「美味しそうだね」

LINEで送ったシチューの写真を見て、彼はそう返事を返してきた。

野菜たっぷりのシチューにしたの。今年は野菜が安いしね。こんな時期だから野菜で免疫力アップよ。

「うんうん」
「君のつくるシチューが食べたいな。外は寒いし雪が積もってきているよ」

私はじっとスマホを見つめた。嬉しいような気もする。でも、私のシチューを貴方の胃には入れたくない。貴方は、貴方を待つ人の温かい料理を食べるべきだろう。
当たり前のようにそんな文字を打つ貴方は、残酷な人だ。相手を傷つけている事などきっと分からない。気持ちが薄まっていく。

ほんとに寒いね。早く帰って奥様にシチューを作ってもらえばいいよ。風邪を引かないようにね。

「そうだね。そうするよ」

そう。それでいい。