見出し画像

「セミVSすずめの鳴き声対決?」で思い出した”鳥語博士”鈴木俊貴氏の話

今朝は4:30くらいに暑くて目が覚めてしまい、そこからなかなか眠れずにいました。

熱中症対策のため、エアコンはタイマーにしてある程度の時間かけて寝るようにはしています。でもタイマーが切れるとあっという間に寝室は暑くなってしまいます(泣)。熱帯夜続きの今はやっぱりタイマーにしない方がいいのかどうか迷いますね。

換気の意味と風が少しでも入ってくることへの期待を込めて窓を開けたところ、うるさいくらいのセミの鳴き声が聴こえてきました。

しばらくするとセミの鳴き声がパタッと止んで、今度はすずめの”チュンチュン”という鳴き声がにぎやかに聴こえてきました。

眠れない頭の中でいつもの”厄介な妄想癖”が顔を出し、これはきっとすずめが、

「おいっ、セミども鳴き止め!今度は自分たちが鳴く番だぞ!」

とでも鳴き声で伝えたのかなー?なんてくだらないことを考え出したら、ますます気になってすっかり目が覚めてしまいました。

そして、先日テレビで観た”鳥語博士”鈴木俊貴氏の話が思い出されました。動物行動学者の鈴木氏は16年もの間軽井沢の森の中で「シジュウカラ」の鳴き声を研究し、世界で初めて「動物たちにも言葉がある」ということを科学的に証明したすごい方なんです!中学校の国語の教科書にも鈴木氏の論文が掲載されているそうです。

これまで科学者たちは単語や文章、文法などを操る力は人間にだけ備わっていると考えてきました。しかし鈴木氏は「シジュウカラ」という小鳥は鳴き声のパターンも他の鳥に比べると多く、それらを状況によって使い分けていることに気づいたそうなんです。

つまり、単語や文章を人間のように操ってコミュニケーションを取り合っているのではないかと!それを証明するチャレンジのために日夜研究し続けたわけなんですね。

その結果「シジュウカラ」は単語も、なんと文章や文法までも操っていることが判明したそうです。「生き物の言葉が分かる」なんてファンタジーの世界の話かと思っていたら、現実にあり得たという…人間の熱意って不可能を可能にする力があるんですね。

以下鈴木氏が研究した「シジュウカラ」が単語も文章も理解しているその例です。

(単語の例)
・巣箱で子育て中のメスが『チリリリリ(おなかがすいたよ)』と鳴くと、オスは『ツピー(そばにいるよ)』と答えて食べ物を持ってくる。

・天敵を指す言葉は、その対象ごとに『ヒーヒーヒー(タカ)』、『ピーツピ(カラス)』『ジャージャー(ヘビ)』と、ちゃんと使い分けられている。

(文章の例)
・『ピーツピ・ヂヂヂヂ』と聞こえる鳴き声。これは「シジュウカラ」がモズなどの天敵を追い払うための号令。『ピーツピ』は仲間に危険を伝える「警戒しろ」という意味で、『ヂヂヂヂ』は「集まれ」という意味。つまり「警戒しながら集まれ」という意味。
⇒この語順で聴かせると「シジュウカラ」はキョロキョロと警戒しながら天敵の周りに集結し、激しく威嚇。

・鳴き声の語順をひっくり返し『ヂヂヂヂ・ピーツピ』と聴かせると「シジュウカラ」は警戒することも、集まることもしなかった。
⇒「要するに彼らは、語順を理解して、鳴き声の意味を解読している。ただ単に『ピーツピ・ヂヂヂヂ』に反応しているのではなく、ちゃんと『ピーツピ(警戒しろ)』が先、『ヂヂヂヂ(集まれ)』が後だと、その2つを合成した行動を取ることが判明。

サイエンスZERO」HPより

「カラス」が頭がいいというのは有名な話ですが、鈴木氏の話によれば鳥はあの小さい頭の中に人間並みの頭脳を備えているそうです。まるで超優秀な性能を持ったコンピューターのCPU が搭載されているみたいですね。

実は今回のnoteを書くのにセミの鳴き声のこともネットで調べてみたら、セミの世界でも、

クマゼミとヒグラシには集合性があり、オス同士が協力し合って大きな声で『合唱』するようにして、メスを呼びます。進化していくなかでそのような習性を身に付けていったのでしょう。

ウェザーニュース」HPより

なんてことも書いてあって驚きました。セミも私たちが想像するよりはるかに頭脳を駆使していて、短い寿命ながらもこの世で上手に生きるための術を自然と身に付けているのかもしれません。

ちなみにすずめがセミに鳴き止むように伝えた話は私の単なる妄想であって、セミは種類によって”鳴く時間帯”も決まっているそうです。今朝もその後、今度はすずめが鳴き止んだ後にしばらくしてから別のセミが鳴き始めたのでした。生き物同士「あ・うんの呼吸」で、「すずめさんが鳴き疲れたら、今度は私たちセミが鳴く番だよ!」なんてやり取りを密かにしているのかもしれませんね(笑)。

そんなわけで、早朝から考え事をしてすっかり睡眠不足の今日です。でも窓を開けてセミや鳥の鳴き声に耳を傾けてみると″生き物の神秘の世界″にほんの少し触れられたようで、小学生の頃の「自由研究」を懐かしく思い出しました。

ChatGPTが出没してきて人間の能力がますますAIに取って代わられてしまうことが危惧されています。でも「オリジナルな発想力」は人間にしかないものだと思うので、まだまだ”人間捨てたものじゃない”とAIに抵抗してみたくなります。

ましてや、謎が解明され尽くしてはいないであろう″生き物の頭脳の可能性″は無限大のような気がしてきました。

鈴木氏の監修で『にんじゃシジュウカラのすけ』という絵本が今年発売されたそうです。子供たちがこの絵本を読んで、鳥以外の動物たちとも会話ができる日がいつか来るかもしれない!なんて”壮大な夢”の実現のために、新たな動物学の扉を開いてくれることを期待してしまいます。

長い文章最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?