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南フランス&バルセロナの旅〜地中海周遊ツアーの感想 2023年6月~7月

日本政府が入国制限を撤廃したので古希という特別感のある誕生月の6月、添乗員同行の海外ツアーに一人で参加しました。
個人的なことですがいくつか気づきがあったので、どなたかの参考になればと思いまとめます。


旅の概要

出発前日

成田山新勝寺のお不動様に、旅の安全を願ってお参りしました。
観光中のイタリア人女性に出会ったので、明日、地中海方面に旅立つと伝えると「多忙な日本人の夫と結婚したのでいつも一人ぼっち。2年間イタリアに帰っていない。私の思いを届けて来て」と頼まれました。
課題ができるとにわかに気持ちが高ぶってきました。

ツアー行程

1日目 成田空港発 チューリッヒ空港を経由してニース空港へ(ニース泊)
2日目 エズ散策、モナコ市内散策、ニース市内散策(ニース泊)
3日目 カンヌ市内散策、エクサンプロバンス散策、セナンク修道院のラベンダー畑見学、ゴルドー散策
(アビニヨン泊)
4日目 世界遺産ポンデュガール水道橋見学、世界遺産アルル市内散策、サンレミドプロバンス散策、世界遺産アビニヨン市内散策
(アビニヨン泊)
5日目 世界遺産ミディ運河、世界遺産カルカッソンヌ市内散策
(バルセロナ泊)
6日目 バルセロナ市内観光(世界遺産サグラダファミリア、世界遺産サンパウ病院など)
(バルセロナ泊)
7日目 バルセロナ空港発 ウイーン空港を経由して帰国の途に
8日目 成田空港着

地中海周遊ツアーバスルート

ツアー料金

約560,000円
国内線往復利用、前泊料金、一人参加追加料金、燃油サーチャージ料金、各種税金、空港使用料などを含めた価格です。

ツアー料金も高くなっていますが、個人旅行にするとさらに高額のようです。帰りの機内で隣に座った女性は、ウイーン=成田間往復の飛行機代が20万円、燃油サーチャージ代も往復20万円だったと話していました。

旅での気づき

事前学習で世界遺産の意味が自分なりに理解できた

自分の地元にも世界遺産がありますが、はずかしながらあまり考えもしなかった遺産の意味。
今回は、隠居生活になって時間に余裕があったため事前にガイドブックなどの情報をメモし、おまけに添乗員さんの説明を聞いたことでより深く理解できました。
今まで聞いたこともない世界遺産を訪れましたが、世界遺産たるゆえんを理解した後は、人類のために後世まで残してほしいと考えるようになりました。
たとえば、ポンデュガール水道橋は1世紀中ごろの建築ですが、飲料水を50Km先の街に送るために1Kmで段差24cmの勾配をつけたそうです。大きな石で作った美しい景観といい、当時のローマ人の測量技術や美意識のすごさに感動しました。

世界遺産 ポンデュガール水道橋(南フランス)


またバルセロナにあるサンパウ病院は、学者で建築家のムンタネーが設計したもので建物の外観の豪華さもさることながら、理論的で細かな心づかいが垣間見えることがわかりました。街並みに対して敷地の角度を45度にして、1日中太陽が当たり、新鮮な空気が入るように設計されています。また勾配を利用して、海から吹く風で伝染病が広がらないように丘の方の病棟に伝染性の高い人を入院させたり、建物を地下通路でつないで患者さんが楽に移動できるようにしてありました。
ムンタネーはほかにも世界遺産のカタルーニャ音楽堂など多くの建築を手がけた巨匠です。

世界遺産 サンパウ病院正面入り口(ムンタネー)

今までサグラダファミリアで有名なガウディーにばかり注目していましたが、ガウディーの先輩(ライバル)のムンタネーの建築物はそれ以上の価値があるとまで思わせるほど素人が見ても素晴らしく、今回新たに知ることができたことは自分にとって大きな収穫でした。

世界遺産 サグラダファミリア(ガウディ―) 聖母マリアの塔点灯中

ツアーの行程にない場所でも、個人で行ける

添乗員同行という安心の環境ですが自分の興味のある場所が別にある場合は、ツアー離脱願いを提出して個人旅行ができることを知りました。もちろん何があっても自己責任ですし、発生する費用は自己負担ですが。
今回、サンレミドプロバンスの散策時間1時間では行ける距離にない、ゴッホが精神の病の治療のために約1年間療養していたサンポールドモーゾール修道院に、ツアーを離脱して訪れました。

サンポールドモーゾール療養院の裏庭(南フランス サンレミドプロバンス)

