号)

        2024年1月1日に能登半島地震が発生しました。被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。 石川県の輪島や珠洲(すず)など奥能登3市町にある日本酒の酒蔵全11社も大きな被害を受けました。古くから酒造りに秀でた「能登(のと)杜氏(とうじ)」の故郷であり、銘醸地である能登には、国内外に出荷している銘柄もあれば、主に地元で人気の銘柄もあります。 建物が全壊したところも多く、今季の酒の仕込みを断念するところが相次いでいます。苦しい現状ではありますが、各蔵元の再起への想

        • 「革新を続ける者のみ“伝統”として残り続ける」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ3月号)

          昨年、国内第2位の売上高を誇る酒造メーカー「月桂冠」の頭脳ともいえる、「月桂冠総合研究所」がはじめて公開され、行ってきました。呼ばれたのはわたしのようなライターや酒類関係の有識者たちばかり。 月桂冠は、酒どころ、京都・伏見に本社を置く1637年創業の老舗。今年で387年を数えます。明治時代に、11代目の当主・大倉恒吉(つねきち)さんが「杜氏の勘と経験任せでなく科学技術を取り入れて、より安心な酒をつくるべき」と痛感して、前身となる大倉酒造研究所を設置しました。 現在の従業員

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        神亀酒造センムとの出会い【友美の日本酒コラム002】おとついからの二日酔い

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        • 37.4°-世界は物語で出来ている【since2024】
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          山田錦のやさしい味わいで何個でも食べられる!米粉菓子の店・にちこれペストリー(兵庫県宍粟市)

          わたしはフリーランスで日本酒ライターをしながら、兵庫県宍粟(しそう)市にある山陽盃酒造のスタッフとして働いています。だから東京と宍粟(しそう)市との二拠点生活をしています。こんな生活がかれこれ5年以上。経緯は別のnoteでまとめていますので、そちらをご覧ください。 宍粟で暮らすことを決めた時、不便を感じたのはまとまった地域情報がなかったこと。観光協会の情報だけでは距離感もわからない。同じような興味関心がある人の信頼できる情報が欲しい!と。 時を経て、今では宍粟を訪ねてくれ

          山田錦のやさしい味わいで何個でも食べられる!米粉菓子の店・にちこれペストリー(兵庫県宍粟市)

          「兵庫県は、日本最大の酒どころです。」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ2月号)

          「兵庫県って酒どころなんですか?」  昨秋おこなわれた飲み歩きイベントで、兵庫県・播州一献の法被を着て接客していたわたしはお客様から問われました。「灘って聞いたことありませんか?」と聞き返しても、首をかしげます。なんてこった!  兵庫県は日本一の清酒生産量を誇ります。たとえば2023年8月の都道府県別・清酒課税移出量(≒日本酒の出荷量)を見てみると、24,572.9㎘のうち、第1位は兵庫県で全体の24%を占めています。第2位は京都府、第3位は新潟県と続きます(醸界タイムスよ

          「兵庫県は、日本最大の酒どころです。」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ2月号)

          【参加レポート】「こびとらんる~じゅ地酒電車」路面電車で広島の日本酒と広島のおつまみを楽しむ会

          2024年2月3日(土)、飲食店・味比べ味探しのお店 こびと(広島県広島市)と㈱RCC文化センターの共催で、路面電車で日本酒を楽しむイベント「こびとらんる~じゅ地酒電車」が開催されました。 広島を代表する2つの酒蔵の蔵元さん(藤井酒造(龍勢)と盛川酒造(白鴻))が同乗し、全5種類の日本酒と広島県産特製おつまみが提供されました。 唎酒師(ききざけし)であり、日本酒ライターのわたし関友美も特別ゲストとしてみなさんと一緒に楽しんできたので、その様子をお届けします☺ イベント概

          【参加レポート】「こびとらんる~じゅ地酒電車」路面電車で広島の日本酒と広島のおつまみを楽しむ会

          「女性による初の品評会「美酒コンクール」」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ1月号)

           昨年10月、「第1回Japan Wowen‘s SAKE Award ~美酒コンクール2023~」の表彰式が開催されました。フェリミナーズ世界ワインコンクールの日本酒版ともいえるこの品評会。酒類資格を保有する十分にテイスティング能力のあると認められた女性が厳正に審査を行う、日本国内初のコンクールです。今回は女性81名によって審査がおこなれました。光栄なことにわたしも審査員として、ブラインド審査にあたったのでその時の回想をしましょう。 特定名称ではなく「スパークリング部門」

          「女性による初の品評会「美酒コンクール」」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ1月号)

          青森県のイタコを追った写真展//フォトレツ『Grandma Comes Back』に行って。

          フォトレツ 作品展『Grandma Comes Back』 2023年12月8日(金)~12月25日(月) 11:00~19:00 青森県八戸のフォトレツさんこと中村烈さんから、「銀座ソニーイメージングギャラリーで個展をやるから、よかったら来てください」とご連絡をいただき、「それはすごい!銀座のど真ん中で個展?!絶対いく行く!」と決め、煮詰まって何日か書斎の椅子で寝落ちしたくらい辛かった大作の原稿を頑張って終わらせました。 フォトレツさんとは今夏おこなわれた陸奥八仙の夏祭り

          青森県のイタコを追った写真展//フォトレツ『Grandma Comes Back』に行って。

          日本酒専門誌「酒蔵萬流」2023年秋号 第38号 表現の旅(10月20日発行)

