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訪問医療マッサージ集客の極意ー営業種類を理解せよ!そして活用せよ!

営業の種類

前述した2種類のアプローチのためにどのような営業方法を実施するのか、ということがここでお伝えする内容となります。新規開拓アプローチについてはわかった。既存顧客アプローチもよくわかった。では、「それをどのように実行すればいいのか」というのが悩みどころだと思います。どう実行するかの前に、実行の方法をご紹介したいと思います。営業の種類は全部で9種類です。この営業の方法を相手の業種、職種、年齢層、パーソナリティー、タイミングに合わせて使いこなす必要があります。

①反響営業

店舗やオフィス、ホームページや看板、インターネット広告などを活用して、不特定多数の顧客の目に触れることで興味・関心のある顧客自ら問い合わせをするように仕向けるものです。店舗やオフィスの位置が人の目に入りやすい立地が一等地として位置付けられていますよね。皆さんが家を賃貸するときに仲介に入る不動産賃貸会社が比較的駅前にあるのはそのためです。インターネット広告で反響のあったお客様が、道に迷って他社に行ってしまったりしないような立地条件が重要なのです。

ホームページも反響営業にとっては重要なツールとなります。ホームページは現実世界ではなく、インターネットの住所となっています。人の目に触れやすい一等地である検索サイトのトップに出てくるように工夫することをSEO対策といいます。これとは別に、広告費用を払って検索ページの上部に掲載してもらうこともできますが、費用負担が大きくなってしまいます。私たちが今からネットの中の一等地を獲得しようとするのは少し無謀な気がしますので、ダイレクトに検索してもらうために他の戦略を検討する必要がありますが、なぜだが多くの方は高いコストを費やして資金力のある大手企業に張り合っている気がします。ホームページの内容は顧客が検索した際に「しっかりしている会社だな」という安心感を与えるために作成しておく程度でOKです。また日本全国の訪問医療マッサージで勝負するのではなく、地域に根付いた訪問マッサージ事業所ということで勝負することをお勧めいたします。

②訪問営業

訪問営業は、顧客の存在する場所へ訪問し、そこで商品やサービスを利用・購入、またはニーズを調査するという目的があります。方法としてはアポイントありとアポイントなしの訪問があります。アポイントを取得するかどうかは、これもまた業種や業態、相手の立場に合わせる必要があります。

訪問営業には100件訪問して1件当たるかどうかという宝くじ感覚で行うものと、時間をかけて顔の見える信頼関係を構築していく方法の2種類があります。私たちがめざすのは後者です。車や飲料水の販売とは違いますからその場で購入してもらえるようにとにかく訪問すればいいという話ではありません。とにかく毎日20件行けばいいという話でもないのです。顔の見える関係を意識しながら徐々に信頼関係を構築していくことを考えれば、1訪問あたり1分以内で終わる会話など意味がありません。

もちろん営業側の能力が高ければ1分で相手との心理的距離を縮められることもあります。しかし、それには経験と日々学ぶという努力を継続しなければなりません。大量に訪問すればいいという考えでは、何も考えていない無駄な行為となります。

まずやっていただきたいのは、自分たちの「営業」はどの段階なのか見極めることです。それは、営業を担当する人材にもよって変わってきます。経営者は自社の社員の経験や実際の仕事ぶりを総合的に判断して、社員の能力を見極める必要があります。その上でしっかりと訪問戦略を練りましょう。

③DM営業

ダイレクトメール営業とは、直接(ダイレクト)に顧客や顧客を紹介してもらえるだろう相手に、商品やサービスの情報を記載したチラシを紙媒体や電子媒体として送ることです。紙媒体は郵送し、電子媒体は相手のメールアドレスに送信します。DM営業は何といっても手軽であり、宛先や名前があれば相手の手もとに届くため準備ができていれば、1日に1,000件や10,000件の営業も可能となります。

さて、ここで後述する「④手紙営業」や「⑦メール営業」との違いを、お伝えしなければなりません。「DM営業」とこれらとの違いは一斉送信型か否かということです。「DM営業」は、同じ内容を「宛名だけ」差し替えて送信しますが、「手紙営業」や「メール営業」は、相手に合わせたより丁寧な方法となっています。開封率を高くするためにより試行錯誤したものであり、DM営業よりも、時間がかかるものを「手紙営業」「メール営業」と呼んでいます。

④手紙営業

「⑤DM営業」でもご紹介した「手紙営業」は、この介護や医療業界では特にお勧めの営業手法です。電子メールとの違いは、準備に時間がかかるということです。ここでは、私なりの方法をご紹介します。封筒は会社専用かなければカラー封筒を使用します。そして名前と住所は手書きです。ここに大きく時間が取られてしまいますが、手書きにする理由は想いを込めることで、先方の開封率が断然に上がるからです。

