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【マッチレビュー】2024J1第13節 名古屋グランパスvsガンバ大阪

〈システム〉
 ガンバ大阪のフォーメーションは4-2-3-1。大阪ダービーとなった前節のセレッソ大阪戦とほぼ同じメンバーがスタメンに入っており、変更があったのは右のサイドハーフの1枚だけでウェルトンに代わって岸本が先発した。一方の名古屋グランパスは3-4-2-1のシステムで試合に臨んだ。

〈前半の展望〉
 名古屋はワントップにパトリックが入っているのでシンプルにパトリックをターゲットにして攻撃をかけていく形が多かった。後ろからの起点となるロングボールやウイングバックが幅を取ってサイドからクロスを上げるときにはパトリックを狙ってボールを送り、その高さと強さを活かそうという意図が見えた。ただガンバもそう簡単にはパトリックをフリーにはさせずセンターバックの二人がクロスに対して身体を寄せて自由に跳ばせなかったり楔のボールにもしっかりと付いていき対応したりと名古屋の攻撃を上手く封じた。
 名古屋の攻撃をシャットアウトできているので、必然的にガンバがボールを持つ時間は長かった。坂本がビルドアップの逃げ道となりボールを収めてくれるので組み立ては大分スムーズに行えることができており、パスコースが無く後ろで詰まってしまうというような状況にはならなかった。しかし、名古屋は守備のときには5バックとなって守りを固めており一つ抜けてもカバーに入られてなかなか攻めきれない形になっていた。相手陣内に入っても名古屋がブロックを組む時間の方が早いのでガンバは攻撃に人数をかけ切れておらず作り直すシーンが度々あった。
 ボールを持ちながらも効果的な攻撃は繰り出せていない中で徐々に形を作れる場面が出てくるようになる。34分に、センターバックの福岡がドリブルで敵陣内にまでボールを運んでいき倉田が近くでボールを受ける態勢を取っている中で大外から黒川が背後に抜け出して名古屋陣地の奥深くまで侵入することができた。続く35分には右サイドでの岸本、鈴木、半田の3人の連携で半田がタイミングよく裏に抜け出して名古屋の守備を突破し折り返しにダワンが合わせるも枠を捉えることは出来なかった。この時間までで最も良い崩しを見せることができたものの、ゴールを奪えるところまでには至らずスコアレスで前半を終える。

〈後半の展望〉
 後半に入って立ち上がりの早い時間帯でガンバは良い連携を見せる。倉田が下がってスペースでボールを受けると、そこから左サイドに人数を集めてパスを繋いでいきセンターサークル付近で宇佐美がパスを貰う。その間に右サイドバックの半田が中に入っていたことでサイドが空き右サイドでフリーで走りこんでいる岸本のところにボールが渡りダイレクトでの中への折り返しに半田が飛び込むも僅かに合わなかった。ただ、サイドバックの動きからガンバはチャンスを作れるようになってきていた。攻撃に関しては半田は本来のサイドバックのポジションにそこまで囚われることなく中央に入ってきて更には内から抜け出しを図るなど自由なポジションを取っているので比較的フリーになれるシーンが多かった。
 良いところまで持っていくことが出来てきた中で迎えた67分、ペナルティエリア付近に空いたライン間で宇佐美がボールを受けてシュートを狙いに行ったところを相手のディフェンスと交錯してボールが流れる。これがエリア内に流れてフリーとなっていた坂本がワンタッチでシュートを放ち、ここはゴールキーパーに阻まれるもこぼれ球を岸本が押し込んでガンバが先制点を挙げる。岸本の移籍後初ゴールでボールを支配していたガンバが先にリードを奪う。
 これまで名古屋の攻撃を抑えきれていたガンバだが同点に追いつこうとする名古屋の反撃にあう。76分、センターバックが高い位置でボールを受けることで攻撃に人数をかけてフリーの選手を作られエリア内でシュートを打たれるも鈴木の身体を張ったディフェンスで難を逃れる。このまま攻め込まれる状況を作らせないようにガンバは両サイドのウイングを変えてフレッシュな選手を投入しカウンター攻撃で追加点を取りに行く姿勢を見せる。2列目の両翼を変えたことでボールを奪ったとき交代で入った食野と山下は前に出ていき名古屋陣地にボールを持って行って安全な場所で時間を作れるようになり常に押し込まれる状況にはならなかった。最終盤には5バックに変更して守備を固めて名古屋の攻撃を抑え込み1-0とガンバが勝利した。

〈まとめ〉
 試合全体を通してガンバの方がボールを保持する時間を作ることができていたが崩し切れていないので、より攻撃の質を上げていければゴールシーンも増えてくるだろう。守備については安定しているのでこれを継続してほしい。次も勝利を期待している。

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