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【基礎用語解説】モールディング

モールディング(封止)はワイヤボンディングが終了したICチップを樹脂などで封止・封入する工程」です。

ICチップは最小数nmと非常に微細であり、ワイヤーは非常に衝撃に弱い構造です。そこで、ICチップを物理的衝撃や汚染・水分による酸化から避けるための工程がモールディングです。

ICチップを樹脂等で固めることで外部要因からチップを守ります。

(出典:朝日新聞)

モールディングにも様々な種類が存在しますが大きく分けて「非気密封止」と「気密封止」に分類されます。

  • 気密封止
    ICチップを外部気体や液体から完全に隔離・密閉する封止。高信頼性だが高価。

  • 非気密封止
    ICチップをある程度外部気体・液体から隔離する封止。大気中の水分などを完璧に排除できないが、安価。

現在の半導体封止は主に、安価で生産性の高い「非気密封止」で実施されています。

非気密封止の中でも主に金型モールド法が最もよく用いられています。金型モールド法も金型モールド法はトランスファー方式コンプレッション方式に分類されます。

  • トランスファー方式
    モールディングの主流。溶融した樹脂をプランジャーで金型に圧送し、硬化し封止する方法。樹脂を射出するため、樹脂による流れ(樹脂流動)が発生します。

  • コンプレッション方式
    あらかじめ金型に樹脂を設置・溶融し、ICチップを浸した後に硬化することで封止する方法。樹脂流動が抑えられるため、チップやワイヤーボンディングへの影響を最小限にできます。

(出典:半導体工場のすべて)

これらの分類を図にまとめると以下のようになります。ここでは気密封止については説明を割愛しました。

(出典:半導体工場のすべて)

参考文献


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