中身にも工夫が必要です。ただのご案内ではなく、相手との関係性によっては一筆箋をつけたり、名刺に一言コメントを書いたりします。訪問医療マッサージであれば、「無料券」を添えてもいいでしょう。「無料券」を添えることに対して、違和感を覚える方もいるかもしれません。「訪問医療マッサージ業界では、無料でのお試しはあたり前では?」と。しかしだからこそ特別感の演出に、言葉ではなく形あるものに具現化することで、相手の記憶に強い印象を植え付けることができるのです。もちろん、これがどこでも誰にでも通用するとは限りませんが、工夫が必要だということです。

⑤FAX営業

これほど手軽なものは、ないかもしれせん。準備といっても、FAX番号のリストをそろえて送信する内容を作成するだけで簡単にできます。そしてなんといってもコストが安いです。自社のFAX機から相手に送る場合、送っている最中は受信ができなくなるなどの不都合もあります。しかし、今はFAX代行会社もあります。1件あたり5円から10円のコストで、送る時間も予約ができるのです。ITが進化する時代ですが、まだまだ古き良き時代のなごりの多い介護・医療業界にはむしろ、メールや小難しく感じるSNSを活用するよりも、慣れ親しまれています。なんと開封率は100%! そして私の実感値ですが200件に1件は反応があります。送る内容によっては反応率も上がり、問い合わせ数も増加します。注意する点は、こちらがカラーで作成したものを送信しても、相手には白黒で届くということです。いつも配布している営業チラシをそのまま代用するのではなく、FAX用に加工したチラシを作成する必要があります。

⑥セミナー営業

訪問医療マッサージではあまり活用する場面はないかもしれませんが、営業方法の一つとしてご紹介します。「セミナー営業」には二つの目的があります。一つは、セミナー自体を商品として売り上げを上げること。こういったセミナーには、数千円から数万円という値段がついているものです。

もう一つはセミナーに参加した人に対して、バックエンド商品を販売して売り上げを上げることです。これには、「単価の高い商品やサービスを販売することを目的としたセミナー」と、「知名度を上げることが主目的で、販売するのは単価の安い商品やサービスのセミナー」の2種類があります。SNSの広告等で見たことがある人もいるかもしれませんが、最近は本当に無料セミナーが多いです。信頼できるかどうかはさておき、無料に勝るものはありません。無料のセミナーで多くの参加者を集め、その中で自分たちが本当に売りたい商品やサービスの宣伝をするのです。

例えば、本当に販売したい商品やサービスの単価が10万円だとします。無料セミナーの参加者100人の中で2人でも購入すれば20万円の売り上げです。無料セミナー2時間で20万円売り上げだとしたら、悪くない営業方法です。無料セミナーの欠点は、その信憑性です。内容と話し手に「どれだけの信頼性があるか」ということです。無料はどんな価格よりも安く、誰でも飛びつく最高のPRではありますが、昨今、無料セミナーは多く出回っており、ネット広告と合わせても価値の低いものになりつつあります。
 大手ハンバーガーショップが、100円コーヒーや無料コーヒーをフロント商品として販売することで、本当に売りたい「単価が高いハンバーガー」が相乗効果で売れるのは、大手企業の信頼性があるからです。急に知らない人間から、「無料でサービスを提供します」といわれたら怖いのと同じで、無料が最大限の効果を発揮するのはある程度の知名度があり、信頼度が高いときなのです。

⑦メール営業

「メール営業」は「手紙営業」より手間がかからず、かつメールを常に開く習慣のある人へのアプローチとしてはいい方法だと思います。メール営業においてのポイントは、「手紙営業」と同じで工夫次第で高い開封率を得られるということです。まず前段階として、メールアドレスの入手が必要です。居宅介護支援事業所のメールアドレスであれば、インターネットで検索すればわかる可能性があります。また病院のメールアドレスも、総合お問い合わせ用や地域連携室用のものが病院のホームページから入手ができるはずです。
 このメールアドレスの入手には、かなり手間と時間がかかるにもかかわらず、総合お問い合わせ用のメールアドレスなどは、返信率が低いのが難点です。これらのメールアドレスの管理は、営業リストに、「メールアドレス」の項目を追加し入力しておけばいいでしょう。

メールの開封率を上げるには、件名の工夫が必要です。一度でも担当者と会っているのであれば、「件名:〇〇 様 10月25日にお会いした×××の塚本です。先日はありがとうございました」などと、具体的な相手の名前を入れておき会った日時とお礼をいれることで開封されやすくなります。よくある「メールマガジン」だと、思われないようにしなければなりませんが「あなたのために作成したメールですよ」というのが伝わる内容がいいのです。

