遠くへ

ずっとずっと遠く、どこか、誰もいない場所へ行きたい。
己の生きる醜い姿も、見られる恐怖に負けないように繕った顔も、懲り懲りだ。
寝巻きみたいなだらしない格好でふらふらと、どこか遠くへ行きたい。
財布とスマホと充電器だけ持って。

手芸にハマってみたり、料理をしてみたり、他人に愛されてみたり、友達と遊んでみたり、家族に愛されてみたり、色々としたけれど、もう死にたい気持ちでいっぱいだ。
生きるのは疲れた。
疲れたと思うのも疲れた。
宇宙の果ての誰もいない空間にぷかぷか浮かんで死んでいたい。

なかったことになりたい。
私など生まれなかったことになりたい。

苦痛も悲しみもなかったことにしたい。
最初から私の人生などなかった。
それでいい。

楽に死ねる薬があるなら今すぐに飲みたい。
未来だの、希望だの、そんなものなくていい。
一喜一憂するのにもうんざりなのだ。
病んで病んで病んで、死にたい。
でも痛いのは嫌だ。苦しいのも。

もういい。
充分愛されたし楽しんだと思う。
22年でも充分だったと思う。
充分だったよ。




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