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東野圭吾原作のドラマ『天使の耳~交通警察の夜』は、濃厚なヒューマンミステリーが堪能できそうです

東野圭吾原作のドラマ『天使の耳~交通警察の夜』。何の前知識もなく観てみました。東野圭吾原作というだけで、間違いなく面白そうだと直感で。

総務課から交通課に配属されたばかりの新人交通警察官・陣内瞬(まどか)役は、大好きな小芝風花ちゃん(なぜかいつも”ちゃん”付け(笑))。その教育係である巡査部長・金沢行彦役は安田顕。キャストもいい感じです。

二人がバディを組んで最初の事件は、深夜の交差点での交通事故。

外車の運転手は青信号を主張。一方の軽自動車の運転手は病院で死亡。両車両ともドライブレコーダーを装備しておらず、どちらが信号無視をしたか不明になるところ、死亡した運転手の妹が青信号だったと主張する。妹は目が不自由だった。事故当時、後部座席に同乗しており、カーラジオから流れていた松任谷由実の「リフレインが叫んでいる」の歌詞のタイミングで証明するというが…。

ドラマ『天使の耳~交通警察の夜』ホームページより

深夜の事故は目撃者もいないし、ドライブレコーダーが装備されていなければ双方の主張のみで判断せざるを得ないという点で、真相を明らかにするのはなかなか骨が折れる捜査になるわけです。

『警視庁24時』系のドキュメンタリー番組を観るのも大好きな私としては(笑)、実際の事故の中でも特に深夜の交通事故の真相を暴いていく様は、感心することばかりだったりします。事故の際の破片を一つ一つ丁寧に分析していくとか、細かい捜査の積み重ねが真相にたどり着く一番の近道であって、このドラマもそういった地道な捜査が続きます。

外車の運転手と同乗者は軽傷でほぼ無傷。軽自動車の方は運転手が亡くなり、同乗していた妹は目が不自由だったというのがこの事件の真相を暴くのをより困難なものにしていきました。

瞬のセリフにもありましたが、ドライブレコーダーを装備している車はまだ全体の5割未満程度だそうで、この数字は意外すぎて驚きました。とっくに7,8割超えていると勝手に思っていたので…。万が一を思うと、絶対にドライブレコーダーは装備しておいた方が賢明だと改めて感じます。

捜査の過程では”ブレーキ痕”から車が出していたスピードも予測できるとか、信号は記録が全部残るとか、信号の変わるタイミングはそれぞれの信号で「赤・黄・青」の長さが決まっていて違いがあるとか、初めて知ることもたくさんありました。

外車の運転手に有利になるような目撃者が数日経って現れたけれど、恐らくそれは″ニセの目撃者″で、事故後すぐに名乗り出なかった場合は偽証が多いそうです。

今回の事故の場合、軽自動車の運転手側の証言者は目が不自由な妹だけ。事故が起きる直前に妹が聞いた兄の言葉は信号が青に変わったことを意味し、兄は信号を無視したりするようないい加減な人間ではないと証言したけれど、耳だけの情報で目で見ていない証言は不利になると…。

どうしても真相を明らかにしたい瞬と金沢が再度妹に聞き込みをしたところ、事故が起きたのは絶対に午前0時の時報の後で、その時カーラジオから流れてきたユーミンの「リフレインが叫んでる」の歌詞の歌い出しの「♪どうして どうして僕たちは」のど頭の″ど″の時に兄が「よし青になった。いいタイミングだ」と言い、「♪最後の春に見た夕陽はうろこ雲照らしながら」の「照らしながらの最後の″ら″の時に事故が起きた」という証言も引き出しました。

それらの証言をもとに事故発生時刻の割り出しをし、その上で事故現場の信号が青だったことを証明するという…そんなことができるの?!というトリッキーな捜査が展開されていきました。

新たな目撃者が録画しておいた動画に映った時計と信号の間隔から事故が起きた時刻が判明し、兄の言葉とラジオから流れてきたユーミンの歌詞、そして信号が事故の瞬間なんだったか?の割り出し結果が出て、妹さんの証言が正しい…つまり軽自動車の車の信号の方が青だったという結論に至りました!

目が不自由な人にとっては、耳は目と同じ。目が見えない分″聴覚″が鋭敏というのは事実として信じられますが、そのことを証明しなければならないということで警察のお偉いさん方を集めた妹の″奇跡の耳の実験″が開かれる…というところで初回は終わりました。

第2話はこの事件の真相が明らかにされると同時に、別な事件の捜査も開始される模様です。全4話しか放送されないのが残念なくらい濃厚なヒューマンミステリーが堪能できそうなドラマ『天使の耳~交通警察の夜』。オススメです!!

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