メール営業の利点の一つに、資料がきれいに添付され見返すことができるということがあります。事前に相手が「メールをよく利用する人がどうか」を、リサーチしておくとよいと思います。私の経験から、居宅介護支援事業所のケアマネジャーはメールをあまり見ない、またはメールアドレスがない方がほとんどです。ただし、地域包括支援センターや病院の地域連携室であれば比較的、開封率は高いと思われます。何よりも心のこもったメール内容を作成すると、それは相手の心にも響くと思います。手間暇をかけて作ってもらった愛情のこもった料理はおいしいですよね。そういうものなのです。

⑧電話営業

これは、「テレフォンアポイントメント」といわれる手法です。「電話で成約や購入まで結びつける」アプローチと「商品やサービスの説明をする時間を別の日程でつくってくれませんか」というアプローチがあります。多くの人が誤解しているのですが、テレアポの目的は、本来は後者です。「電話営業」でサービスや商品が購入に至る商材は、実は限られています。それは、「生活必需品」であり、かつ「安価」で「購入する側にとってリスクが低い」ものです。この三拍子がそろってなければ、電話で契約が成立するというのは難しいです。

もちろん営業側の話し方やコミュニケーションの取り方次第では、可能かもしれません。「電話営業」は、基本的に相手の時間を奪う行為です。この訪問医療マッサージの業界では、相手との信頼関係の度合いによって電話営業は成立します。
 訪問医療マッサージは、ケアマネジャーにサービスを利用してもらうわけではないので「患者さんを紹介いただけるような内容」が必要となります。電話営業は一方的に売りつけるようなイメージがあるのですが、そうでなく、ケアマネジャーにとって有益である情報を届けるという意識が重要です。

例えばすでに連携実績があれば、患者さんについての生活の様子や変化などの情報を届けることがいいでしょう。また自社で新しく始めたサービスについて知ってもらいたければ、有益な情報と合わせて届けることもいいと思います。とにかく一方通行な営業にならないようにしなければなりませんし、相手には営業電話であると悟られてはいけません。
 電話営業を成功させるのは、対面で営業するよりも高い技術が求められます。顔の見えない相手に、顔が見えているかのような雰囲気を与え、声による表現のみで契約取得やアポイント取得をするのです。「入口トーク」から「電話を切るまで」の一連の流れに関しても、ストーリー性をもってある程度整えておく必要があります。誰でもできそうでいて、意外と難しい「電話営業」ですが、ぜひ試してください。

⑨紹介営業

介護業界で営業方法というと、やはりこの「紹介営業」ではないでしょうか。訪問医療マッサージと居宅介護支援事業所の連携とは、つまるところ「患者紹介」です。「紹介営業」とは、お互いの信頼のもとに自身のお客さんを相手に紹介するということです。
 私たち訪問医療マッサージ事業所が、何度も何度もケアマネ―ジャーに挨拶して、少しずつ関係構築ができれば、必要な患者さんを紹介してもらえるのも時間の問題です。しかし近年、訪問医療マッサージ事業所の数は増え続けています。また、他業種の参入が増加したことにより、ケアマネジャーへの営業が増えたことで警戒心が高まり、より新規患者獲得は困難となっています。

ケアマネジャーの立場からすれば、営業の数が多すぎるのです。なぜなら訪問医療マッサージ以外に、訪問看護、訪問介護、訪問リハビリ、福祉用具、訪問診療、訪問歯科など在宅におけるサービスのすべてが営業しているわけですから、対応するのも一苦労です。そこで重要なのが「信頼関係」です。ケアマネジャーと信頼関係をつくっていくためには、他の会社と同じことをやっていてもだめなのです。

「訪問営業」は、まさに必要不可欠な正規ルートではあるので継続しなくてはなりませんが、そればかりでは目標期間内に新規患者を獲得するのは困難です。多くの会社では訪問することが目的になってしまっていますが、本質は違います。訪問することは、紹介してもらうための手段であり、目的ではないのです。

私のクライアントにも、「なぜ訪問するのか。なぜ一日に10件という数字なのか」という質問に、「それが決まっているから」というあいまいな答えしか返ってこないことがあります。訪問する理由と目的を改めて「言語化」しなければ、ただの訪問営業マシーンになってしまいます。なぜ患者さんを紹介してもらえるのか。少し考えてみれば、理由は明確です。ケアマネジャーが訪問医療マッサージの良さを理解してくれて、受け持ちの利用者さんの課題とマッチングさせてくれたからです。ケアマネジャーが、私たちのことを信用・信頼してくれたからです。「ケアマネジャーの訪問医療マッサージへの理解と知識が不可欠であり、かつ信用・信頼を重ねる必要がある。そのためにはやはり何度も直接会うことが一番効果的だろうと予測されるので訪問する」というザイアンスの法則(人は会う回数を重ねることで信用度がある程度まで上がる)の通りです。

経営者は、ここまでしっかりと言語化とロジックで部下に伝えることができているでしょうか。特にある程度経験を重ねた社員には、ただ命令や指示をするだけではなく、納得や理解を促すことが重要です。

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