          日本酒専門誌「酒蔵萬流」2023年秋号 第38号、醸造用精米機メーカーの新中野工業さんから出版されました。 ▪2023年秋号 38号 『表現の旅』 ●油長酒造(奈良県) ●曙酒造(福島県) ●西野金陵(香川県) ●山梨銘醸(山梨県) ●伴野酒造(長野県) ●亀萬酒造(熊本県) ●神沢川酒造場(静岡県) 今回わたしは「酒蔵紀行」コーナーで #正雪 #神沢川酒造場 (静岡県)を担当しました。 「正雪」をつくる酒蔵が、あんなに海を目の前して造っているとは知りませんでした🐟 す

          日本酒専門誌「酒蔵萬流」2023年秋号 第38号 表現の旅(10月20日発行)

          「備前焼のルーツといわれる寒風須恵器」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ12月号)

           全国には波佐見焼、九谷焼、有田焼、益子焼などさまざまな焼き物があります。日本酒好きのなかには、酒器にこだわる好事家も一定数いて、語られることも多く、若い時には「へぇ」と右から左へ聞き流していたのですが。ブラタモリの番組内でタモリさんが「花鳥風月の次は、石」と言っていたように、年をとると、段々と動かないものに興味が移ってくるんですね。 各地の特色を持つ焼き物が確立する以前に作られていた、「須恵器(すえき)」を知っていますか?須恵器は、西暦400年頃(古墳時代中期)から平安時

          「備前焼のルーツといわれる寒風須恵器」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ12月号)

          「メキシコから日本酒への情熱:NAMIの挑戦」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ11月号)

          現在、北米には31の酒蔵があります。中南米には4と少し(建設中の蔵を含む)あるそうです。その内の26蔵が加盟している「北米酒造同業組合(SBANA)」がこの夏、新潟県での酒造研修を実施しました。 研修にあわせて来日したメキシコ人ふたりを車で案内する機会に恵まれ、丸2日行動をともにしました。現地で「NAMI」というSAKEをつくるSakecul社の杜氏・エルネストさんと、蔵人であり酒米育成責任者のルイスさんです。  Sakecul社は、メキシコの北西部、シナロア州の州都クリア

          「メキシコから日本酒への情熱:NAMIの挑戦」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ11月号)

          「4年ぶりに開催!世界最大級の日本酒コンペティション『SAKE COMPETITION』」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ10月号)

          去る6月にザ・ペニンシュラ東京でおこなわれた世界最大級の日本酒コンペティション『SAKE COMPETITION(サケコンペティション)2023』の審査会と表彰式と、それぞれ取材で行ってきました。 サケコンペティションは東京の酒販店が中心となって企画され、サッカー元日本代表の中田英寿氏らが携わり「ブランドによらず消費者が本当においしい日本酒にもっと巡りあえるよう、新しい基準を示したい」という理念のもと2012年からスタートした日本酒の品評会。市販酒のみが対象で、審査は銘柄を

          「4年ぶりに開催!世界最大級の日本酒コンペティション『SAKE COMPETITION』」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ10月号)

          「『クラフトサケ』という新ジャンルの現在」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ9月号)

           いまなにかと話題になっている『クラフトサケ』という新ジャンルのお酒。小規模な製造所がつくるクラフトビールやクラフトジンなどが流行し、その流れで注目を集めています。また新規立ち上げをする事業者が20代や30代など若いケースも多いことから、同じ世代の消費者に「僕たちのお酒」という意識が生まれ、心をつかんでいるようです。 サケと言っても、厳密にいうと日本酒ではありません。酒税法上で日本酒(清酒)とは、『米、米こうじ、水を原料として発酵させてこしたもの』のことを指します。さらにア

          「『クラフトサケ』という新ジャンルの現在」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ9月号)

          日本酒専門誌「酒蔵萬流」2023年夏号 第37号 揺るがぬ覚悟(7月20日発行)

          日本酒専門誌『酒蔵萬流』2023年夏号 第37号が、醸造用精米機メーカーの新中野工業さんから出版されました。 ●高嶋酒造 ●簸上清酒 ●小林酒造 ●小西酒造 ●久家本店 ●常山酒造 ●両関酒造 今回わたしは「酒蔵紀行」コーナーで「常山」の常山酒造 (福井県)を取材担当しました。 「常山」常山酒造 (福井県)わたしと同い年の常山晋平くん。父を19の時に亡くし、酒蔵の経営は母が中継ぎをし、晋平くんの帰りを待ちました。大関の東京営業所で営業をしていたという彼は、東日本大震災の

          日本酒専門誌「酒蔵萬流」2023年夏号 第37号 揺るがぬ覚悟(7月20日発行)

          「天にも昇る感動を覚える“ベストペアリング”が探る」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ8月号)

           先日「味の素」が運営する「グーグーテーブル」というD2Cサイトに取材していただき、「夏にオススメのおつまみと日本酒」というテーマで日本酒ペアリングをご紹介して、日本酒の基礎についてお話しさせていただきました。このコラムが公開される頃には、ネットにアップされていると思いますので、ぜひご覧ください。 取材当日、酒3本と大量の酒器を背負って中目黒のスタジオに行ってみると、味の素の担当者さん、広告代理店さん2人、制作会社さん、ライターさん、カメラマンさんという大所帯。賑やかな現場

          「天にも昇る感動を覚える“ベストペアリング”が探る」関友美の日本酒連載コラム(リカーズ8月号)