ゴッホの絵の看板を見たり景色をながめながら徒歩で往復(50分間)しました。ゴッホの病室からは満開のラベンダー畑も見え、アルビーユ山脈や糸杉たちも当時のままの姿でした。耳切り事件を起こした後の精神状態で多くの絵画を描いていたゴッホのありし日を偲び、つらい中でよく頑張ったねと、思わず手を合わせていました(滞在時間約40分、入館料は€7)。

サンポールドモーゾール療養院 ゴッホの病室(南フランス サンレミドプロバンス)

ここでは男性の訪問者が多かったのが印象的です。絵葉書を3枚買って、療養院を後にしました。
市の中心部でノストラダムスの生家を見学した後、乗合バスに45分間ゆられて、ホテルのあるアビニヨン駅まで帰りました。バス代€2.5は市内で買う500mℓの水€3より安価でした。※レート€1(ユーロ)160.5円

アビニョン(終点)に到着したバス(南フランス)

地中海沿岸は日差しが強くても心地よい風が吹く

6月から7月にかけてのツアーは天気が気になりましたが、朝方一日だけ雨が降っただけで、青い海に白いヨット、青い空に赤や白のブーゲンビリアなどが映える地中海の景色でした。ニースの真っ青な海岸からは、成田山新勝寺で出会ったイタリア人女性の郷愁を心の中でつぶやいて届けました。

ニースの海岸(南フランス)
プロバンスに咲く花々

気温は30℃近くの日もありましたが、蒸し暑い日本と違って乾燥して心地よい風が吹くので汗はさほど出ませんでした。帽子が飛びそうになり、スカートの裾がハタハタとなびくくらいの風です。
バルセロナ市内でも風が吹くので街中でも普通の家庭にはエアコンはなく、カーテンで日差しを防いでいるだけだということでした。
また日差しが強い時期はサングラスをしないと目に負担がかかります。目の病気の方が多いので、バルセロナには世界的に有名な眼科医が多いと、現地のガイドさんが教えてくれました。

足のケアをしながら、とにかく歩こう

歩いてみると、その地域の風やにおい、聞こえる声や音で暮らしぶりも感じられます。夜9時でもまだまだ明るいので、電車の中は若者も多く、スーパーマーケットには家族の買い物客もいました。
ツアー仲間が歩数を毎日見ていましたがほぼ2万歩以上、3万歩の日もあったようです。
歩いていると、嬉しい偶然もあります。アルルの街では、毎年7月第1日曜日に衣装祭りがおこなわれるらしく、参加予定の美しい女性たちに出会えました。撮影許可をもらってパチリ。ビゼーの「アルルの女」を思わず口ずさんでいました。

アルルの美しい女性

歩くためには靴は大事で、自分も足が痛くなりそうだったので、前泊したホテルの近くでアッパーが柔らかい運動靴に買い替えていました。
シニアは、日ごろから足腰を鍛えておくことが楽しむコツだと思いますが、ホテルでお風呂に入ったあと、小さなマッサージ器で足裏をほぐしてリカバリーすると次の日も元気で飛び出せました。

リッチな旅は、できるだけ先延ばしにしたい

ツアーの一人参加は今回が初めてでしたが、ホテルは二人部屋のお一人様利用で、広くて気もつかわなくてリッチ感が味わえました。
このツアーでいつも一緒に行動した年上の女性は一人参加の常連さんらしくて、もう友人とも同室にはなれない、飛行機も少々お高いけどビジネスクラスを利用したらとても楽に過ごせると言っていました。
年金収入だけの自分にはリッチな旅はまだ早い。ツアーなら誰かを誘い、エコノミークラスが楽しめるように体力を維持する。そして体がヘトヘトになったら少しだけリッチな旅に切りかえたいと思った次第です。

WiFiレンタルは添乗員同行の旅ではなくても困らなかった

今回は、スマホとSIMが一体となるeSIM(Embedded SIM 埋め込み型のSIM)を使ってみようとアプリを入れて準備しました。WIFI機器を借りたり現地でSIMカードを買わなくてもオンラインで手続きして比較的安価に買えると知ったからです。(ヨーロッパ複数国7日間3GB1500円くらい。スマホ機種の条件あり)
ですがツアーでは添乗員の方に聞けるし、ホテルのWiFiもあるので結局購入せずに出発しました。国も推進しているし便利なので、今後の海外旅行では利用してみたいと思います。

おわりに


フランスもスペインもコロナ禍を乗り越えて通常の生活を楽しんでいるように見えました。こんなふうに感じること自体、コロナのパンデミックは世界中の人を同士のような連帯感で結んだのかも知れないなと、ふと思いました。

ただ楽しいだけのぼんやりとした隠居生活に、新たな感動と学びを与えてくれた旅。添乗員さんや初めて会ったツアー仲間にも感謝です。
また興味のある場所に足をはこびたいものです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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