邦画界を支えるイケメン俳優たちの世代交代

日本映画を支えるイケメン俳優たちの世代交代

先日、作家・平野啓一郎原作の『ある男』を松竹映画にて映画化を発表した。
企画段階から世界三大映画祭へ殴り込みに行くつもりで始まった映画制作だという。それも個人ではなく、松竹映画からの発表だけに期待は高まるばかりだ。

主演は、妻夫木聡さん。彼が一躍注目を浴びたのが『ウォーターボーイズ』。
公開当時、ほぼ無名状態だった彼は、まだ二十歳の青年だった。
他にもまだ無名だった玉木宏さんの出演もあったが、題材の「男子高校生によるシンクロナイズドスイミング」が話題を呼び、ロング上映となった。
後に連続ドラマ化もされ、シリーズ化となる。

当時は、イケメン俳優として人気を博したが、今や実力派の俳優としての地位を確立し、主演のみならず脇役にも徹している。
そして、かつてイケメン俳優と呼ばれた俳優たちも彼と同じくして成長を遂げている。


10年程前まで主演だった若手人気俳優は、どこへ!?

10年ほど前までドラマ・映画ともに主演を張ってきた所謂、小栗世代、山田世代と呼ばれている35歳~45歳ぐらいまでの俳優は、優れた日本映画で脇を固める役者へと成長している。
『キャラクター』の小栗旬さん、『何者』の山田孝之さん、『億男』の藤原竜也さん、『64』の永山瑛太さん、『ブレイブ 群青戦記』の松山ケンイチさん など

今、最も日本映画界を支えている若手の30歳代の主演俳優・松坂桃李さん、綾野剛さん、佐藤健さん、窪田正孝さん、岡田将生さん、高良健吾さん、林遣都さん、柳楽優弥さんらも、これからは脇役に徹し始めるだろう。

そして、20代を代表するイケメン俳優たちのこれから

勿論、デビュー仕立てのイケメン俳優の部類は所属事務所のプッシュと比例し、実力もない。イケメンと言うキャッチ―さだけで知名度を上げ、最新情報に敏感な中高生(ティーン層)を対象とする事もあり、作品を選ぶほどの地位でもなければ、キャスティングで選ばれることもなく、オーディションで役を勝ち取るしかない。

そんな若手俳優の実情もあるが、登竜門とも呼ばれている朝ドラへの出演などで、全世代に知名度を上げ、テレビから演劇へとステージを移し、実力が伴ってくれば、“イケメン“という言葉も殻を破り、優れた映画作品にも恵まれてくるだろう。

その代表例とも言っていい。

若手俳優の登竜門の一つ・特撮(仮面ライダー、戦隊シリーズ)への出演後、キラキラムービーへの出演の道もあったが、『共食い』で抜擢され、主演した菅田将暉さんの影響が強かったに違いない。

菅田さんを筆頭に、作家性ある優れた日本映画に次々と主演級で出演し始める『新聞記者』の松坂桃李さんをはじめ、『劇場』の山崎賢人さん、『青くて痛くて脆い』の吉沢亮さん、『君の瞳が問いかけている』の横浜流星さん、『劇団☆新感線』への出演で活躍の場を舞台へと移して演技力を磨く福士蒼汰さん、『寝ても覚めても』の東出昌大さんほか。


彼らは、数年前まで、キラキララブストーリー・キラキラ青春学園ムービーもの、所謂、少女漫画の原作映画化で主演を張ってきた俳優たちだ。
今や堂々と日本アカデミー賞にノミネートや受賞するほか、国内外からも評価の高い作品への出演が絶えない。

若手バイプレイヤーの相次ぐ出現!!

キラキラムービーは需要もあり、生産され続ける中、若手イケメン俳優ながら主演ではなく、脇を固める実力のある俳優が、作家性の強い優れた日本映画へ相次いで出演し、活躍の場を広げている。
主演俳優としても活躍する中村倫也さんをはじめ、若手俳優の一人・村上虹郎さんは、現在公開中の『孤狼の血 LEVEL2』でチンタこと近田幸太役を熱演し、豪華キャストの中、誰よりもおいしい役どころを掴んでいる。
現在、人気俳優として成長した仲野太賀さん、成田凌さん、山田裕貴さん、磯村勇斗さん、間宮祥太朗さんのほか
日本映画に主に活躍の場を持つ実力と共に若手の名脇役・主演の代表じゃないだろうか、池松壮亮さん、染谷将太さん、岡山天音さん、若葉竜也さん ほか。
これから楽しみな期待の俳優さんに、坂東龍汰さん、前田旺志郎さん、高杉真宙さん、金子大地さん ほか。

バイプレーヤーの名手が遅咲き主演俳優として大活躍!!


遅咲きながら脇役として実力が認められ、今や主演俳優として大活躍する田中圭さんや鈴木亮平さん、高橋一生さん、斎藤工さんは、所謂、小栗さんや山田さん世代であろう。
彼らの世代だけではない。
現在のグルメドラマの先駆けともなったドラマ『孤独のグルメ』で主演を果たしている松重豊さん。
名脇役として活躍してきた俳優たちが、遅咲き主演を張って一躍する事もある昨今の時代。
その時代を築き上げたのが、大沢たかおさんと堺雅人さんだろう。
2009年放送の大ヒットドラマ日曜劇場『JIN仁』で主演の大沢たかお、翌年に放送された連続ドラマ『ジョーカー 許されざる捜査官』(2010年)で主演した堺雅人。その後は日曜劇場『半沢直樹』への主演を機に主演俳優としての道を辿り始める事になる。

まとめ

モデル界、テレビドラマ界、映画界、演劇界から生まれてきた俳優さんをご紹介してきました。

先日、トーク番組に出演していた某イケメン俳優が「イケメン俳優」と紹介される事を嫌がっていたが、実力を伴い、優れた作品に出合えば、“イケメン”という言葉は殻を破ることだろう。
かつては、小栗旬さんもイケメン俳優と紹介されることに嫌がっていた時期がある。

カリスマ的存在となった小栗・山田世代、菅田世代の次に来る俳優は誰なのか。

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