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祝!ゴールデン進出!お仕事ドキュメントバラエティ番組『朝メシまで。』

深夜帯の番組の”ゴールデン進出”は、基本的にはめでたいお話ですよね。より幅広い年齢層の人たちに観てもらえるようになるであろうという意味で。

でも不思議なことに、深夜では面白かったのにゴールデンに移ってからなんとなくつまらなくなってしまった…とか、そういうことってありませんか?深夜にふさわしい番組とゴールデンにふさわしい番組ってどこか”匂い”が違うような気がしています。

その点この9月からゴールデンに進出したお仕事ドキュメントバラエティ『朝メシまで。』は、内容的にもゴールデンの時間帯にふさわしい番組かなー?と個人的には思っていました。

この番組についての私のお気に入りぶりは(笑)、以前もnoteに書かせていただきました。

時間帯的に今後は仕事の関係でリアルタイムで観ることができなくはなりますが、録画してこれからも必ず観ようと思っています。

先日ゴールデン進出第1弾となる2時間スペシャルが放送されました。スペシャルにふさわしく「湯葉職人」「飛行機の客室整備」「白菜農家」の豪華3本立てで非常に観ごたえありました!どれもその仕事ぶりに感動しました。

すべての仕事について詳しく書きたいところですが、あまりにも長くなりそうなので(笑)、今回はあえて「湯葉職人」さんについて書いてみようと思います。

湯葉って高級なイメージがあってしょっちゅう食べる感じではないのですが、お豆腐好きな私は湯葉も大好きです。

「湯葉職人」太田さん。京都市内から車で約1時間くらいにある自然豊かな美山町に自分の「湯葉工房」を作り、地元の食材にこだわった「美山ゆば」を17年前から作っています。

真夜中1時に、まずは前日にあげたものを1日乾燥させた「乾燥湯葉」の取り込み作業からスタートです。

その後は当日作る湯葉のための豆乳作り。湯葉は豆乳を加熱してタンパク質などを固めたもので、タンパク質が少ない大豆は湯葉ができにくい等あるそうです。その点美山の大豆はタンパク質が豊富でいい湯葉が作れるということになるわけですね!

太田さんの湯葉を使っているのは一流ホテルに老舗料亭。「大豆の甘みと旨みがしっかりとしている湯葉」ということで、今では多くの料理人たちから重宝されているそうです。

早朝4時からいよいよ湯葉作りが始まります。今回一番驚いたのは、作る湯葉の種類の多さです。毎日以下5種類の湯葉を汲みあげていくそうです。普通の大豆の他に黒豆を使用した「黒豆の湯葉」でも同じ作業をして、一人でなんと2,500枚もの湯葉を一日で汲みあげることになります。すくい方やタイミングで味や食感が大きく変わってしまうため、太田さん一人でないとこの作業はできないようです。

●最初に「汲みあげ湯葉」。作り始めのわずかな量しか作れないもの。柔らかくてトロっとした食感。
●続いて「湯葉どうふ」。薄い湯葉をミルフィーユ状に重ねたもの。しっかりした食感。湯葉の引きあげ方や重ね方でも食感が変わるそうです。
●続いて「引きあげ湯葉」。これは刺身湯葉として出回る一般的なもの。0.1mmほどの薄さのため、すくいあげるタイミングなど熟練の技術が必要だそうです。
●続いて「平湯葉」。春巻きのシートのような皮のように使えるもの。
●さらに翌日取り込むための「乾燥湯葉」

太田さんが湯葉を汲みあげてパックし、それを梱包するのは奥さんの役目。旦那さんの作業ぶりに目をこらし、夫婦ならではの阿吽の呼吸で様々な作業を見事にこなしていました。まさか湯葉屋になるとは思っていなかった奥さんは、今ではこの作業が楽しいそうです。

太田さんは22歳の時に美山で有名な「湯葉職人」に誘われて弟子入り。4年間の修行を積んだ後、”自分の湯葉”を作りたいと思い美山に自分の「湯葉工房」を建てました。

一番上の子供が産まれてすぐだったにも関わらず会社を辞めたことになるわけで、最初から収入があったわけでもなく奥さんの収入に支えられていたそうです。

奥さんは当時独立話には驚いたけれど、失敗してもまだ若いからやり直しがきくとOKしたと。まさに「成功する職人さんの陰に支える妻あり」ですね。奥さんの収入に頼る中、転機が訪れ…。太田さんの湯葉が有名ホテルの料理長の目にとまり、そこからいろんな料理屋さんを紹介してもらい徐々に太田さんの湯葉が認められていったそうです。その有名ホテルの料理長さんとの出逢いがなければ今の自分はないと太田さんは言ってました。

夜中の1時に作業が始まり、湯葉を作り始めてから10時間。2,500枚の湯葉を汲みあげ、それらを納品してやっと朝11時に朝ごはんです。

・汲みあげ湯葉の卵かけごはん
・湯葉の味噌汁

自分で作った湯葉を大自然とともにいただく太田さんの笑顔は輝いていました。

「自分の中でめちゃいいのが作れたら満足だし、お客さんが喜んでくれた時が自分の中の喜び」

最後にいつまで「湯葉職人」を続けるか?と聞かれた太田さんは「体力が持つ限り」と笑って答えていました。

毎日毎日この作業を続けている太田さんに頭が下がる想いでした。自分の選んだ道を突き進む”職人”の姿は本当にカッコよく素敵でした。

『朝メシまで。』を観ていると、自分の仕事に対しての姿勢をいつも正してもらえるような気がします。愚痴や文句を言っても何も変わらないし、それならば自分の信じるようにやってみればいい…そんな風に背中を押してもらっています。

勉強できるし、感動できるし、元気ももらえるし!やっぱり『朝メシまで。』最高です!!

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